当サイトがおくる好評連載『アラ還・オバ記者の悪あがき美容道中』。現在59才、バツイチ独身、自らを「女の崖っぷちから、一歩落ちている」というオバ記者ことライターの野原広子が、美容、ダイエットに奮闘し、女を磨く日々を綴ります。オバ記者が目指すのは、還暦を迎えるその日までに人生の伴侶をゲットすること! 第12回となる今回は、婚活サイトで知り合った72才「会社会長」とのお見合いの続報です。
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「で、で、どうなったんですか?」
家の近くの個人病院へ行くと、20代の受付嬢が身を乗り出してきた。このサイトの読者の彼女が聞きたいのは、私の体重や、血圧の数値の変化なんかではなく、婚活サイトで知り合った72才のK氏のこと。
「ぼくは幼稚園から慶応ですが、慶応らしくないと言われるんです」とボルサリーノ風の紺色の帽子をかぶり、顔にシワがなく、鼻が異様に高いK氏が言うから、「えっ、じゃあ、下から慶応ですか?」と聞くと、「ええ、まあ」と照れ笑い。
「ああ、そうですか。それなら、お嬢さま女子大卒の方のほうが釣り合いが取れると思いますよ。さ、さ、帰ろうっと」と、ニコニコ顔は崩さず、席を立ってみせたら、「ぼくは、そういう見識は持ち合わせておりませんッ!」。やさ男というか、やさ爺だったK氏が顔を引き締めて、キッパリとこう言ったのよ。
さらに、「ぼくは残された時間を楽しくすごしたいんです。旅をしたり、音楽会に行ったりする女性で、できれば結婚していただけたら…」ですって!
「キャーッ、すて~き」
私の中に住むお祭り女が、わっしょい、わっしょい。太鼓を叩きだしたら止まらない。この性癖のおかげで、ずいぶんな時間を浪費し、ケガもしているのに治らないねぇ。
「うふふ」と、口角を思いっきりあげて席につくと、K氏もほっとひと安心顔で目を細めて、本格的な“オハナシ”に入っていったの。