大人になってもストレスなどで生じるニキビは、多くの人が悩む肌トラブルの1つ。
ニキビは、医学用語で「尋常性ざ瘡(そう)」といい、毛穴のトラブルなんだそう。「尋常性痤瘡治療ガイドライン2016」によると、日本国内では90%以上の人が生涯で経験するとされているにもかかわらず、ニキビによる医療機関の受診率はわずか10%なんだとか。残りの80%の人はニキビを市販品などでセルフケアしているようだ。
そこで今回、ニキビケア市場をけん引するザ・プロアクティブカンパニーのイベントに登壇した皮膚科医の高山かおる先生に直撃! ニキビによる毛穴トラブル解消のカギは洗顔法の見直しにあった!? ニキビ予防で気をつけたいことなどを聞いた。
皮膚科医が患者に指摘するニキビ3大NG行動
高山先生が、ニキビで受診する患者に最初に指摘するニキビ3大NG行動は、ニキビを【1】気にしすぎる、【2】洗いすぎる、【3】触りすぎる、ことなんだそう。
ところが、近年、スマートフォンの普及により、インカメラを鏡代わりにして自分の顔を見たり、Instagramなど写真メインのSNSに投稿したりする人が増加したことの影響が…。
「ニキビのある顔とそうでない顔のギャップを感じる状況が多く、よりニキビが気になりやすい環境にあるのかもしれません。スマートフォンで毛穴を確認したり、指先で皮脂を触りがちの人が増えています」(高山先生・以下同)
ニキビに悩む人が無意識に!?肌に負担がかかる洗顔の3つの特徴
今回、ザ・プロアクティブカンパニーと高山先生は、ニキビケアの基本の洗顔法に着目。30代女性を対象に、10代の頃ニキビで悩んでいた経験があるグループと悩んだことがないグループに分け、日常の洗顔を行ってもらい、洗顔時間、洗い方、使う洗顔料の量を検証。すると、こんな結果が出た。
「10代の頃にニキビに悩んだ経験があるグループは、そうでないグループと比較すると、『洗顔時間が長い、ゴシゴシ洗いすぎてしまう、洗顔料を多く使いすぎる』という、肌に負担がかかる3つの特徴がある洗顔をしていることがわかりました」
それぞれの特徴を解説する。
【1】洗顔時間が長すぎる!
1つめの特徴は、「洗顔とすすぎの時間が長いこと」だそう。ニキビを経験したグループとそうでないグループとの洗顔時間を比較すると、ニキビ未経験グループの洗顔時間の平均は46秒だったが、ニキビを経験したグループは平均68秒。約1.5倍も洗顔時間が長かった。
「洗顔時間が長いとそれだけ、洗顔料や水分に触れている時間が長いということで、肌に負担をかけることになります」
【2】ゴシゴシ洗いすぎ!
2つめの特徴は、「過去にニキビのあった場所、小鼻の横、あご、おでこをゴシゴシと洗いすぎること」だそう。
「洗いすぎは、必要な皮脂まで洗い落としてしまい肌に負担がかかります。肌のバリア機能を高める皮脂を落としてしまうと、乾燥を起こし肌への悪影響が考えられます」
【3】洗顔料が多すぎる!
3つめの特徴は、「使う洗顔料が多いこと」。ニキビ未経験者と経験者の洗顔料の量を比較すると、ニキビ経験者の方が明らかに泡立ちが目立ち、洗顔料を多く使用していることが明らかに。
「洗顔料が多いと、洗い残しが多くすすぎに時間がかかります。洗顔料や水に触れる時間が長ければ長いほど肌には負担がかかります」
ニキビがあった頃の洗顔を無意識に続けている!?
ニキビに悩んだのは多くの人が思春期だろう。思春期は、ニキビに悩んでいても皮膚科に行くのは敷居が高い、ケアグッズは何を買っていいのかわからないことなどから、正しいケアを知らないまま大人になってしまう人が多いそう。
「そのため、毛穴のつまりを防ぐ正しい洗顔方法を知らずに、皮脂を落とせばいいと思い込み、長い時間、強くこすってしまうようです。ニキビが治っても、その洗い方がクセとなりいつまでも続けてしまい、肌に負担をかけ続けています」
そんな“思い込み洗顔”を見直すには、どうすればいいのか?
「“思い込み洗顔”を直す方法として、自分がどのような洗顔をしているか、スマホで動画撮影をして、チェックしてみるのもおすすめです。洗顔時間や指先の力、よく洗う部位などを実際に動画で見て確認してみましょう。無意識のうちに気になる部分をゴシゴシ洗っていることに気づくことができるかもしれません」
毛穴トラブル予防で気をつけたい4つのケア方法
ニキビの経験があった人も、現在ニキビに悩んでいる人も「思い込み洗顔」をクセにしないように注意が必要だ。毛穴トラブル予防には、以下の4つのこと気をつけるといいそう。
【1】洗顔料の量は使用法に書かれている適切な量を守る
【2】ニキビのような毛穴トラブル予防洗顔料はニキビ用のものを選ぶ
「年齢を問わず今ニキビができているかただけではなく、10代でニキビを卒業した人も大人ニキビの予備軍ですから、継続してニキビ用の洗顔料を使うのがよいでしょう」
【3】洗顔時間は今よりも短めに、ゴシゴシ洗わない
「顔を洗うときは、手全体で絹ごし豆腐の表面をなでるような感じで、指先に力を入れすぎないようにしましょう。洗顔時の力加減は、肌をなでるイメージ。無意識のゴシゴシ洗いは、洗顔ブラシを使えば、均等な力加減で手洗いよりムラなく、顔全体を洗うことができます。その際は、ブラシを押しつけないように注意しましょう」
【4】洗顔後はすぐに保湿をする
「乾燥で肌の水分が不足すると、毛穴の出口の角質が厚くなって、毛穴がつまりやすくなり、ニキビの原因となります」
現在ニキビで悩んでいる人はもちろん、今はニキビがない大人ニキビ予備軍の人も一度洗顔方法を見直してみて。
この人に聞きました:高山かおるさん
済生会川口総合病院 皮膚科主任部長。東京医科歯科大学附属病院臨床准教授。専門は、接触性皮膚炎。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。
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