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海外での“放浪”経験が豊かなオバ記者が語る“世界と日本のトイレ事情”「世界から絶賛される日本のトイレが現状維持できなくなったら、間違いなく日本の凋落」

トイレは日本の国力のパラメーター

 私が60過ぎまでせっせと海外に足を運んだのは、洋裁に凝って、フランス、イタリア、中国、台湾、韓国まで布地集めの旅をしたからなんだけど、布地店はどこの国でも町はずれにある。ちなみに東京の布地のメッカは日暮里、といえばなんとなく見当がつくかしら。

 で、それらの国のトイレ事情はというと……まずイタリア、フランスのトイレは便座がなくて、丸いお鉢のような便器にまたがり、スクワットしながら用を足していたことを思い出す。

 中国のトイレはもっと強烈で、いまはどうか知らないけれど、少なくとも15年前はデパートのトイレのドアが壊れていたの。そこで、きれいに化粧した女の子が友達とおしゃべりしながら全行程を遂行していた。

さまざまな場所で温水洗浄機付きトイレが増えている(写真/PIXTA)
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 見事なシルクジャージーが売られていた布市場の近くのトイレは、鼻がその位置を教えてくれた。そこは水が流れる溝が実質的なトイレで、それをまたぐ形で使う。前後に形ばかりの仕切りはあるけれど、排泄の過程は全公開。私はこの体験をして以来、「中国と戦争なんかしたら絶対にダメ。メンタルが違いすぎる」と言い続けている。

 逆の見方をしたら、日本の国力のパラメーターはトイレにあり、と言えるかもね。外国の人が「日本のトイレは清潔で素晴らしい!」と絶賛するトイレが、もしも現状維持できなくなって、壊れても直せなくなるようなら、間違いなく日本の凋落だよね。そんな日が来ませんようにと、69才の私は願わずにはいられない。

【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。

※女性セブン2026年8月13日号

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