
オリーブオイルの価格高騰が続くいま、注目されているのが「ごま油」。中華の炒め油としてだけでなく、調味料としても優秀! コクのあるごま油で漬けると野菜の旨味が際立ち、春野菜がますますおいしくなる。料理研究家の沼津りえさんが「新玉ねぎ」と「春きゃべつ」の“ごま油漬け”とアレンジレシピを教えてくれた。
柑橘やスパイスをきかせて新感覚の“ごま油漬け”に
オリーブオイルよりも料理を選ばず、和洋中どんな料理にも使える“ごま油”。かねてよりごま油を溺愛している沼津さんが考案したのが、旬の野菜を手軽に漬ける“ごま油漬け”だ。
「ごま油は豊かなコクと濃厚な旨味、芳潤な香りがあって、“調味料”にもなる油。その特性を活かしていろいろな野菜を漬けたところ、しっとりジューシーに仕上がり、素材の旨味が際立ちました。塩分を減らしても満足感があるので、自然と減塩できるのもうれしいですね。
春野菜にもごま油は好相性。ほろ苦さやえぐみがマイルドになり、柑橘の酸味やスパイスの風味でメリハリをつければ、お酒にも合うおしゃれな副菜になりますよ」(沼津さん)
こんなにスゴイ!ごま油
ごまの種子から得られる「ごま油」は健康的な植物油。実はこんなにいいこと尽くし。
悪玉コレステロールを抑える働きが
ごま油の主成分は「リノール酸」と「オレイン酸」。なかでもオレイン酸には悪玉コレステロールを抑える働きがあると言われている。
抗酸化作用が強く老化予防に一役
ごま油には「ゴマリグナン」という機能性成分が豊富に含まれている。強い抗酸化作用を持つため、老化予防に役立つと考えられている。
香りやコクをプラスして減塩効果も
ごま油を使うとコクと旨味がアップして満足感が出る。そのため、塩分を減らしてもおいしく食べることができ、減塩が期待できる。
冷やしても固まらず、和洋中に使える
オリーブオイルと違って冷蔵庫で固まらないので、野菜や肉を漬けるのに便利。和洋中どんな料理にも合うため、幅広く使える。
パサつく食材がジューシーに
硬くてパサつきやすい肉やごぼうをごま油で漬けると、しっとり仕上がる。かつおなどくさみの強い魚のにおいを和らげる効果も。
保存できて便利!アレンジすればボリューム満点のおかずにも
「漬ける調味料は最小限に抑えているので、かけたり、和えたりしやすく、さまざまな料理に展開できます」(沼津さん)
【新玉ねぎで】「新玉ねぎのごま油酢漬け」のレシピ
切り方で食感の違いを楽しんで!ごま油が玉ねぎの辛味を和らげ、ピクルス感覚で味わえる。保存期間は冷蔵で5〜6日。

《作り方》(作りやすい分量)
【1】新玉ねぎ大1個(250g)は薄切り、またはくし形切りにする。
【2】保存瓶に【1】、ごま油・きび砂糖各大さじ1、米酢大さじ4、塩小さじ1/2を入れ、ひと混ぜして漬け込む。
【3】冷蔵庫で半日以上置く。
※薄切りはしんなり、くし形切りはシャキシャキに仕上がるので、好みの切り方を選んで。
【アレンジ】「新玉ねぎと蒸し鶏の和え物」のレシピ
鶏ささ身でヘルシー。たっぷり食べても罪悪感なし。

《作り方》(2人分)
【1】鶏ささ身4本は筋を取り、耐熱容器に入れ、酒大さじ1、塩小さじ1/4を絡める。平らに並べてラップをし、電子レンジ(600W)で3〜4分加熱する。粗熱が取れたら、食べやすい大きさにほぐし、そのまま蒸し汁に浸して冷ます。
【2】ボウルに新玉ねぎのごま油酢漬け(くし形切りがおすすめ)1/4量(80g)、【1】を入れて和える。好みで漬け汁や蒸し汁を加えると、よりしっとり仕上がる。
【3】器に盛り、粗挽き黒こしょう適量をたっぷり振る。
【アレンジ】「悪魔的ゆで卵漬け」のレシピ
薬味たっぷりのトロトロ半熟卵はヤミツキ必至。

《作り方》(6個分)
【1】沸騰した湯に卵6個を入れ、静かに転がし6分半ゆでる。すぐに水で冷やし、粗熱が取れたら殻をむく。
【2】にんにく・しょうが各1/2片、にら1/4束はみじん切りにする。
【3】保存容器に新玉ねぎのごま油酢漬け(薄切りがおすすめ)1/4量(80g)とその漬け汁適量を入れ、【2】、しょうゆ大さじ3、きび砂糖大さじ1、水大さじ4を入れて混ぜ、【1】を入れて漬ける。
【4】冷蔵庫で半日以上置く。