
冷えた体を温めるだけでなく、野菜たっぷり&発酵食品のみそを使った豚汁は“腸活”にもなる、と近年静かなブームに。今回は、「とん汁の店 たちばな」三代目店主・松澤崇さんが自慢のおいしい豚汁の秘訣を大公開。ちょっとしたコツで、いつもの豚汁がグンと格上げされること間違いなし!家庭向けのレシピも教えてもらった。
肉、玉ねぎ、豆腐を層状に重ね蒸し煮で甘みと水分を引き出す。とろとろ仕上げの究極の豚汁
具材は豚肉、玉ねぎ、豆腐だけ。材料も作り方もごくシンプルなのに、できあがった豚汁は、シチューのようにとろとろで濃厚な味わい。「豚汁の王者」として知られ、この味を求めて全国各地から多くのファンが足を運ぶ。
「硬くならないよう豚肉をほぐし入れて軽く火を通したら、玉ねぎ、豆腐を入れて重ね蒸しにします。大量の玉ねぎから出た水分と甘みで、濃厚で味わい深い豚汁に仕上がります」と松澤さん。水分の8割は玉ねぎ。特別な調味料は入れずとも、極上の豚汁が完成する。

玉ねぎの甘みが極上の旨みに!冷えた体に染みわたる豚汁

【1】昆布とかつおからとっただし汁を鍋に注ぐ。

【2】白みそを溶く。塩分はやや高めにすると味がまとまる。

【3】煮立ったら大きめに切った豚肉を広げながら入れる。

【4】肉に7割ほど火が入ったら、ほぐして全体に火を通す。

【5】くし形切りにした玉ねぎを投入。1鍋(18杯分)で20kg。

【6】《Point》鍋の表面に玉ねぎが均等にいきわたるようにならす。

【7】2cm弱厚さに切った木綿豆腐を並べ入れる。1鍋に約6丁。

【8】ふたをして強火で約6~7分、煮立ったら弱火で5分蒸し煮にする。

【9】火を止めて10分ほどおいてからふたを開ける。

【10】《Point》別の大鍋に移す。豆腐を崩さず全体を混ぜるための秘技。

【11】豚肉、玉ねぎ、豆腐をやさしく混ぜ合わせる。

【12】玉ねぎがとろけた豚汁の完成。再び温めて器に盛る。

《材料》(作りやすい分量)
だし汁…2と3/4カップ 塩…大さじ1 みそ…約120g 豚バラ肉…500g 玉ねぎ…1.3kg(3~4個) 木綿豆腐…2丁
《作り方》
【1】鍋にだし汁を入れ、煮立ったら塩、みそを入れて混ぜ合わせる。
【2】【1】に5~6cm幅に切った豚バラ肉を入れ、肉の色が変わったらくし形切りにした玉ねぎを、鍋の表面全体を覆うように広げて入れ、その上に1cm幅の正方形に切った豆腐をのせる。ふたをして強火で10分、弱火で5分蒸し煮にしたら火からおろし、15分ほど蒸らして余熱調理する。
【3】全体を混ぜて器に盛る。
ラーメンにアレンジ!
店では「とん汁ラーメン」(970円)も人気。みそスープに豚汁を加えたベースで、定番のとん汁とは違った味わいが楽しめる。


◆教えてくれたのは:とん汁の店 たちばな 三代目店主・松澤崇さん

地元で50年以上続く豚汁の専門店。JR北陸新幹線上越妙高駅から車で約10分。
新潟県妙高市栗原2-3-10
写真/田中宏幸
※女性セブン2025年12月18日号