健康・医療

【衝撃リポート】グルコサミン摂取のリスクを米大学が指摘、「アルツハイマー病の進行を早める可能性」と発表 医師は「ひざ関節痛に効果なし」、安易な服用に警鐘

グルコサミンは、危険な一面があることが指摘された(写真/PIXTA)
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「有名人も愛用しています」「すり減った軟骨が再生される」─—そんな喧伝によって、多くの中高年に支持されているグルコサミン。しかし、米フロリダ大学の論文によって、危険な一面があることが指摘された。驚くべき研究結果から目をそらしてはいけない。

「テレビCMや新聞広告で見たのをきっかけに、10年以上毎日グルコサミンのサプリメントをのんでいます。おかげでひざの痛みが少し楽になった気がします。心血管疾患にも有効と聞くので脳卒中家系の私にとっては欠かせないサプリです」

 そう話すのは都内在住のUさん(75才・女性)だ。「ひざの不安にグルコサミン」は中高年層にはもはや“常識”。関節のクッション成分を補い、元気に歩くための必須成分として、植田さんのようにサプリ摂取を習慣にしている人は少なくない。そのグルコサミンについて、薬剤師の長澤育弘さんが説明する。

「グルコサミンは、ブドウ糖にアミノ基がついた『アミノ糖』の一種です。体の中では軟骨や関節液など、関節まわりのクッション材を作る材料の1つなので、それをうたい文句として販売されています。えびやかになどの殻に含まれるキチンから作られるサプリが多いようです」

 だが、そのサプリが、年齢を重ねた脳に思わぬ影を落とすかもしれない──そんな衝撃的な研究結果が公表された。今年6月、米フロリダ大学の研究チームが学術誌『ネイチャー・メタボリズム』で「グルコサミンを摂取していると、アルツハイマー病の進行を早める可能性がある」と発表したのだ。

 今回の研究では、アルツハイマー病患者や軽度認知障害(MCI)の患者など、約6万6000人分の電子カルテを解析。その結果、すでにMCIの兆候が見られる人がグルコサミンのサプリを摂取していた場合、服用していない人と比べてアルツハイマー病を発症する確率が25%も高かった。さらに認知症患者がグルコサミンのサプリを摂取していた場合、死亡リスクが25%上昇していたという。

認知機能に影響が出る可能性のあるサプリメント
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 認知機能が低下し始めた人がグルコサミンを摂取すると、なぜ進行に拍車をかけるのか。米ボストン在住の内科医・大西睦子さんが話す。

「脳は体重の約2%しかありませんが、体全体のエネルギーの約20%を消費しており、主な燃料はブドウ糖です。アルツハイマー病になると脳がブドウ糖をうまく利用できなくなるため、これまでは脳のエネルギー不足によって起こる病気だと考えられていました。しかし今回の研究で、糖の供給が不足しているのではなく、『糖鎖』が必要以上にたくさん作られ、認知機能に支障をきたしていたという結果が出たのです」

 たんぱく質や脂質などに鎖状につながった糖を「糖鎖」と呼ぶ。

「糖鎖は、たんぱく質などに貼られた宛名ラベルのようなもので、正しい場所へ運んだり、ほかの細胞と情報をやりとりするために不可欠な仕組みです。しかし、グルコサミンによってたんぱく質と結合した糖鎖が過剰に作られると神経細胞の働きが悪くなり、アルツハイマー病を進行させる可能性があるのです。

 同研究ではアルツハイマー病のマウスの糖鎖を作る仕組みを弱めると記憶力が改善し、グルコサミンのサプリを与えると記憶力が悪化したと報告されています」(大西さん)

 金町駅前脳神経内科院長の内野勝行さんは「脳の細胞は、悪くなっても生まれ変わるサイクルを持つが、グルコサミンはそのサイクルを変化させてしまう」と指摘する。

「人体で重要な器官である脳に入る物質は、血液脳関門という“関所”で厳しくチェックされます。グルコサミンはそこを軽々と乗り越える性質を持っている。健康な人なら問題ないですが、グルコサミンは傷んだ神経細胞にくっつきやすい性質があるため、新しい細胞を作るサイクルではなく、傷んだ細胞を増やすサイクルにしてしまうのです」

 長澤さんも「工場」にたとえてこう説明する。

「健康な工場に材料が届くなら製品づくりに役立つかもしれませんが、機械が壊れて大量に不良品を作っている工場に材料を運び込めば、不良品が増えるばかり。これが健康な脳では大きな問題にならず、衰えた脳では悪く働く仕組みです。グルコサミンをのむと誰でもアルツハイマー病になるという話ではないので、健康な人への影響と脳が傷み始めている人への影響は分けて考える必要があります」

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