健康・医療

食欲が我慢できない原因を知って脱デブ!食欲を抑える簡単な方法まとめ

食べすぎがデブの原因ということはわかっていても、なかなか我慢できないのが現実…。でも食欲を抑える方法を知ることで、我慢も多少楽になるかも。

空の皿で顔を隠す女性
写真/Getty Images
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そこで、食欲が止まらない原因や食欲を我慢するための方法をまとめて紹介。食べすぎを防ぐための参考にして。

食欲がおさまらない原因は?

自身も25kgの減量に成功した工藤内科副院長の工藤孝文さんは、「食べることによって“幸せホルモン”とも呼ばれる脳内物質『セロトニン』が分泌される。この物質は快楽をもたらしてくれるため、そのときの心地よさを脳が覚えてしまうと、空腹ではないのに“ニセの食欲”が沸いてくる。これが食べすぎによる肥満を招く大きな原因なのです」と、解説する。

ジャンクフードを持つ人
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さらにダイエットカウンセラーとして活動し、これまで約3000人のダイエットを成功に導いてきた細江啓太郎さんによると、“エンプティーカロリー食品”とされるジャンクな食品でお腹を満たしても、体に必要なビタミンやミネラルが足りていないので、体はいつまでも満たされないという。

また、糖質を必要以上に欲する人は腸内環境が悪い場合が多いという。

「腸内環境が悪くなり悪玉菌の勢力が強くなると、そのエサとなる糖分を欲しがり、腸から脳へ指令として伝わる。その圧力に負けてスイーツを食べてしまうと、さらに腸内環境が悪化し、もっと糖分が欲しくなるという、負のスパイラルに陥ってしまうのです」(細江さん)

→ニセの食欲について詳しく読む

夜食が食欲を我慢できない原因にも!?

夜食を食べる女性
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夜中の食事は太る、というイメージはダイエッターなら誰でも持っているはず。しかし、夜食が食欲を我慢できない原因になっていることもあるそう。

「脂肪細胞から分泌されるレプチンというホルモンには、食欲を抑制し、代謝を高める働きがあります。レプチンは摂取した脂肪が多いときに分泌され、“脂肪はもう充分摂取しました”と脳に働きかけて食欲を止めたり、消化するためにエネルギー代謝を上げたりする役割を果たします。結果、体重が減るため、“やせホルモン”とも呼ばれている。ところが夜にたくさん食べる人は、レプチンの分泌量が減ることがわかっています」(工藤さん)

つまり、“夜食”が常習化すれば、食欲は止まらないのに代謝は低いという太りやすい条件が生まれてしまうという。

→食欲の原因となる遺伝子について詳しく知る

食欲を我慢するには胃を温める

ホットミルクとインスタントみそ汁
撮影/手塚 優(BOIL)
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「胃の満足感をわかりやすく高めるには”温度”がとても重要」と語るのは、ビジネスパーソンのための疲労回復専用ジム「ZERO GYM」(ゼロジム)で、プログラムディレクターとトレーナーを務める松尾伊津香さん。

「温度は誰にでも実感しやすく、直接的に満足感を与えてくれるので、自然と食欲が落ち着きやすくなるメリットがあります。一時的に胃を温める分には白湯、お茶、コーヒーなどもいいのですが、すぐに胃の中で冷めてしまい、かえって胃に不快感を与えて食欲を増進してしまう恐れも。そこで満足感を継続させるためにおすすめなのは、胃に温かさが残りやすい、お味噌汁などの発酵食品や温かい乳製品です」(松尾さん)

例えば、コンビニで手軽に購入できる、インスタントの味噌汁やホットミルクは、食事にもおやつにも取り入れやすいため、食欲を我慢したいときにぴったり。

→松尾伊津香さんが教える食欲コントロール方法をもっと読む

「緑茶コーヒー」で脂肪燃焼&食欲を抑制

手に持ったカップに入ったコーヒーと手に持ったカップに入った緑茶
写真/アフロ
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ダイエット外来ドクターの工藤孝文さんが考案した「緑茶コーヒー」は、緑茶とコーヒーを1:1で割ったもの。

それぞれに“痩せ効果”が期待できるコーヒーと緑茶。工藤さんによると、いずれもカフェインが含まれていることに加え、コーヒーのクロロゲン酸と緑茶のカテキンを掛け合わせることで、相乗効果で脂肪燃焼が期待できるそう。さらに、「緑茶コーヒー」は食欲を我慢するのにもひと役かってくれるという。

「コーヒーと緑茶をミックスさせれば、コーヒー単独だと多くなりがちなカフェイン含有量が減ります。さらに緑茶の成分の一つ、テアニンにはリラックス効果があるため、コーヒーと混ぜることでカフェインの覚醒作用や緊張作用を緩和させます」(工藤さん)

お腹が空いたら「緑茶コーヒー」を。テアニンによって、食欲を我慢するストレスを軽減する効果も期待できる。

→緑茶コーヒーダイエットについて詳しく読む

脳をコントロールして食欲を我慢

脳のイラスト
イラスト/Getty Images
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諏訪東京理科大学教授で脳活動を研究する脳科学者の篠原菊紀さんは、脳科学の面から自然とダイエット行動を選ぶようにコントロールする3つの方法を教えてくれた。

