「夫と同じものを食べているのに、私だけどんどん太る」「スリムな友人にやせる秘訣を聞いたら“何もしていないわよ”と言われた。それ、絶対ウソ!」──こんなふうに、ダイエットの“理不尽”を感じているなら、もしかしたら、あなたは無意識のうちに「太るクセ」が身についているのかもしれない。太る食生活とやせる食生活の分かれ道は? 食事やダイエットの専門家が解説する。
常日頃から“コース食べ”が痩せる
ご飯、おかず、汁ものをバランスよく食べていく「三角食べ」は、炭水化物による血糖値の急激な上昇を避けられず、太りやすくなる食べ方だ。管理栄養士の麻生れいみさんは、一品ずつ食べていく“コース食べ”がいいと話す。
「野菜を先に食べるベジファースト、肉や卵を先に食べるミートファーストなど、“やせる食べ方”はいろいろあります。要するに、炭水化物を最後に回す“カーボラスト”にすればいいということ。食後の血糖値の乱高下を防ぐことができ、太りにくい食べ方です」(麻生さん・以下同)
大皿よりワンプレートを
大皿に盛った料理を取り分けて一家団欒…、ここに「太るクセ」が潜んでいる。
「何度でもおかわりできる大皿よりも、“カフェごはん”のようにワンプレートに配膳すること。そうすれば、盛りつけられた以上の量は食べずにすみます」
痩せたいならテレビを消して食べる
「一家団欒でもおひとりさまでも、食事中にテレビを見ない人は、見る人と比べて37%も肥満リスクが低いというデータがあります。テレビを見ていると、食事に集中できず、結果として食べすぎてしまうのです」
食事に集中して、よく噛んで食べると、食欲抑制ホルモンの「レプチン」が分泌されて、早く満腹感を得られる。
スイーツはケーキよりシュークリーム
おやつの時間は“栄養調整タイム”。食事で不足しがちなたんぱく質などの栄養を補い、小腹を満たすことで、その後の食事をドカ食いしてしまうことも防げる。
一方で、工藤内科副院長で自身も25kgのダイエットに成功した工藤孝文さんは「どうしても食べたいおやつがあるなら、がまんする方が太る」と語る。
「がまんしたストレスで、夕食をたくさん食べてしまったら本末転倒。また、“ケーキは太るから甘いカフェオレでがまんしよう”という考えもよくない。たとえ同じくらいのカロリーや糖質量だとしても、固形のケーキより液体のカフェオレの方が吸収が速いのです。
スイーツを食べるなら、ケーキよりも糖質に対するたんぱく質の比率が高いシュークリームの方がいい。血糖値を上がりにくくするブラックコーヒーと併せるのがおすすめです。ちなみに、夕食後のデザートにフルーツを食べるよりも、3時のおやつにケーキを食べる方が、脂肪がつきにくいことがわかっています」(工藤さん・以下同)
主食は温かいものより冷えているものを
ダイエット的には、ご飯など主食は冷えている方がいい。
「ご飯の糖質は、冷えることで消化されにくい『レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)』に変化します。腸で吸収されにくくなるだけでなく、食物繊維に似た作用で腸内環境を整え、便秘の改善にもなり、食べても太りにくいのです」
そうめんやざるうどんなど、冷たい麺類もダイエットの味方といえる。
食器の色は「青」にする
食器類はぜひ「青」を選びたい。
「青には、食欲を減退させる効果があるからです」
皿、コップ、ランチョンマットなどに青を使うだけで、自然と食べすぎを抑えられるのだ。
「さらに小さめの皿に盛れば、見た目の“山盛り感”に脳が騙されて、少しの量でも満足感が得られます」
眠れぬ夜は「SNS」でストレス発散
夜中に突然「ラーメンが食べたい!」などの欲求に襲われたら、ありのままの気持ちをSNSに吐き出すこと。
「平均して、午後10時から翌午前2時までの間は、食べると脂肪をため込みやすくなる時間帯。このときに食べたくなるのは、ストレスを発散したいからにほかなりません。有効な対処法は“愚痴を吐き出すこと”。相手に気を使わず好き勝手に言える“愚痴専用アカウント”を1つ持っておくといいでしょう」
ダイエット中は「SNS中毒」になるのも、またよし!?
やけ食いにも“作法”がある
もしやけ食いしてしまっても、クヨクヨ悩む必要はない。
「やけ食いすると、セロトニンが分泌されて幸福感が増す効果があります。ただし“食べちゃった”と後悔すると、効果は半減します」(工藤さん)
笑顔で「ごちそうさま!」と言えるのが、“やせるやけ食い”だ。
※女性セブン2020年8月13日号
●太りにくいのはどっちのおやつ? 大福VSシュー、午後のケーキVS夜のフルーツ他
●ダイエット向きはどっち?トマトソースパスタVSマルゲリータピザ、うな丼VSカツ丼など10選
●外食で太らない知識|低カロリーの麺や揚げ物、うどんのおすすめトッピングは?
●やせる習慣はどっち|食事の前と後、運動するなら?腹筋とスクワットでお腹がやせるのは?
●免疫力を正常にする生活習慣11|朝6時半~8時の間に日光浴びる、運動は30分を目安に