年中見かけるキャベツは、季節ごとに旬を迎えます。野菜ソムリエプロの福島玲子さんは、「冬に入る頃から3月頃までは、寒玉キャベツと呼ばれる葉がキュッと締まったものが旬。春先から6月頃までは、葉がやわらかい春キャベツがおいしいです」と話します。おいしいものの見分け方や、正しく保存する方法を教えてくれました。
* * *
キャベツは冬と春で見分け方が変わる!通年の見極め方も解説
なんでも旬のものがおいしいですが、キャベツは種類によって旬が変わります。それぞれの違いや、見分け方をお話しします。
冬と春のキャベツの違いは?重さの見分け方は逆
冬が旬の寒玉キャベツは楕円形で、葉にクセがなくぴったりとくっついている、巻きが硬いものです。ずっしりとした重さのものを選びましょう。夏秋に出回る「高原キャベツ」も、目利きの方法は寒玉キャベツと同じです。
ちなみに冬キャベツは、切ってみると表面や中心が紫色になっているものがあります。これは傷みではなく、寒さにあたって甘みを蓄えた証。むしろ、おいしいんです。
そしてこれからは、旬の春キャベツが出回ります。春のキャベツは葉がやわらかく、丸みを帯びた形をしています。巻きがゆるめで外葉がふんわりとしていて、見た目よりも軽いものが水分が多くやわらかくておいしいです。重さは、冬キャベツと逆の選び方ということを覚えておきましょう。
切り口が白く、みずみずしいものが新鮮
どちらのキャベツも、芯の切り口が白く、みずみずしいものが新鮮。葉が黄色っぽくなっていると鮮度が落ちているので、緑色が鮮やかなものを選びましょう。
芯の切り口は500円玉より少し小さめのものがよいです。切り口が大きいということは、中の芯も大きく、葉が硬くなる傾向にあるので避けましょう。
また、カットキャベツを買うとき、断面の芯の部分がふくらんでいるものはカットしてから時間が経って成長しているので避けましょう。
キャベツの正しい保存法 剥いて使うなら外葉を活用
キャベツは丸ごとなら3週間ほど保存可能で、かなり日持ちする野菜です。寒い時期は、新聞紙に包んで冷暗所に置きましょう。また、芯の切り口に切れ目を入れたり、爪楊枝を刺したりして、生長点を止めることで成長を抑え葉の鮮度を守ることができます。
野菜室での保存は外葉や新聞紙を活用
室内が温かい場合は、乾燥を避けるためにポリ袋に入れて野菜室に入れるといいですよ。丸ごとのものを少しずつ剥いて使うときは、外葉を捨てずにとっておき、それで包むのもよいです。ほどよい水分を含んでいるので、新聞紙よりも乾燥を防ぐ効果があります。
ちなみに、丸ごと置いておくときは芯を下にしましょう。畑と同じ状態にしておくと、ストレスがかからずエネルギー消費も少なく風味も保たれるからです。
キャベツをカットすると切り口から変色して傷んでいってしまうので、使う分だけ外側の葉から1枚ずつ剥がすのがベストです。半玉や1/4カットにしたときは、乾燥を防ぐために断面をラップでぴったり包んでください。さらに、新聞紙(外葉があれば外葉で)でくるんでからポリ袋に入れて野菜室へ入れましょう。
冷凍すれば1か月程度保存OK!カットして使いやすく◎
冷凍する場合は、千切りやざく切りにして保存袋に入れて、空気を抜いて冷凍庫へ。3~4週間程度保存することができます。
炒めものなどに使うのであれば凍ったままフライパンや鍋へ入れてOK。サラダにするときは自然解凍して、水気を絞ってから使いましょう。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