人が減った銀行の窓口での出来事
窓口に人がいなくて困るのは小売業だけじゃないよ。銀行の窓口もかなり“人減らし”された感があるよね。
先日、ATMから現金を引き出そうとして暗証番号を入力したら、「やり直してください」と表示されたの。なのでもう一度、今度は慎重にカードを入れて暗証番号を入力したら、画面に「窓口でおたずねください」と出た。振り返ると警備員のおじさんがいたので尋ねたら、ビルを半周回ったところに入り口があるからそこから2階に上がれと言う。受付にいたお姉さんに経緯を説明したら、「では整理券を発券機から受け取ってお待ちください」と言うの。
さぁ、それからよ。お客は私以外2人で、カウンターの向こうにいる数人の銀行員は忙しく動いているけど、いっこうに私の番は来ない。30分を過ぎたらさすがにさっきのお姉さんが来て、「もう少しですからお待ちください」と言ってくれたけど、ただただ待たされるときの手持ち無沙汰といったら。

その挙げ句、「お待たせしましたぁ。お客様が暗証番号を入力したときに不要な記号も押してしまってエラーになったみたいです」だって。
それにしても、トラブル発覚から解決まで40分だよ。しかも、チョンと押し間違いをしただけで。平成の昔だって窓口にたどり着くまでけっこう待たされたけど、ソファには大勢の客がいたし、窓口の向こうにも多くの銀行員がいた。心配ごとを訴えれば親身になってくれる初老の相談員もいたのにね。
「人がいない」といえば、駅だってそう。東急東横線を利用している知り合いが嘆いている。
「駅のホームに駅員が一人もいない。ちょっと聞きたいことがあっても頼れる人がいない。防犯カメラの映像を駅舎の一室で見て、それで安全管理しているつもりになっているんだろうけど、客からすればなんだかとっても不親切に見える。何かあってもすぐには駆けつけてくれないんだろうな、という気持ちになっちゃう」
たしかに私の利用している駅でも、ホームどころか改札に駅員がいないことがよくあるのよ。「このインターホンを押してください」と書かれたボタンがある。だけど一回のやり取りで「わかりましたー」なんてことないもの。
そんなこんなで、とにかく世の中から生身の人間がいなくなっている。無人で対応する電子機器になんでも任せようとしている。困りごとがあっても、ネットで調べろ、ネットで問い合わせろ、解約もネットでしろ、という方向に向かっている。実はその手続きがものすごく面倒で、毎月引き落とされている料金が、えーと、いくらだ? それ、何年やってる? もう悔しすぎてここでは書きたくありません!
【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。
※女性セブン2026年5月7・14日号