
中国産食品の回収騒ぎが相次いで報じられた。今年2月、ニッスイは冷凍枝豆の一部から残留農薬が基準値を超えて検出されたとして、約3万3000パックを自主回収した。さらに昨年には、業務スーパーを展開する神戸物産が、冷凍千切りピーマンと冷凍大根から、それぞれ基準値を超える残量農薬が検出されたとして合計6万個以上を自主回収している。中国産からの輸入食品は品目数が多く、生産地域が広大な国土全域に分散しているため、集積や輸送にも時間がかかり、防虫のために農薬を多用する傾向があるというのだ。そんなリスクのある輸入食品のなかでも、特に危険性が高いのが加工食品だという──。【前後編の後編。前編から読む】
食品検疫を過信するのは禁物
残留した有害物質がそのまま消費者の口に入る危険が高いのが、加工食品だ。消費者問題研究所代表で、食品問題評論家の垣田達哉さんが説明する。
「流通過程で有害物質がふるい落とされ、洗浄も可能な生鮮食品とは異なり、加工食品はパッキングされた時点で付着した物質が固定され、輸入後にも無洗浄で消費者の口に入る。
調理が簡単なことから共働き世帯などを中心にカット野菜などの需要が伸びていますが、水洗いするなど注意した方がいいです」

海外からの危険な食品の防波堤として期待されるのが厚労省による食品検疫だが、過信は禁物だ。
「検査率が10%近くに達していた時代もありましたが、いまは8~9%程度。内訳は、検疫所がランダムに行うモニタリング検査が2~3%、怪しい貨物に対して決め打ちで実施する検査命令が2~3%。残りは輸入業者による自主検査。違反食品の水際対策としては、当然完璧ではありません」(垣田さん)
さらに、違反が発覚した際には、すでに「手遅れ」であることも多いという。食ジャーナリストの小倉正行さんはこう話す。
「モニタリング検査は、あくまで将来の検疫検査に使うデータを取ることが目的なので、サンプルを取った輸入品は検査完了まで留め置かず、そのまま通関させます。そのため、違反が発覚した際には、すでに消費者の口に入っていることがほとんど。
近年では中国から輸入された生鮮ブルーベリーや生鮮にんにくなどの違反事例で、発覚時にはすでに消費されていたことがわかっています」