
日本原産で、欧米では贈り物の花として愛されているあじさい。寺院では古くから故人を弔う花として親しまれつつ、時代とともに個性豊かに進化しています。もうすぐ見頃を迎えるあじさい寺を巡ってみませんか?
監修:日本アジサイ協会名誉会長 杉本誉晃さん
あじさいが日本原産の植物であることの周知ならびに、原種の保存やあじさいの普及に努めている。
*天候により、見られるあじさいの種類が異なります。
珍しい色や形、品種など、なかなか見ることができない花々が静寂に包まれる、情緒ある古刹へ。
豆知識1:あじさいの種類
日本の代表的なあじさいは、主に4種類に分けられる。日本アジサイ協会名誉会長の杉本誉晃さんが説明する。
「あじさいは、世界中の園芸家たちにより、品種改良が盛んに重ねられており、その種類は数千に及ぶといわれてます。私たち日本アジサイ協会でも把握できていません。
ただ、その交配元になっているのは、主に、次の4種類とされています」
・ガクアジサイ

伊豆半島、三浦半島、房総半島、伊豆諸島、鳥島、小笠原諸島などに自生。両性花(※) を装飾花が額縁状に囲む。
※「両性花」はつぶつぶのような小さな花のこと。雄しべと雌しべの両方を備え、受粉して実や種を作れる。
・ヤマアジサイ

本州、四国、九州、朝鮮半島の一部に自生。花や葉は小ぶり。花の色は白、青、ピンクなど。葉は薄く光沢なし。
・エゾアジサイ

本州の日本海側(豪雪地帯)から北海道に自生。ほかのあじさいと同様に額縁状の花が咲く。色や形はさまざま。
・ノリウツギ

全国各地に分布。ピラミッド状に白い花が咲き、開花は7月頃。秋まで花が咲き続ける。鑑賞用として人気。
雲昌寺(うんしょうじ/秋田県)

【見頃】6月中旬〜7月上旬
副住職が20年以上に及ぶ歳月を費やして、たった1株から2000株以上に育てた青いあじさいの群生が圧巻。夜間ライトアップされるとより青い色が際立つ。

住所:秋田県男鹿市北浦北浦字北浦57
三室戸寺(みむろとじ/京都府)

【見頃】6月上旬〜7月上旬
約5000坪の大庭園にカシワバアジサイ、ガクアジサイなどおよそ50種、2万株が咲き乱れる。本堂前の石段では、色とりどりのあじさいが配置された「あじさい昇龍図」が見事。

住所:京都府宇治市莵道滋賀谷21
明月院(めいげついん/神奈川県)

【見頃】6月上旬〜6月下旬
境内を埋め尽くすのは2500株以上のヒメアジサイ。日本古来の品種で別名「明月院ブルー」とも呼ばれ、神秘的な空間を演出。ひと雨ごとに淡い水色から濃い青色に変化する様子は必見。

住所:神奈川県鎌倉市山ノ内189