「すぐに疲れる」「運動してもやせない」…「もっと頑張らなきゃ!」と思う必要はない。これらはすべて、生まれ持った遺伝子の影響だからだ。
体質は人それぞれ。遺伝的に痩せやすい体質の人もいれば、そうではない人も。人によっては危険なダイエット法もあるという。自分の“遺伝子タイプ”を知って、適切なダイエットを実践しよう。教えてくれたのは、『自分の遺伝子がわかる本』(アスコム)の著者で、3000人以上の遺伝子を調べてカウンセリングを行ってきた遺伝子カウンセラーの植前和之さん。
糖質制限が向いているかを調べるチェックリスト
ダイエットの定番といえば糖質制限。食事の全体量はそのままに、主食の摂取割合を減らすことで、糖質の代わりに脂肪を燃やす。誰でも簡単にやせられるダイエット方法だが、植前さんは「遺伝子のタイプによっては命の危険もあり得る」と警鐘を鳴らす。まずは以下のチェックシートで診断してみよう。
糖質制限したのに太る人もいる
「“糖質制限NG遺伝子”を持つ人は、糖質を消費しやすい体質なので、控えすぎると低血糖になる。異常な空腹感、だるさ、動悸、震えなどを感じ、最悪の場合は意識障害に陥ることもあります」(植前さん・以下同)
糖質が極端に不足すると、脂肪だけではなく筋肉も分解されるようになる。
「筋肉が減少すると消費できるカロリーの量も減るので、かえって太りやすくなります。“NG遺伝子”を持つ人は糖質の代謝がいいので、ほかの人よりご飯2杯分多く食べても大丈夫。やせたいなら、食事でどうにかしようとせず、運動の方が効果的です」
◆糖質制限が向いている人はビタミンBのサプリも有効
「ピッタリ遺伝子」「普通遺伝子」を持つ人は、糖質制限で健康を損なう可能性は低く、ダイエット効果も得やすい。エネルギー代謝を高めるビタミンB群のサプリメントも有効だ。
ただし、家族でダイエットをする際には注意が必要。
「糖質制限ダイエット中の夫婦をカウンセリングした際、奥さんは健康でしたが、旦那さんはやつれていました。遺伝子を調べた結果、奥さんは糖質制限にピッタリのタイプ、旦那さんはNGのタイプと判明。案の定、旦那さんはかなりの低血糖状態でした」
脂肪燃焼のしやすさがわかるチェックリスト
脂肪を燃焼する力も、遺伝子に左右される部分が大きい。以下のチェックリストをやってみてほしい。
内臓脂肪がつきにくく、メタボになりにくい人も
「素早く脂肪をエネルギーに変えられる“てきぱき燃焼遺伝子”を持つ人は、内臓脂肪がつきにくく、メタボになりにくい。それに比べると、同じ食事量でも、“普通に燃焼遺伝子”タイプの人は1日あたりご飯1膳分、“のんびり燃焼遺伝子”の人はご飯大盛1膳分ものカロリーを燃焼しきれず、体に脂肪としてため込んでしまう」
「日本人は欧米人よりもやせている人が多い」といわれるが、日本人は見た目はスリムでも、少し太っただけで内臓脂肪がつきやすいという特徴があるという。
◆脂質制限はどんな人にも効果的
「脂肪の摂取を控えるのが第一。糖質制限と違って脂質制限はどんな人にも効果的です。肉類やバターなどの動物性脂肪や、マーガリン、加工食品に含まれるトランス脂肪酸は体に蓄積されやすいため、オリーブオイルなどの植物性油脂やオメガ3系の油が豊富な魚を選んで」
ついてしまった脂肪を燃焼させるには運動がいちばん。「てきぱき燃焼遺伝子」タイプはランニングなどの有酸素運動でやせられるが、「普通に燃焼遺伝子」「のんびり燃焼遺伝子」を持つ人は、有酸素運動だけでは効果が出にくい。
「ランニングの前に筋トレで糖質を消費することで、脂肪燃焼の効率を上げることができます。スクワットを10回やるだけでも充分です」
※女性セブン2020年5月21・28日号
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