健康・医療

《がん検診・がん治療》注意すべきデメリット「偽陽性で心身にダメージ」「治療の必要がないがんを発見」「高齢者には負担となる化学療法」…「早期発見・早期治療」の考え方を見直すべきとの指摘も

がん検診は、過剰診断のリスクが伴う(写真/PIXTA)
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 健康のためにと思っている検診や治療が、実は「過剰診断・過剰治療」となっており、かえって寿命を縮めることもある。特にがんの場合、早期発見早期治療が重要だと言われているが、そこに落とし穴があるという【全3回の第2回】

「早期発見・早期治療」という考え方そのものを見直す必要

 乳がんマンモグラフィ(乳房エックス線)検査も例外ではない。安心のために受けた検査で、かえって心身を傷つけてしまうリスクがある。

 神奈川県在住のSさん(40才)が話す。

「会社の健康診断でマンモも受けられると知り、なんとなく受けたのが間違いでした。検査は経験したことのない激痛。さらには異常が見つかったので、乳房に針を刺す生検も受けることになり、再び大きな苦痛を味わう羽目に。

 結果的にがんではなくほっとしましたが、診断が出るまでは毎日不安で眠れない日々。散々痛い思いをしたのに結局何の意味があったんだろうと考えてしまいます」

 マンモによる早期発見で命拾いする人もいると思われるが、Sさんのように、実際にはがんではないのに陽性と判定される「偽陽性」に加え、本来は治療の必要がないがんまで見つけてしまう「過剰診断」も無視することはできない。『本当はいらない医療』(宝島社新書)の著者で医療ジャーナリストの鳥集徹さんが解説する。

「アメリカのオレゴン健康科学大学とデューク大学医療センターの研究に基づくと、アメリカでは過去30年で約65万もの人が過剰診断を受けた可能性があります。マンモによって乳がん死亡率は低下するとされていますが、総死亡率が低下する確固たる証拠はありません。むしろマンモによって不必要な治療を受けることになり、寿命を縮めるリスクもあるのです」

注意が必要な「検査」
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 乳がん以外のがん検診においても同じことが言える。『それでもあなたは長生きしたいですか? 終末期医療の真実を語ろう』(ベストブック)の著者で医師の富家孝さんが指摘する。

「代表的なものは、肺がんを見つけるためのCT検査です。治療が必要になる人の約8倍が、過剰診断されるというデータがあります。胃の内視鏡検査も死亡率を下げる有効性がはっきりわかっておらず、欧米ではほとんど行われていません」

 こうした現状を踏まえ、富家さんは「早期発見・早期治療」という考え方そのものを見直す必要があるという。

「『がんは早期発見・早期治療で治る』と信じている人が増えていますが、実際には、見つかっても完治が難しいがんは少なくありません。ほとんどのがん検診は、漠然と受けてもメリットはないのです」

 手軽にがんリスクがわかると話題の「線虫がん検査」など尿を使ったがん検査も、有効性は明らかではない。

「がんの発見率が高ければいい検査だと思い込まれていますが、がん検診の有効性を検証するには、死亡率が低下したかどうかを確かめる必要があります。しかし『線虫がん検査』だけでなく、『腫瘍マーカー検査』や『PET検査』なども、死亡率低下の効果は確かめられていません。がんは早く見つけるほどいいというものではないのです。がん検診は、受ければ安心ではなく、過剰診断のリスクが伴うことも知っておくべきです」(鳥集さん)

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