日頃の忙しさのせいで、昨年達成した「11kg減量」という“ダイエット貯金”を切り崩す毎日――。
そんなオバ記者が頼ったのは実家の母親だった!? 連載144回目は、62歳のオバ記者が91歳の“かあちゃん”について綴ります。
* * *
「お母さんとそっくり」
50歳を過ぎたあたりから、そう言われることが多くなったんだよね。それならまだいいけど茨城弁で「ぶん~ぬき!」と言われるともう逃れられない。母親の顔を引き抜いて、あんたに張り付けたようという意味だもの。まんま、「顔、おっつけたようだなや」という人もいる。
言うほうに悪意があるわけではないんだけど、こっちは言われるたびに、口の中が苦くなる。美人かブスかというのはこの際、どうでもいいの。私は身長164cmだけど、母親は150cmもない。なのに62歳の私の顔から、91歳の母親の顔を連想されるのがキツいんだって。
「体のデキが母親にそっくりだったらいいのに…」
それはそれとして、勝手なことを言わせてもらえば、体のデキのほうが母親に「そっくり」だったらどんなにいいかとも思うんだよね。
数年前のこと。クスクスと笑いながら何を言うかと思えば、「かあちゃん、風邪ひくっちゃどんなもんか、初めてわかったよ」と言う。「どういうことよ?」と聞くと、「この間、ゾクゾクッとしたから早く寝た」だって。そういえば母親が高熱を出して寝込んだなんて聞いたことがない。「インフルエンザ? なんだそら?」だし、91歳の今でも虫歯は一本もないんだよ。
風邪はめったにひかない!健康法は「酢だな」
実はこういうスーパー丈夫な年寄りは母親だけじゃないの。実家のある集落には90歳過ぎたおばあちゃんが6、7人いて、その中の4人が毎朝、うちから見える畑で作物を作っているの。みんな腰が曲がったり、足が痛いとこぼしているけど、母親と同じように元気なんだよね。
「なんで?」と母親に健康法を聞くと、「かあちゃんは酢だな」だって。餃子にドバドバ。カレーにドボドボ。なんでもかんでも酢をかけるし、ところてん丼も好物。ま、こればかりは「個人的な意見です」としか言いようがないけどね。
で、都会に住む私のほうはどうかといえば、ここのところグルメ続き。赤坂のフランス料理店のランチにシャンパン。日本橋のホテルの懐石料理店で、日本酒の”ぬる燗”を飲みながら、ちびちびやりつつ、ずるずる食事。かと思えば、ひと箱で何種類の食材、使っているんですか?という『なだ万』のお弁当。
どれもこれも茨城のかあちゃんは、生涯一度も食べたことがないものばかりだ。ていうか、「ランチに6000円」なんて聞いたら、「罰当たりが!」と怒り出すに決まっている。
いや、かあちゃんが、未体験なのは都会の食だけじゃない。私が5月末から再開したヨガだってしたことないし、それ以前に「お金出してジムで汗を流す? バカか。畑に行け」といいそう。
体のデキが違ううえに、母親と私は、生き方が違う、世代が違う。比べたって仕方がないけど、ここのところあんまり「顔が似てきた」と言われるので、考えちゃった。さらにこの1か月で、また体重が800g増えちゃったし、もうどうしよう。
オバ記者(野原広子)
1957年生まれ、茨城県出身。『女性セブン』での体当たり取材が人気のライター。同誌で、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。
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