好きなものを好きなだけ食べても血糖値が下がる、という夢のようなメソッドが登場! 糖尿病が心配なら炭水化物やスイーツはもってのほか、厳しい食事制限は当たり前、というこれまでの常識を覆す、“加藤式『降糖エクササイズ』”の秘密に迫ります!

糖質をたくさん消費すればご飯もおやつも食べられる! 糖質オフがブームとなってずいぶん経つが、糖尿病患者は年々増え続けているのが実情。「つまり食事制限だけでは、血糖値は下がらないんです」と、薬剤師・体内環境師の加藤雅俊さんは語る。
「糖尿病患者が減らない一番の理由は『糖質の摂取が多い』からではなく、『糖質の消費が少ない』ため。原因は運動不足! 私の提唱するエクササイズは、糖質を燃料として使う動きを組み合わせ、効率的に糖質を消費します。1週間ほどで血糖値の数値に効果が現れ、続ければ減量効果も期待できますよ」
食べても血糖値が下がる理由は“アウターマッスル”にあった!

まず、インナーマッスルとは、腹斜筋・腹横筋など、“体幹”と言われる体の深層にある筋肉の総称。鍛えても外見はあまり変わらない。脂肪が主なエネルギー源で、インナーマッスルを使う主な動きとしては、ウオーキングやヨガなど、持久力を必要とするゆっくりの動き。
一方、アウターマッスルとは、広背筋・大臀筋・大腿四頭筋など体の表面や外側にある、大きな筋肉の総称。鍛えると外見が変わるのが特徴。ブドウ糖が主なエネルギー源で、アウターマッスルを使う主な動きとしては、瞬発力を必要とするジャンプや走るなどの高速の動きで使われる。
3分間高速で動いて糖を一気に消費する!
「糖質を消費する解糖系のエンジンを使うためには、短時間でキツめの運動(無酸素運動)を行うことが大事。さらに、大きな筋肉、アウターマッスルを使うことで、エネルギーの燃焼効果が高まります。
このエクササイズは、3分間で集中的にアウターマッスルにアプローチ。一気に多くの糖を消費することで、血糖値の上昇を防ぎます。もうひとつ重要なのが“高速で動く”こと。ハイテンポの音楽に合わせて動くと、リズムよく行うことができます」
早速、糖を一気に消費する「降糖エクササイズ」をご紹介!
『降糖エクササイズ』の流れ
【1セットめ】
エア縄跳び(20秒)
↓
10秒休憩
↓
ひざキック(20秒)
↓
10秒休憩
↓
エアバスケ(20秒)
↓
10秒休憩
【2セットめ】
エア縄跳び(20秒)
↓
10秒休憩
↓
ひざキック(20秒)
↓
10秒休憩
↓
エアバスケ(20秒)
エア縄跳び(筋肉を呼び覚ます準備運動)
まずは縄跳びをするようにジャンプする動きで、鈍っている筋肉を刺激しよう。できるだけ速く、高く飛ぶのがポイント!

縄跳びのロープを持っているイメージで、両腕を腰の位置で曲げる。縄跳びをするように、手首を回しながらジャンプ。速く高く跳ぶことを意識して20秒間続ける。
【しっかり効果を出すポイント!】
●できるだけ高速で
速く動かせば動かすほど、無酸素運動としての負荷が大きくなる。
●できるだけ大きく動く
ひとつひとつの動きを大きくすることで、筋肉への負荷が大きくなり、降糖効果が高まる。
●少しキツいくらいの負荷をかける
少しキツいと思うセット数を行うのが効果を出す秘訣。慣れてきたらセット数を増やして。
ひざキック(アウターマッスルを強化!)
上半身をひねる動作とふとももを蹴り上げる動作で、広背筋、大腿四頭筋、大臀筋などのアウターマッスルを一気に刺激する。

【1】両腕を軽く曲げて顔の横に。足は肩幅に開く。
【2】左に向かって上半身を大きくひねりながら、左ふとももを高く蹴り上げる。右ひじと左ひざが軽く触れる高さが目安。
※脚を上げずに上半身を曲げるのはNG。脚をふとももから高く蹴り上げて。
【3】 【2】と同様に、反対側も行う。【1】→【2】→【1】→【3】の順に20秒間繰り返す。
足腰やひざを痛めているときは…座って高速肩回し

ひざなどが痛くて上記のエクササイズができないときは、座ったままできる肩回しがおすすめ。背中の大きな筋肉を動かして上半身のアウターマッスルを使うことで、血糖値を下げる効果が。
【1】両脚は揃え、両ひじを曲げて肩の高さに上げる。
【2】肩甲骨からしっかり動かすイメージで、10秒間高速で肩を後ろに回す。
【3】同様に、10秒間高速で肩を前に回す。1セット行ったら10秒休憩。慣れてきたら3セットを目標に。
エアバスケ(腰を落として体を伸ばす!)
バスケのシュートをするイメージで、深く腰を落としてから左右に体を伸ばすエクササイズ。下半身と背中の筋肉を刺激する。

【1】両足を肩幅に開いて立ち、手は胸の前に上げる。バスケットボールを持つイメージ。
【2】一気に深く腰を落とし、ひざを90度以上曲げる。
【3】そのまますぐに、勢いをつけて右上方へ全身を伸ばす。軽くジャンプしてもOK。
【4】再び、深く腰を落とす。スピーディに行うのがコツ。
※腰を深く落とさないと効果は半減。背筋は伸ばしたまま、90度以上腰を落として。
【5】【3】と同様に、勢いをつけて左上方へ全身を伸ばす。軽くジャンプしてもOK。
慣れてきたら…+αで効果アップ!
【高速その場ダッシュ&エア自転車こぎ】

高速その場ダッシュ(右)は、下半身のアウターマッスルを集中的に使えるエクササイズ。腕を大きく前後に振りながら、ふとももを高く上げてその場で20秒間ダッシュする。
エア自転車こぎ(左)は、座ってできるので、ながらエクササイズとしてもおすすめ。いすに座り、自転車をこぐ要領で足を20秒間大きく回転させる。
日常の動きにちょい足しで血糖値を下げる!
忙しくて運動をする時間がないという人は、毎日の生活の中での動きをひと工夫。「歩く」「階段を昇る」というなにげない動作が、たちまちエクササイズに!
【背中の筋肉を意識!『肩甲骨ウオーキング』】
普段何気なく歩いているときは、ほぼ下半身の筋肉だけを使って歩いている。背中を大きく動かし肩甲骨を動かすことで、広背筋を刺激する。

まっすぐ立ち、背骨を軸にして肩を少し前へ。脇を締めて左右に肩甲骨を振るイメージで、大またで速く歩く。

※腕を前後に大きく振るだけで、上半身を使わないのはNG。背中の筋肉を意識して動かして。
【かかとを使って昇る『階段上がり』】
階段を昇るときは、かかとから足裏全体に体重を移動させ、足のバネを使うように昇る。下半身のアウターマッスルが鍛えられ、美尻・美脚効果も得られる。

足を上げたら必ずかかとから着地し、足裏全体→つま先を使って蹴り出すように上がっていく。
【レベルUP!】
階段を一段とばしに昇ると、下半身の筋肉への負荷がより大きくなり効果的。

※かかとをつけずにつま先だけで昇るのは、下半身の筋肉がしっかり使われないのでNG。
撮影/市瀬真以
※女性セブン2018年5月31日号
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