天気によって体調を左右されることがある人は、気象病を疑ってみて。
気圧、気温、湿度などの気象変化に伴って起こる、さまざまな不調のことを指す気象病。季節の変わり目や長雨の時期に体調を崩しやすい人はもちろん、近年多発する異常気象や、ライフスタイルの変化による自律神経の乱れによって、悩む人が以前より増加しているという。
日本アロマ環境協会(AEAJ)は、気象病と、より上手に付き合っていくためにアロマテラピーを活用することを提案している。
気象病で多い症状TOP3
AEAJが会員423名に行った調査では、気象の変化によって体調の変化を感じる人の割合は95%にも上った。調査結果によると、その症状は多い順から「頭痛」「倦怠感」「肩こり・首こり」で、続いて「めまい・ふらつき」「不安感」などを感じる人もいるという。
◆気象病の原因は生活習慣の変化?
また、気象による体調変化を感じる人のうち74%が「運動不足の自覚がある」、 54%が「姿勢が悪い自覚がある」 、52%が「ストレスが多い」、「スマホを見ている時間が長い」と答えていることから、生活習慣が体調に影響していることも考えられる。
気象病が起こるメカニズム
内科・神経内科・頭痛・脳卒中専門医の久手堅司さんが、気象病が起こるメカニズムについて解説する。
「私たちの体には、恒常性を維持する機能(ホメオスタシス)が備わっており、天候の変化があっても、本来であればコンディションを一定に保つことができます。ところが、天候の変化の度合いが激しかったり、頻繁に変化したりすると、気づかないうちに調整機能を担う自律神経が酷使され、機能が低下し、さまざまな症状が引き起こされます」(久手堅さん・以下同)
自律神経が乱れてしまう原因の1つに、気圧があるという。気圧の変化は耳の奥にある「内耳」と呼ばれる器官で感知され、視床下部から自律神経を通じて変化に対応するよう、脳に指令を出す。このとき気圧の変化が大きいと、体内の圧力のバランスが崩れて正しい指令が出せず、その影響で自律神経が乱れ、頭痛やめまいが引き起こされるのだそう。
◆気象病の症状軽減には内耳と自律神経がカギ
重い症状が出ている場合は病院の受診が必要だけれど、軽症の場合はセルフメンテナンスで症状を出にくくすることも可能なのだとか。
「ポイントは、気象病とかかわりが深い、内耳と自律神経を整えることです。姿勢、呼吸、運動といった基本生活を見直すことが重要ですが、その際に香りを取り入れて、自律神経を整えたり、ストレスを解消することも有効です」
アロマテラピーで自律神経を整える方法
そこで、セルフメンテナンスの1つとしてアロマテラピーの活用法を紹介。
◆気象病対策に人気のアロマオイルTOP5
アンケートによると、AEAJの会員が気象病のときに活用している香りのTOP5は「ラベンダー」「ゼラニウム」「スイートオレンジ」「ペパーミント」「ベルガモット」なのだそう。
ディフューザーなどで空気中に香りを漂わせたり、コットンやハンカチに含ませて持ち歩き、不調のときに嗅ぐといった使い方がある。
◆おすすめの取り入れ方
自律神経を整えるには、日中に交感神経、夜間に副交感神経が優位になるように整えることが大切なのだそう。規則正しい生活に加え、朝起きたときや寝る前に香りを取り入れ、自律神経に働きかけるのがオススメ。
◆アロマオイルのおすすめブレンド
気圧が低くなるため副交感神経が優位になりがちな雨の日など、体が重いときややる気が出ないときには、下記で紹介する「朝にオススメのアロマブレンド」が◎。
★朝にオススメのアロマブレンド…シャキッとするようなさわやかな香り
→ペパーミント+レモン
★寝る前にオススメのアロマブレンド…甘さのある穏やかな香り
→ラベンダー+スイートオレンジ
◆アロマオイルを使う際の注意点
ディフューザーなどで精油を漂わせる方法(芳香浴)であれば、容量を守って行う限りは子供がいる家庭でも基本的には安全なのだそう。
ただし、精油は少量でも皮膚に刺激を与える可能性があるので、精油の原液を直接肌に塗るのはNG。また、目の周りや皮膚が弱い部分には使用せず、刺激を感じた場合には使用を中止すること。その他、妊産婦やお年寄り、既往症がある場合は、専門家に相談して使用を。
ハンカチに香りをつけて使うなど、手軽に始めることができるアロマテラピー。自律神経を整える方法として取り入れてみて。
【データ】
日本アロマ環境協会(AEAJ)
https://www.aromakankyo.or.jp/
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