バリエーション豊富なコンビニおにぎり。種類だけにとどまらず、米や具材、握り方へのこだわりも進化。最近では「もち麦」や「スーパー大麦」を使ったヒット商品も登場している。 “糖質の塊”のイメージもあるが、管理栄養士の菊池真由子さんは「食べ合わせや具材の選び方を工夫すれば太りにくくなる」という。その方法は?
糖質はやっぱり多い?合わせるおすすめおかずは?
「体のエネルギーになりやすいお米の糖質。食べればすぐに活力になるうえ、疲れにくい体を作ります。しっかり食べていれば疲労回復も早い。意外に思われるかもしれませんが食物繊維も摂れます。逆に不足すると、疲れやすく疲労を溜め込みやすい体に。頭痛やめまいの原因になることもあります」(菊池さん・以下同)
ただし、ダイエット前提ならば、1度の食事で1個までにしたほうがいいという。
「2個食べてしまうと糖質過剰になります。でも、1個じゃ物足りませんよね。そこで、2個目のおにぎりの代わりに、ツナや卵などのたんぱく質がはいったサラダをチョイス。そうすれば、糖質、たんぱく質、脂質、ビタミンや食物繊維の栄養バランスが整います。さらに、おにぎりやサラダの具材では不足しがちなたんぱく質を、適量のベビーチーズ、ゆで卵、ハム、サラダチキン(プレーン)、ヨーグルトなどで補うのがおすすめ。これなら栄養価も上がり太りません」
緑茶のカテキンで脂肪燃焼させるのがおすすめ
おにぎりを食べるときにおすすめなのが緑茶。
「緑茶のカテキンには脂肪を分解する効果があります。最近ではカテキンの多い商品も出ているので、パッケージの成分表でカテキンの含有量をチェックしましょう。また、特保の中に脂肪燃焼効果を掲げている商品がありますが、一般的には3か月くらい継続して飲んだ場合の効果です。“食べすぎたから飲もう″と気まぐれに飲んでも効果は出ません」
脂肪分解しながら水分でお腹も膨れるなら一石二鳥だ。
具材は鮭、明太子、いくらはOK!梅干し、天むすはNG
では、おにぎりの具材としてダイエット的におすすめなものは何か?
「まずは、具材の量が多いもの選びましょう。具材が多ければご飯の量が少なくなるものが多いです。そうすると、糖質が抑えられ、多めの具材によって満腹感も得やすくなります。具材には、たんぱく質を含むものがベスト。たんぱく質に含まれるビタミンB群は、糖質や脂肪を燃焼して新陳代謝を活発にします。チャーシュー、鮭、卵などはいいですね。
また、混ぜ込みご飯系が人気ですが、小魚やわかめのはいったものがおすすめ。わかめには脂肪燃焼効果のあるフコキサンチンという成分が含まれますし、小魚には普段の食事で摂りづらいカルシウム源が豊富。特に、日本人は骨や歯の減量となるカルシウム不足の傾向にあり、意識的に摂りたい栄養素です」
一方、脂質の多い天むすや天かすはNG。
「脂質と糖質をダブルで摂ると太りますので、脂質の多い具材はおすすめできません。また、低カロリーだからと選びがちな甘めの梅干しや昆布の佃煮も要注意。カロリーは低くても実は糖質多め。かえって太りやすいのです。さらに、梅干し、昆布、漬物など味の濃い具材は、食欲が増進されて2個目が欲しくなってしまうデメリットも。“カロリーが低いから痩せる″というのは間違った認識です」
もち麦や雑穀米をチョイス!赤飯がNGの理由は?
ご飯もさまざまな種類が出ているが、その選び方が重要。
「食物繊維やビタミン類の多いもち麦や雑穀米は白米に比べて健康効果が高く、消化に時間がかかるので腹持ちもいい。ただし、継続して食べなければ栄養効果に結びつかないので、便秘や肌荒れに悩んでいる人は毎日食べるのがいいですね。
一方、お赤飯はNG。お赤飯に使われているもち米は消化のいいお米なので、かえってお腹が空きやすくなります」
おにぎりの“正しい食べ方”を知れば、糖質も怖くない! コンビニを賢く活用しながらダイエットを成功させよう。
教えてくれたのは:管理栄養士・菊池真由子さん
管理栄養士。健康運動指導士。NR・サプリメントアドバイザー。日本オンラインカウンセリング協会認定上級オンラインカウンセラー。大阪大学健康体育部(現・保健センター)、阪神タイガース、国立循環器病センター集団検診部(現・予防検診部)を経て、厚生労働省認定健康増進施設などで栄養アドバイザーを務める。ダイエットや生活習慣病の予防対策など、のべ1万人の栄養指導に携わる。その活動の集大成として刊行した、『食べても食べても太らない法』(三笠書房)が10万部超え、『図解食べても食べても太らない法』(三笠書房)が17万部超えのベストセラーに。最新作は、『食べれば食べるほど若くなる法』(三笠書房)は7万部超え。
取材・文/佐々木めぐみ
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