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《失敗例から学ぶ高齢者ホーム選び》「営業マンの説明と実態が違う」…セールストークに騙されないためには、見学時に「入居者の表情・服装」「スタッフの様子」を必ずチェック

高齢者ホーム選びの判断を誤らないためのポイントとは(写真/PIXTA)
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 人生100年時代のいま、「老後」も「最期」も多様化している。老後をひとりで過ごす人も増えており、いざ支援や介護が必要になったとき、日々の暮らしを支えてくれる「高齢者ホーム」は心強い存在だ。だが選び方を間違えれば、安心して過ごせるはずの場所で心身ともに追い詰められることにもなりかねない。身近に起こり得る失敗例から、高齢者ホーム選びの判断を誤らないためのポイントを見ていこう。【全4回の第2回】

見学時の説明と実態が全然違う

「大手企業が運営する施設だからと安心していました。もっとしっかり確認していれば………」

 そう悔しさをにじませるのは、Bさん(58才)だ。

「母が大腿骨を骨折し、退院後も介護が必要になったため、急いで介護付き有料老人ホームを探すことになったんです。見学時の担当者は親切で、『リハビリ体制が整っていて、食事は毎回、皆さんで楽しく食べています』と説明してくれました。建物も立派で、ほとんど即決でした。しかし実際入居してみると、リハビリは期待していたほど受けられず、食事は黙食がルールで、おしゃべりができない。認知症もひどくなり、説明された生活とあまりに違うので、怒りを覚えています」

 見学時の説明と現場の対応が食い違っていたという相談は、伊藤さんのもとにも数多く寄せられるという。N-TAKE代表取締役社長で老人ホームアドバイザーの伊藤直剛さんが言う。

「大きな施設では、見学を案内するのが施設長ではなく、営業担当者のみという場合もある。営業マンの“セールストーク”と現場とにギャップがあり、『説明されたサービスが、実際には提供されていない』という相談もあります。入居前にしっかり自分の目で確かめることが大切です」

 Bさんのような事態を避けるためには説明を聞くだけでは不充分。むしろパンフレットのうたい文句や営業担当者の言葉に疑問を持ち、実際の現場を観察することが失敗を防ぐカギになる。

 介護・福祉ライターの浅井郁子さんは、見学時には入居者の表情や施設の雰囲気に注目してほしいと話す。

「入居者にとって食事は毎日の楽しみなので、特に重要視してほしい。できれば食事時間に見学し、入居者が楽しそうに食べているかどうか、職員が落ち着いて対応できているかどうかなどを見てください。

 館内のにおいもチェックしましょう。交換したおむつが放置されているなど、排泄臭が気になる施設は要注意です」

見学時には施設長やスタッフと直接話をすることが重要(写真/PIXTA)
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 入居者の身なりから日々の様子がうかがえると話すのは、老人ホームコンサルタントの小嶋勝利さんだ。

「入居者の服装や髪形が整えられているかどうかは、いちばんに見るべきです。入居者のQOLに配慮している施設は、自室を出る前にきちんと着替えさせて、身なりを整えてくれます。髪がボサボサだったり、男性なら無精ひげが生えているのは当然NGですが、入居者が全員同じようなスエットやジャージーを着ている場合はよくない。脱ぎ着が簡単な服なので、本人の意に反して着せられている可能性があります」

 選ぶ際にしっかり見ておきたいのが、介護を担うスタッフだ。

「入居後に本人から施設での様子や過ごし方を聞こうと思っても、認知症などであれば直接聞けないケースも珍しくありません。その場合、体調の変化や認知症の進行具合、施設での様子などをスタッフに確認することになります。

 ところが、施設側とのコミュニケーションが不充分だと、不安と心配ばかりが募ってしまう。結果、毎日面会に来てはスタッフが担うはずの様子確認を行っているご家族もいらっしゃいます。こうした状態では、家族と施設の間に信頼関係を築くことはできません。見学の段階から施設長やスタッフと話をして、こちらの不安に寄り添ってくれるか、安心して生活できるかを見極めることが重要です」(伊藤さん)

 小嶋さんも続ける。

「実際に介護しているのは営業担当者ではありません。見学時に現場の施設長やケアマネなどの管理者が顔を出さないのなら、要注意。スタッフと目が合ったときに、気持ちよく挨拶してくれるかどうかも大事です」