健康・医療

長持ちする「血管」のつくり方 悪い生活習慣で加速する血管の“老い” 意識すべきは「魚」「野菜」「緑茶」中心の食生活、食べる順番も重要

ピンピンコロリを目指すには、「血管」と「腸」を元気にするのが重要だ(写真/PIXTA)
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 80才、90才まで長生きするのが当たり前になりつつあるいま、誰もが願うのは「ただ長生きすること」よりも「最期まで自分の足で歩き、自分らしく暮らすこと」。寝たきりで余生を過ごすことなく、ピンピンコロリを目指すには、何よりもまず「血管」と「腸」を元気にするのが最重要だ。そのための新常識を専門家に取材した。【前後編の前編】

寝たきりにならず自分の力で生き抜くためのカギは「血管」と「腸」

 日本人の平均寿命は女性87.13才、男性81.09才で、女性は40年連続で世界一の長寿を誇っている。しかしその一方で、心身ともに自立した生活を送れる「健康寿命」との差が問題になっている。日本人の健康寿命は女性75.45才、男性72.57才と、女性は約11年、男性は約8年もの期間を、健康を損なった状態で過ごすことになると推計される。

 事実、厚労省によれば、寝たきりの高齢者の数は全国に推定150万〜300万人とされ、65才以上の約20人に1人は「寝たきり」で余生を過ごすことを余儀なくされている。池谷医院院長で循環器専門医の池谷敏郎さんが指摘する。

「日本人の死因にもっとも多いがんが少しずつ命を蝕んでいくのに対し、がんに次いで死因の多くを占める心筋梗塞や脳卒中は、突然命を奪われるケースが多い一方で寝たきりになるリスクが高い病気です。

 心筋梗塞の致死率は20〜40%程度で、約6割は一命を取り留めるものの、その後は心不全などを抱えて介護が必要になることも珍しくありません。また脳卒中は約9割が助かりますが、まひや認知症が残ることが多い。脳や心臓の血管系疾患は、命だけでなく〝自分らしく生きる力〟を奪う病気でもあるのです」

 血管系疾患だけでなく転倒や骨折、また入院期間の長さなどいくつもの要因から、日本は長寿大国でありながら、世界でも有数の“寝たきり大国”でもあるのだ。人生100年時代に、最期まで寝たきりにならず自分の力で生き抜くためにはどうすればいいのか。そのカギは「血管」と「腸」にあった。

血管を長持ちさせるには「魚」「野菜」「緑茶」

 池谷さんは「人は血管とともに老いる」と話す。

「鉄が時間とともに錆びていくように、血管も年を取るほど酸化ストレスで硬くなっていくのは自然なことです。問題は、それが悪い生活習慣によって早く進行してしまうこと。加齢による動脈硬化が進み、血管の内側にコレステロールや脂肪が蓄積して『プラーク』と呼ばれるコブができる。すると、血管はさらに狭くなり、血流が悪くなるだけでなく、血栓ができやすくなります。心筋梗塞や脳梗塞が50代以降に多いのはこのためです」(池谷さん)

規則正しく、健康的な生活習慣が、元気な血管と腸をつくる(写真/PIXTA)
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 50代を過ぎると、高血圧症や脂質異常症といった生活習慣病も加わり、血管の老化と硬化が一段と加速する。東邦大学名誉教授で循環器専門医の東丸貴信さんが説明する。

「若い頃は多少の不摂生があっても血管の硬化が表面化することは少ないですが、50代以降は日々の不摂生が高血圧症や脂質異常症などの生活習慣病として現れ、動脈硬化が一気に進みます。

 さらに、血管の壁にある『平滑筋細胞』という筋肉細胞が衰えて線維成分などが増えると、血管は一層硬くなります」

 寝たきりにならないために目指すべきは、何才になっても健康な「長持ち血管」を手に入れることなのだ。

「理想は、しなやかで、内側に傷つきやすく不安定なプラークがない血管です。そのためには、血管の内側でバリアの役割を果たしている『血管内皮細胞』がしっかり働いている必要があります」(池谷さん)

 加えて、血管の中を流れる血液の状態も整えておく必要がある。血糖値やコレステロール値が正常な「サラサラ血液」が、血管の状態も良好にしてくれる。

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