健康・医療

《注意が必要な“薬”》「便秘薬による高マグネシウム血症で認知機能が低下」「睡眠薬や抗アレルギー薬で“せん妄”に」…医師に確認しておくべきリスク

医師の指示で飲んでいる薬が健康を蝕んでいるかもしれない(写真/PIXTA)
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「念のために」「お医者さんにすすめられたから」と安易に検査や治療を受け、薬をのみ続ける──。しかし、医療を受ければ受けるほど健康になるというものではない。「過剰診断・過剰治療」が、かえって寿命を縮める可能性もあるのだ。医師の指示通りに服用しているその薬が、健康を蝕んでいるかもしれない──。【全3回の第3回】

薬剤の承認は“ブラックボックス”

「昨年、79才の母の様子がおかしくなった」と話すのは、東京都在住の女性Hさん(51才)だ。

「年齢的に物忘れもありましたが、あるときから話のつじつまが合わなくなり、問いかけに対する反応が明らかに鈍くなりました。『ついに認知症だ』と目の前が真っ暗になりましたが、病院で診てもらうと、別の病院から長年処方されていた便秘薬による『高マグネシウム血症』が原因だとわかったんです。薬をやめたらすっかり元に戻りましたが、まさか便秘薬が原因だとは、びっくりしました」

 こうしたケースは決して珍しいことではない。たかせクリニック理事長で在宅診療医の高瀬義昌さんが説明する。

「酸化マグネシウム製剤は便秘治療の第一選択薬として有効ですが、高齢者や腎機能が低下している人は高マグネシウム血症になりやすい。症状としては、眠気や反応の低下、筋力低下、意識障害が現れることがあります。認知機能が急に悪くなったようにみえることもあるため注意が必要です。

 基本的に、すべての薬は漫然とのみ続けるものではなく、必要最低限の量と期間にとどめること。リスクがある場合は、ほかの安全な薬剤に変更することが原則です」

 高齢者の場合は、睡眠薬や抗不安薬として広く処方されているベンゾジアゼピンや、抗アレルギー薬や胃腸薬などに使われる抗コリン薬によっても、「せん妄」になりやすくなる。

 なかには有効性そのものが疑問視される薬もある。チュージングワイズリージャパン代表で医師の小泉俊三さんが言う。

「アルツハイマー型認知症の新薬『レカネマブ』は、日本では認知症の進行を遅らせるとして承認されましたが、欧州のいくつかの国では効果が明確でないとして公的保険の対象から外されています。レカネマブは年間数百万円の薬剤費がかかるうえ、脳のむくみや微小出血など重篤な副作用が起こるリスクがある。

 薬の承認は、有識者の関与があるとはいえ行政判断による“ブラックボックス”的な側面があり、国の承認薬だからといって安全で必ずしも効くとは限りません。医師がすすめるからといってうのみにするのではなく、まずは思い切って担当医にリスクを聞いてみることです」

 重要なのは医療のデメリットにも目を向けることだ。

「すべての医療にはメリットとデメリットがある。医療によって期待できる効果が、自身にとって受け入れられる負担を上回るかどうかを意識し、自分は何を大切にしたいのかを考えることが重要です」(高瀬さん)

 医療へのアクセスがいい日本だからこそ、検査や薬を“なんとなく”で受けてしまいがち。医師に丸投げするのではなく、自分自身で考えることが健康を守る第一歩となる。

注意が必要な「薬」「治療」
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注意が必要な「検査」
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※女性セブン2026年7月23日号

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