こんなことはないだろうか。昼食後、パソコンに向かうとしばらくして激しい睡魔に襲われ、眠気を覚ますためにチョコレートを口に入れる…。こうした習慣がある人は、昼食のとり方を改める必要がありそうだ。
『40年間おデブだった私がリバウンドなくスッキリ13kgやせた‼マインドフルネスダイエット』(主婦の友社)の著者で、自身の体験をもとにダイエットインストラクターとして指導をする吉村園子さんが、痩せるための食事のとり方を教えてくれた。
食べる量は「おかず8割、ご飯2割」に
吉村さんは「痩せたい人は、まず口に入れるものと血糖値の関係を理解してほしい」と話す。
「例えば、お昼に糖質の多い白米やパスタを食べたとします。すると血糖値が急上昇し、血糖値を下げるためにインスリンが大量に分泌され、基準値以下の血糖値に急下降することがあります。そうなると、人の体は眠くなり、糖を欲して甘いものを口に入れたくなります。インスリンは余った糖を脂肪に蓄える働きもあるため、肥満につながる。これが、デブのスパイラルです」(吉村さん・以下同)
◆血糖値が急上昇しない食べ方がカギ
つまり、血糖値が急上昇すると食欲が上がるので、血糖値が急上昇せず、緩やかに上がる食べ方をすればいいわけだ。
そのルールは、次の通り。
◆食べる順番を工夫、まずはサラダを
「食べる順番を工夫すること。スタートは、サラダ。次にみそ汁などの汁物。これらを5分以上かけて食べ、副菜、主菜、そして最後にご飯の順に食べましょう。ご飯の炭水化物の量も減らし、できればおかず8割、炭水化物のごはんは2割の比率で食べるとよいでしょう。つい間食をしてしまうクセも、本気で痩せたいならやめるべきです」
ただ、間食クセは一度ついたらなかなか直らないもの。そこで吉村さんは思い切った手段を提案する。
ストックすべきは「噛む」おやつ
◆スイーツやスナック菓子は即処分
スイーツやスナック菓子などの間食や夜食をどうしてもやめられない人は、「思い切って処分すべし」と吉村さん。
「ストック用に買っておいた菓子を家中からかき集めて、1つの袋にドサッと入れてください。そしてその袋ごとストック菓子を処分するのです。捨てられないかたは、ご近所や職場のかたなどにお配りするとよいでしょう。これがファーストステップです」
その後、口さみしくどうしても甘い物が食べたくなったら、セカンドステップ。「噛むおやつ」を食べるのだ。
◆15分間かみ続けられるものがベスト
「例えばガム、昆布、するめなどを15分間噛み続けるのです。人の食欲のピークは10分と言われています。その間に噛み続けていると、満腹効果も出てきて、空腹感を抑えることができます。さらに、一定のリズムで噛む行為を繰り返していくと、脳内にセロトニンが分泌されて気持ちが落ち着いてくることがあります。私は甘いベリー系とミントのスッキリ系を常備しています」
噛んでも気持ちが収まらないときの対処法
「噛むおやつ」に続くサードステップは2通り。
◆わざわざ高価なスイーツを買いに出かける
「噛むおやつを食べても気持ちが収まらないときは、いつも買うストック菓子の倍以上の値段を出してわざわざスイーツを買いにいくのです。そしておいしく味わって気持ちを満たします。すると、体が本当に欲していたことがわかります。一方、15分間何かを噛み続けたあとわざわざ外に出て高価な菓子を買いに行くのが面倒に感じたら、ただ口さみしかっただけだと気づくでしょう。こうすることで、食欲と上手に付き合うことができます」
◆15分間自問自答してみる
食欲も物欲と同様。「食べたい!」「欲しい!」という衝動に駆られても、「今、本当に〇〇が必要なのか?」を15分間自問自答することで、冷静になり、伸ばしかけていた手も引っ込み、余計なカロリーを蓄えずに済むはずだ。『40年間おデブだった私がリバウンドなくスッキリ13kgやせた!!マインドフルネスダイエット』には、そんな自分の食欲との心理戦に勝つ方法が具体的に記されている。
ダイエットインストラクター:吉村園子さん
よしむら・そのこ。上級心理カウンセラー、行動心理士、グリーフ専門士、アドラー心理学勇気づけ講師などさまざまな肩書を持つ。自身のダイエットに心理学を取り入れたところ、運動なし、ストレスなしであっさり13㎏の減量に成功。現在、『心ダイエット講座』を開講。
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