健康・医療

ゆる糖質制限ダイエット|1日に食べる量は?食べ過ぎ翌日のリカバリー法などを伝授

糖質制限ダイエットを続けているものの、なぜか一向に痩せない――。そんな悩みを抱えている人は、もしかしたら糖質制限のやり方が間違っているのかもしれない。『医者の新常識 病気にならない最高の食べ方』(さくら舎)の著書がある、ダイエット外来の医師・工藤孝文さんは、「糖質は制限しすぎると、かえって痩せにくい体質になる」と警鐘を鳴らす。

お米やパン、麺など炭水化物が並んでいる
写真/ゲッティイメージズ
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糖質制限ダイエットとは?

そもそも糖質制限とは何か、おさらいしよう。「糖質制限とは、主食となる白米やパン、そば、うどん、パスタなどの麺類に多く含まれている炭水化物=糖質を制限して、血糖値をコントロールするダイエット法です。糖質を控えることで、余った糖質を脂肪に変えて脂肪を溜め込もうとするインスリンがすい臓から分泌される量を抑えてくれます」(工藤さん・以下同)

糖質を過度に制限するとどんな影響が?

この糖質を過度に制限すると、どうなるのか。

「われわれ人間のエネルギー源は、主に糖質・たんぱく質・脂質から構成されています。仮に糖質制限で糖質がゼロになっても、たんぱく質や脂質でエネルギー源となる摂取カロリーが補足されていれば問題ありません。ただしもし補足されなかった場合、エネルギー源として、脂質より先に筋肉のたんぱく質から分解されて補われることになります。筋肉が減少すると、当然ながら基礎代謝が下がり、結果、痩せにくい体質になってしまうのです」

1回のごはんで食べる量の目安は?麺類はどれぐらい?

ごはんが半膳茶碗に入っている
写真/ゲッティイメージズ
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そこで工藤さんがおすすめするのが、「ゆるやかな糖質オフ」。朝昼晩の3食や間食で、ごはんやパンなどの糖質を摂ってもOK。ただし、量は半分程度に減らす。

「量の目安としては、炭水化物=糖質は1日100gです。つまり1食あたり30g程度です。糖質30gというと、例えばごはんなら約80g、子供用のお茶碗の8割程度。食パンなら1食あたり6枚切りで約1枚、麺類なら通常の半分程度と考えてください」

主食の量を半減させたら、その分、おかずでたんぱく質や食物繊維をしっかり摂ることもお忘れなく。

「特に食物繊維は、血糖値が急に上がるのを防いでくれるため、肥満の原因となるインスリンの分泌も抑えてくれます。主食が少なくても、食物繊維は胃の中で水分を含んで4~5倍に膨らむため、満腹感を高めてくれます。意識して摂りたいですね」

継続するのにおすすめの食べ物は?

おからパウダーがガラスの器に入っている
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食物繊維は野菜や果物に多く含まれているが、米やパスタなどの炭水化物と違って長期保存しにくいのが難点だ。そんなときは市販の「おからパウダー」が重宝する。

「おからパウダーはおからを粉末にして乾燥させたもので、低糖質で良質なたんぱく質や食物繊維が豊富。ダイエットを助けてくれるだけでなく、栄養バランスも抜群なんです。常備しておけば野菜を切らしているときでも欠かさず食物繊維を摂ることができるでしょう」

「おからパウダーをかけるとせっかくの料理の味が損なわれるのでは…?」という不安もあるだろうが、おからパウダーは無味無臭でクセがないのも特徴。味噌汁やサラダ、量を減らしたパスタなどにふりかけても食べやすく、使い勝手がいい。分量は、コーヒーに入れるならカップ1杯に大さじ1強の程度が目安だ。