
2024年3位、2025年2位の好成績を収めた埼玉『GOLD DRAGON』は、半月板損傷から2か月あまりのメンバーがセンターを務めた。演舞後「全身にテーピングをしている」と明かすも、負傷など微塵も感じさせない軽快なステップで仲間と群舞した。
熊本『SIJ GOLD CREW』は今夏の熊本地震で練習中断を余儀なくされながらも、チームで支え合い、出場を果たした。「テンポについていけない、覚えたのに忘れてしまう」と苦戦続きだったと語り、78才のメンバーは「もうやめたいと途中で泣いた」と振り返った。それでも全員笑顔で踊り切り、「来年もまた出たい」と明るく誓った。
「この大会ではエネルギーなり、生きる力なりを感じたい。お医者さんを呼んで救急の体制も整えていますので、調子が悪くても心配せずに出てきてもらってダンスでのびのび弾けてほしいなと願います」(杉)
杉が参加者に託した“使命”が実を結ぶ形となったのは、東京『WAKU-WAKUだんさーず』。GOLD CUPに出場したい一心で結成された7人組で、「みんなに“ワーッ”と言われるのは、生まれて初めて!」と夢の舞台で踊る喜びを全身で爆発させた。
初出場組では、シニアだけのブレイキンチーム、東京『ARA STYLE SENIOR』も光った。8割がダンス未経験者だったが、「ブレイクダンスならほかのチームともかぶらないし、面白そう」と果敢に挑戦した。ラストは床技でフリーズを決め、退場前にも全員でワンムーブ。「シャチホコみたい! すごい!」と小田井も声を弾ませた。
15チームそれぞれのドラマを見せたGOLD CUPは、賞にも大会ならではのカラーがあった。
5つの賞が設けられ、15チームのちょうど“センター”に当たる「ど真ん中で賞」は、埼玉『GOLD DRAGON』が手にした。副賞はなんと米俵。15位となる「(狙っても)一番獲れないで賞」は宮城『F-BLUE』に贈られ、副賞は和牛肉5kg。ステージでは生肉柄のクッションが授与される杉の“ニクい”演出も。3位の優秀賞には、初出場の東京『ARA STYLE SENIOR』が選ばれた。
今大会からは「厚生労働大臣賞」が新設され、スケールアップ。2位にあたる同賞を、昨年覇者の『JBRevolution大分』が受賞。1位の「杉良太郎特別賞」には、常連の神奈川『FOREVER CHANCE!』が見事輝いた。
また、この日は厚生労働省特別プログラムとして70~90代のダンサー6名によるダンスチャレンジも実施。課題曲はAKB48の『ヘビーローテーション』で、厚生労働省「知って、肝炎プロジェクト」スペシャルサポーターを務めるOGの高橋みなみ、現役メンバーの秋山由奈、山内瑞葵も合流して、一緒に踊った。
90代は一般から選ばれた90才と94才の2人。その奮闘に高橋は「ちょっと涙腺が……」と目を潤ませた。上野賢一郎厚生労働大臣は、「挑戦者には去年ご一緒した人もいましたが、去年より若くなっていらっしゃる」と目を見張った。杉はスポーツドリンクを手に登壇し、参加賞として一人ひとりに贈呈。「遠くから見たら20才に見えるよ。感動しました」とねぎらった。
「日本は高齢化が進む暗い国だと言われるのは、どうもしっくりこない。ダンスを通して日本のシニアの底力を思う存分、発信してほしいです。年齢なんか関係ない。杖をつきながら踊ってもいいんです。“諦めない”姿を見せてほしい」
杉はそう語り、「将来的にはこの大会を武道館で開催したい」とサプライズ宣言。出場者たちは大きくどよめき、優勝した『FOREVER CHANCE!』のメンバーは「5年後でも、10年後でも、杖でも、車椅子でも、武道館で仲間と踊りたい!」と、新たな目標へ向けて闘志を燃やした。
武道館、そしてその先の世界へ――杉と共に歩むダンサーたちのエネルギーが、その夢を花開かせていく。