ハムやウィンナソーセージなど日持ちのよい加工肉は、冷蔵庫の定番になっている家庭も多いはず。なかでも、ほぼ精肉同様に使えて深いコクがだしにもなるベーコンは、常備しておくととても便利だ。
一般的に、豚バラ肉を塩漬けにし、塩を抜いた上で薫製にしたものを「ベーコン」と呼ぶ。ベーコンの発祥は紀元前のデンマークといわれる。「ベーコン」の名は、ゲルマン祖語で“背中”を意味する「bakkon」が英語で「bacon」となったという説と、英国の哲学者フランシス・ベーコン(1561-1626年)が船舶用食糧として塩漬け豚肉の薫製の大量調達を推奨し、それが世界中に広がったという説がある。日本には幕末に伝わった。
ベーコンは栄養価も高い。脳の活性化を促進するアラキドン酸、疲労回復とアンチエイジングに効くカルノシン、抗ストレスと筋肉の維持効果のあるロイシン、そしてビタミンB1をはじめとするビタミン類、ダイエットをサポートするカルニチン…と、女性にうれしい成分が詰まっている。
家庭料理研究家の松田美智子さんはベーコンについてこう話す。
「ベーコンはぜひ、少々値は張っても、丁寧に薫製された上質のものをお使いください。調味料いらずの濃厚な風味が楽しめますし、極上のだしも取れます。また、かたまりで買っておくと、いろいろな料理に使えて便利です」
ベーコンの選び方&保存法
ブロックベーコンは、赤身と脂肪の層がきれいに重なっているものを選ぶ。赤身が多いと塩気が強い。保存は、厚手のキッチンペーパーに包んでラップし、冷蔵庫へ。約1週間はおいしく食べられる。冷凍してもよい。スライスしてあるものは、密封包装でもブロックに比べて賞味期間が短い。風味を楽しむなら早めに食べきること。
『シーザーサラダのカリカリベーコン添え』の作り方
【1】ベーコンは5mm厚さに切ったものを5枚用意する。フライパンに並べ、水を張ったひと回り小さい重めの鍋をのせて、弱火にかける。脂が出てきたらキッチンペーパーで吸い取り、途中で返して好みのカリカリ具合に焼く。焼き上がったらキッチンペーパーに並べて、脂を切る。
【2】オーブンは220℃に予熱しておく。ボウルにゴルゴンゾーラチーズ50g、生クリーム1/2カップ、オリーブ油・白ワインビネガー各大さじ2、白こしょう少量を入れ、ハンドミキサーなどでよく混ぜ合わせる。
【3】鉄鍋、あるいは耐熱皿に、手でちぎったロメインレタス2株を盛り付け、半分に切ったベーコンをのせる。オーブンの上火を使用して(あるいはグリル機能に切り替えて)5分焼く。
【4】オーブンから【3】を取り出し、【2】のドレッシングを回しかけて、温泉卵をあしらう。
『ベーコンの始末スープ』の作り方
【1】ベーコン約150gはひと口大に切る。セロリ1本、紫玉ねぎ1/2個は1〜2cm大、しいたけ2〜3枚はかさと軸を手で裂く。ピーマン1個、にんじん約4cmは1cm大に切り揃える。
【2】厚手の鍋にベーコンを入れて弱火にかけ、脂を出しながらじっくり炒める。中火にしてオリーブ油大さじ1とにんにくのみじん切り小さじ1を加えて炒める。セロリ、紫玉ねぎ、しいたけを加えてさっと炒めたら白ワイン大さじ3を回しかけ、チキンスープ4〜5カップを加減を見ながら加える。
【3】蓋をして10分煮る。ピーマンとにんじんを加えて煮て、塩・こしょうで味を調える。好みでパルメザンチーズを散らす。
撮影/鍋島徳恭
※女性セブン2018年6月28日号
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