
愛子さまの将来を左右する議論が大きく動き出す中、陛下が会見で口にされたお言葉は、多くの関係者に衝撃を与えた。その真意をひもとくと、愛娘を思う気持ち、そして批判を覚悟で大切な存在を守り抜こうとされた、かつての構図が浮かんできて—─。【前後編の前編】
関係者の間で驚きをもって受け止められた重大発言
「国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」
意を決したように天皇陛下が口にされた言葉に、皇居・宮殿「石橋の間」は一瞬、水を打ったような静寂に包まれたという──。
6月11日、オランダ・ベルギー歴訪を2日後に控えた陛下は、約4か月ぶりとなる記者会見に臨まれた。
「陛下は両国との思い出や感謝、ご訪問にかける思いについて、穏やかな表情で語られました。和やかだった会場の空気が緊迫したものに変わったのは、開始から20分ほどが経った頃。陛下の口から、これまでとは一線を画す“重大発言”が飛び出したのです」(宮内庁関係者)
発言は、目下国会での議論が佳境を迎えている皇族数確保策に対するお考えを問われてのものだった。
「質問を聞き終えた陛下は何かを決意するかのように一呼吸置き、いつも以上に慎重に話し出されました。そして『制度にかかわる事項については、私から言及することは控えたいと思います』としながらも、『皇族数の確保のあり方についての議論においても、国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります』と付け加えられたのです」(前出・宮内庁関係者)
陛下のこの発言は、関係者の間で驚きをもって受け止められた。

「天皇が国政に関与することは憲法で禁じられており、皇室典範を含めた法改正に直接かかわることはできません。そのため、陛下はこれまでの会見で、『制度にかかわる事柄について言及することは控えたい』といわば紋切り型の発言にとどめてこられたのです。ところが今回の会見では、従来のスタンスから一歩踏み込み、議論の進め方に対するお気持ちを具体的な言葉にされました。
“国民の理解が得られるものになることを望む”ということは裏返せば、“国民の理解が得られていない現状がある”と解釈することもできます。陛下のお立場から発することのできるギリギリの表現で、皇室典範改正を急ぐ政権に“釘を刺した”とみる向きが広がっている」(皇室ジャーナリスト)
前出の宮内庁関係者は、「陛下はこれまで、皇室典範改正の議論からは距離を置いてこられた」と明かす。
「皇室典範改正の議論の推移や今国会での成立の見通しなどについて、側近たちが何度か陛下のお耳に入れようとしたことがあったそうです。しかし、そのたびに陛下は“あえて聞かなくてもいい”と、あくまでも見守る姿勢を取っておられたと聞いています。
次代の天皇は秋篠宮さま、そして悠仁さまであり、今後、皇位は秋篠宮家へと継承されていくことになる。“この先の議論は次の世代に任せたい”という意思を示してこられたようです。そうした陛下のこれまでのご様子を見てきた関係者がいるからこそ、今回の発言に至った陛下のご決断と真意を、厳粛に受け止める向きが多かったのです」(前出・宮内庁関係者)