最近、書店に行くと不思議な光景が広がっている。あの超人気アイドルのカレンダーでもなく、11月に発売されたばかりの『ハリー・ポッター』の新刊でもなく、シンプルなダイエット本がいちばん目立つ売り場で、大量に平積みされているのだ。
《成功者続出の神レシピ》
《食べるだけでしっかりがっつり痩せる!!》
目に飛び込んでくるのは、書店員たちの創意工夫溢れるPOPの数々。どこの書店に行っても、だいたい一緒。して、これは一体なに?
累計230万部を突破する超ベストセラー!
「『やせるおかず 作りおき』(小学館刊)シリーズです。今いちばん売れている本といえばこれしかない。もうバカ売れに次ぐバカ売れ。超人気作家の新刊だってこうはいきません」(都内のある書店店長)
“やせおか”の愛称で親しまれる同シリーズは、2015年1月の発売以来、「お弁当」版や「レンジでチン」版など計5冊が出版。現在、累計230万部を突破する超ベストセラーになっている。
11月11日には『金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)で特集され、伊藤かずえ(50才)と紫吹淳(48才)のマネジャーが約100日間の“やせおかダイエット”に挑戦。ふたりで19kgの減量に成功し、司会の中居正広(44才)も仰天していた。
「金スマの放送後、さらに勢いが増した感じです。Amazonでも楽天でもずっと1位。すでに社会現象と化しています」(別の書店員)
膨大な数のダイエット本が書店に並び、スマホで簡単にヘルシーレシピが手に入る昨今、『やせおか』がなぜ爆発的に売れるのか。
著者の柳澤英子さんに聞くと、3つの革命的なテクニックが見えてきた。
「作りおき」で品数増、負担減!
『やせおか』の特徴は、なんといっても「作りおき」にこだわるところ。
「人は家に食べ物があればそれを食べてしまう生き物です(笑い)。お菓子を買いだめしたとして、空腹になれば誰だって口に入れてしまう。
逆にいえば、お菓子ではなく『健康的なおかず』を作りおきしておけば、必然的にそれを食べることになり、無駄な外食もなくなる。結果、やせるのではないか、と。そんな発想から『やせおか』は始まったのです」(柳澤さん)
同書のレシピは基本的に主菜1品、副菜2品。どれも3~5日の冷蔵保存が可能で、日々の料理の手間を大きく省くことができる。