日本人1人が1年に食べる卵は331個(2016年国際鶏卵協議会報告書)。ほぼ1日1個の計算で、日本はメキシコ、マレーシアに次いでなんと世界第3位の卵大国である。『日本書紀』に、天地ができる前の混沌とした宇宙をたとえて「鶏子(鶏卵)」という言葉が出てくるほど、日本における卵の歴史は古い。
675年、時の天武天皇が牛・馬・犬・猿とともに鶏を食すことを禁じ、卵は禁止しなかったものの、災厄を避けて日本人は長らく、卵を食べなかった。ようやく“因果応報”の呪縛から放たれ、庶民が卵を口にするようになるまでには、その後約1000年、江戸時代まで待たねばならなかった。
卵は食物繊維とビタミンC以外の栄養素をすべて含む「完全栄養食品」といわれる。とくに人間の体内で合成できない9つの必須アミノ酸をバランスよく含有。消化がよく免疫力も向上させる効果があるため、病中病後の食事にも最適とされる。まさしく1日に1個は食したいスーパーフードである。
そんな卵について家庭料理研究家の松田美智子さんはこう話す。
「たかが卵、されど卵。生でも食すものですから、黄身の濃さにこだわるよりも、有機農法で素性の知れた健康な卵をお使いになることをおすすめします。ちなみにゆで卵ですが、卵が新しすぎると殻がくっついて剥きにくいので、『もう使い切らないと』…という古い卵はまとめてゆで卵にし、サラダやラーメン、サンドイッチなどの具材に生かすといいですね」(松田さん)
卵の準備
生食もする卵は、開放的な鶏舎で抗生物質を使用せずに、安全な飼料を食べて育った鶏のものが望ましい。また、パック詰めの日付ではなく、生まれた日付が明記されている新鮮なものを選ぶのもポイントだ。
「卵焼きにする場合は、まず、カラザを除いて白身を菜箸で切るように、空気を取り込みながら溶きましょう」(松田さん)。
『卵焼き』の作り方
【1】ボウルに卵2個を割り入れ、カラザを取り、あらかじめ合わせておいた上砂糖大さじ1.5と酒大さじ2を加える。白身を菜箸で切りながら、空気が入るように溶く。
【2】小さめの卵焼き器にサラダ油大さじ3を引いて中温弱の火にかけ、卵液の1/4を流し入れる。火から離したり掛けたりで加減をしながら半熟に焼き、2cm幅を目安に向こう側から手前に巻いていく。
【3】 【2】を向こう側に移動し、卵焼き器の空いたところにサラダ油を塗り、火にかけて残りの3等分の卵液を流し入れ、【2】の卵の下にも流し、半熟の状態で手前に巻いて、向こう側に戻す。これを2回繰り返して完成。ラップフィルムの上に卵を置き、しっかり巻いて形を整える。粗熱をとったら、好みの大きさに切る。
『プレーンオムレツ』の作り方
【1】卵2個をボウルに割り入れ、カラザを除く。牛乳大さじ2を加え軽く溶く。
【2】フライパンを中火弱に熱し、バター大さじ1.5を加えて半分溶けたら卵液を流し入れて2~3秒待ち、少し固まったら菜箸で大きく混ぜて一呼吸置く。
【3】手前の卵を真ん中から折るようにし、フライ返しで向こう側の卵も真ん中に折るように重ねる。
【4】フライパンの持ち手と反対側に卵を滑らせながら皿に盛る。ペーパータオルで形を整え、サワークリーム適量をのせ、(あれば)セルフィーユをあしらう。
撮影/鍋島徳恭
※女性セブン2018年5月10・17日号
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