【1】カロリーの数字を見比べよう

「カツ丼1000kcal、親子丼700kcalといった具体的な情報を得ると、それだけで、前頭葉は勝手に損得勘定を始め、カツ丼が割りに合わないと判断したら、自然に親子丼を選択します」

しかも脳には、同程度の好みのものの一方を選択すると、選ばなかったほうの好みの程度が落ちるというクセがある。いったんカツ丼を選ぶのをやめれば、カツ丼の好き度合いがやや落ちる。カロリーを見比べるだけで、好みの操作ができる可能性があるのだ。

【2】「体脂肪1gは7kcal」と脳に刷り込む

これは前頭葉の働きを活性化させるキーワードで、数値化された情報は効果大。「体脂肪1gは7kcal」を繰り返し脳に刷り込むと、食行動にブレーキがかかり、 自然にカロリーを消費する行動を選ぶようになる。

また、1日に減らすべきカロリーなど、目安がどんどん具体化されるので、ダイエットそのものも戦略的に進められるようになるわけだ。

【3】食事はやせ型&少食の人と一緒に摂る

常にカロリーを意識していると、それはそれでストレスになりやすい。ときにはカロリーを忘れて食事を。「食べる量は、無意識に周囲の影響を受けることが、科学的にも明らかです。やせ型や少食の人と一緒に食べると、自然に食事量を減らせますよ」

無意識のうちにダイエット行動を取ることができるようになれば、食欲を我慢する苦労も少なくてすむはず。

→行動や食欲を司る脳の機能について詳しく知る

無理なく食欲を我慢できるボディースキャン瞑想

被験者のクッキーの摂取量が減ったという米ハーバード大学の研究結果もあるほど食欲抑制効果が期待できる「ボディースキャン瞑想」を、脳科学専門医の山下あきこさんが解説。

ボディスキャン瞑想のイメージイラスト
イラスト/つぼゆり
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「椅子に浅く腰かけ、足裏を床にしっかりつけたら、背筋を伸ばして3回深呼吸します。続いて、椅子や地面と接しているお尻、両足の裏に順々に意識を向け、集中します。本来は40分ほどかけてやるのですが、簡略版として30秒でやることをおすすめしています。それでも充分効果があります」(山下さん)

電車で座ったときはもちろん、立っているときでもできるというから、積極的に取り入れたい。食事の前のルーティンにするのもいいだろう。

→食欲を抑える6つの方法を読む

“満足する食べ方”で食べすぎを防ぐ

本を指差すオバ記者
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「DIETポストセブン」での連載で”月曜断食”にトライし、11kgのダイエットに成功したオバ記者(野原広子)も、食欲が我慢できず減量とリバウンドを繰り返したダイエッターの1人。そんなオバ記者があるときたどり着いた、食欲を抑える方法とは?

「『一生太らない魔法の食欲鎮静術』(クロスメディア・パブリッシング)という本で目覚めた私のダイエット法をおさらいすると、味覚中枢が集まっている舌先に食べ物をのせて、前歯で噛んで噛んで、口に入れたものの正体がなくなってから飲み込むというもの。お腹いっぱいの『満腹』ではなく、ああ、おいしかったと『満足』するから、腹八分目が実行できると、こういう理屈なの」(野原)

いつもより時間をかけて、食べ物を味わいながらゆっくりと食べるだけ。これなら我慢知らずで食事を楽しむことができて、うれしい方法といえそうだ。

→オバ記者の連載を読む

視覚効果で食欲を我慢

青い色の食器がたくさんテーブルにのっている
写真/ゲッティイメージズ
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「ダイエット中に視界に入れたい色は、青です」と、『16色の色彩力があなたを変える!』(辰巳出版)の著者で色彩心理研究家の大平雅美さん。青は、自律神経の副交感神経を刺激し、食欲を抑える効果が期待できるという。

「自律神経には、血圧や心拍数を上げて体をアクティブにする交感神経と、体をリラックスさせる働きのある副交感神経が切り替わりながら働いています。その副交感神経を刺激するのが、青色。青色を見ているうちに興奮がしずまって気持ちが落ち着くと言われていますが、体内においても、消化吸収の働きが鈍くなり、唾液や消化液も出にくくなります。その結果、食欲低下につながるのです」

食卓に、青いテーブルクロスやランチョンマット、青い食器、青い箸など青いものを積極的に取り入れると、食べすぎを抑えられるという。

→ダイエットに活用できる色の効果ついて詳しく知る

食欲を我慢したいときに押すツボ

『たった10秒でやせるツボ』著者の吉田佳代さん
撮影/八木英里奈
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ほぼ運動なしにもかかわらず、産後1か月で10kg痩せた経験を持つ整体師の吉田佳代さんに、食欲を我慢するときに有効なツボを教えてもらった。

食欲抑制には飢点(きてん)

ツボの飢点を図解
イラスト/池田須香子
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耳の穴の前のあたりに指を当てると固い骨があるはず。そのキワにあるくぼみに指を押し当てて、ほんの少しだけ下にずらしたあたりが「飢点」。耳の入り口にある出っ張り、耳珠(じゅじゅ)のほぼ中央にある。

飢点を押すと、神経を通じて満腹中枢へ刺激が伝わり、食欲の抑制に。食事の10~15分前に押すのがオススメ。

→吉田佳代さんが教えるダイエットの万能ツボについて知る

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