
住む場所が違えば文化も違う。女性セブンの名物ライター“オバ記者”ことの野原広子氏は、外国人と自身との違いについて実感する機会が増えているという。オバ記者が綴る。
イタリアで一人旅、列車で居眠りをしていたら…
あの〜、いきなりでナンですけど、体調悪くないっすか?
3月に入ったとたん、急にだよね。気圧の乱高下に体がついていかなくて、午前中はベッドから抜け出せないの。で、午後からむっくり起きて、自宅近所の秋葉原や神田周辺のカフェで仕事をしているんだけど、横でパソコンを開いている若者が目を閉じて動かない。後ろの30代らしき女性はテーブルに突っ伏している。ふふ、老いも若きも気圧の変化に克てないのね。
窓の外を見る。秋葉原は外国人だらけだ。中国、韓国、フランス、イタリアはもちろん、最近増えているのが中欧、北欧系の家族連れね。髪をすっぽり隠しているイスラム圏の女性もいる。ほんと、見た目も話す言葉もこんなに違うんだなと思うけど、共通点がないわけではない。外国人観光客がまずしないことがあるのよ。
それは、カフェや電車の中での居眠りだ。電車に揺られて寝るほど気持ちのいいことはない、と私は思っているけど、外国の人たちはしないよね。ずいぶん前だけど、イタリアで一人旅してたとき、列車に乗っていたら、「大丈夫?」ってイタリアンマダムに揺り起こされたの。いつの間にか居眠りをしていたのよ。そのときに驚いたのは、目を覚ました私を見る乗客たちの目の冷ややかさだ。それを言葉にするとズバリ、「だらしない」だね。その気持ちをキャッチしたら眠れなくなったわ。
そのとき思ったんだけど、そもそも私は、車内で居眠りしたらダメだと思ってなかったの。「大事なものを盗まれたらどうするのよ」と言う人もいるけれど、昼日中だよ。乗客で半分以上埋まっている車内で、誰が身ぐるみ剝いだりするもんか、と思っていたわけ。