
年齢を重ねれば重ねるほど、体は“老化”し、健康を保つのが難しくなってくるもの。医療が進化するとともに、人間の体は「酸化」「糖化」「炎症」が加わると、老化のスピードが速くなり、病気がちになったり、見た目にも変化が出ることが明らかになった。その3つの状態を遠ざけることこそが老化を止め、老いない体をつくることになる。そのための最強のルーティンの作り方を専門家に取材。今回は「酸化」についてお届けする。【全4回の第2回】
たばこは体の内側から強烈な酸化反応を引き起こす
「体のサビ」と表現される酸化は、特別な条件でのみ起きるものではない。そもそも私たちは、生きている限り呼吸をして体内に酸素を取り入れるため、常に体内で酸化が起きている。熊本リハビリテーション病院サルコペニア・栄養支援センター長の吉村芳弘さんがが解説する。
「細胞内のミトコンドリアは、酸素を使って炭水化物や脂肪から生命活動に必要なエネルギーを作り出しています。その過程で『活性酸素』が発生するのですが、その活性酸素が抗酸化力を上回ると、細胞などを攻撃する『酸化ストレス』という状態になります。問題なのは、酸化が過剰になったときです」
酸化ストレスを過剰にする原因は、日常生活のあらゆるところに潜んでいる。金町駅前脳神経内科院長の内野勝行さんが解説する。
「喫煙や飲酒、紫外線、激しい運動、偏った食事、睡眠不足、精神的ストレスなどが酸化を進める要因になります」

京都府立医科大学大学院医学研究科教授の内藤裕二さんは、なかでも喫煙の影響は非常に大きいと話す。
「たばこは体の内側から強烈な酸化反応を引き起こします。肌にとっては紫外線も強力な酸化要因になりますが、紫外線を防ぎすぎるとビタミンDが不足して、骨が弱くなり、骨折のリスクが上がります」
では活性酸素が過剰になると、体にどのような変化が起きるのか。吉村さんが解説する。
「遺伝子レベルで細胞が傷つき、生きるために必要なエネルギーを作り出すミトコンドリアの機能が低下して、細胞そのものの機能も低下し、老化していきます。長く続けば臓器レベルでのダメージとなり、動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病につながります」