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【オバ記者連載12】お見合い相手「72才会長」は超玉の輿?

「ぼくの会社はアメリカ政府と取り引きがある」

「元は下町で無線機器の修理をする小さな会社でね。それを祖父の代でアメリカ政府と取り引きできるまで大きくしたんです。英語? 爺さんはダメだったけど、親父はアメリカのボストンに留学していたから上手でしたよ。ぼく? 大学を卒業したあと2年間、留学させられたから、まあまあですね」と、ひとしきりファミリー・ヒストリー。

すると、お茶を運んできた秘書らしき女性がドアをノックして、「Kさま、お時間です」と。「あ、わかりました」とK氏。この部屋は別の人たちが使うから、空けてくれということなの。

そりゃそうよねぇ。なにせ政治の街、平川町だもの。と、思いかけたけど、1時間たったらまた、「お時間です」と部屋代え(笑)。トイレに立ったついでに、受付に置いてあったパンフレットを見たら、「手軽に都心でビジネスを」のキャッチコピー。つまり時間いくらで貸す、貸しオフィスだったのよ。

部屋に戻ってすぐ、「ここはよく使うんですか?」と聞くと、「本社は品川だけど、ぼくはこっちにいることが多いかな。社長の弟も、ぼくがいないほうが仕事がしやすいんでしょ。運転手をつけて、何かとこっちに送り込むんだよ」と悪びれない。

さらに、「ちょっと待っててくれる? 君にぜひ見せたいものがあるから。今日は車は弟が使っているから、タクシーで大急ぎで取りにいってくるよ」と言うではないの。そして小一時間、私はガランとした会議室で待たされた。

“アメリカ政府と取り引きがある会社の会長”は、“ぼく自身のプレゼン”の合い間、合い間に、「君は率直でいいですねぇ。君のような人ともっと早く知り合いたかったなぁ」というヨイショも忘れない。そのたびに私の頭の中は薄紅色に染まったり、玉の輿の黄金色になったり、かと思えば、「えっ?」と、黄色い点滅灯が回りだしたり。

次回は、K氏に見せられて、思わず「うっそー! ほんとー?」と、飛び上がったある物について。そしてK氏とのお見合いの顛末も、ね。

オバ記者(野原広子)

1957年、茨城県出身。『女性セブン』での体当たり取材が人気のライター。同誌で、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。

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