猛暑でただでも息苦しいのに、コロナ対策でいつもマスク着用。熱中症を避けるため、今年の夏は例年以上に、「水分補給」が必要だ。外出時は水筒に水を入れて、もしくはコンビニでペットボトルのミネラルウオーターを買うという人は多いはず。しかし、ちょっと待ってほしい。その水に一手間加えて、健康とダイエットを同時に実現できる「アレンジ水」に変えて飲んでみてはどうだろうか。
スパイス油の効果とは?
たしかに、炎天下とコロナ感染を避けて家にこもってばかりだと、運動不足で「夏太り&コロナ太り」のダブルパンチが気になる今日この頃。
「やせられない人はそもそも“体が整っていない”といえます。自律神経のバランスが悪く、体内が低活性状態で、代謝が落ちているんです。まずは代謝を上げることが『やせる体』への近道です」
そう話すのは、看護師でアロマセラピストの市野かおりさん。市野さんが推奨するのは、お湯にスパイスを加えて飲む「スパイス湯」だ。
◆食べすぎや間食防止に最適
「スパイス湯を飲むと胃腸が温まり消化が促進され、代謝が高まります。しかも、カロリーがゼロなのに胃腸が刺激されて満腹感が得られるので、つい食べすぎてしまう人、間食してしまう人にはうってつけです」(市野さん・以下同)
胃腸が刺激されることで、便秘やお腹にガスがたまる状態の改善にもつながるという。
◆おすすめスパイスはブラックペッパー
作り方は簡単だ。カレーに使われるクミンやコリアンダーなどのスパイスを白湯に入れて混ぜるだけ。特に、いまの時期におすすめのスパイスが、「ブラックペッパー」だという。
「暑い夏は胃の働きが悪くなり食欲もわかず、体を動かすのも億劫になりがちです。その結果、むくみやすくなり、代謝が落ちるのでなかなかやせられません。ブラックペッパーは唾液や胃液の分泌を促し消化をよくし、脂肪や老廃物の蓄積を防ぎます。体を芯から温めるので、クーラーのつけっぱなしで起こる、“体の冷え”の解消、さらには夏バテの防止にもつながります」
市野さん曰く、「ブラックペッパー湯」は“ラーメンのスープのような味”だという。
「スパイス湯は空腹時に飲むことで、より効果を発揮します。スパイスの成分が体に吸収されやすいからです。食事と併せるなら、食べる前に飲んでください」
まずは朝、起き抜けの1杯から始めてはどうだろうか。
簡単!スパイス湯の作り方&飲み方
《材料》
お湯:100~200ml
各種スパイス(ブラックペッパー、コリアンダー、クミン、ローリエなど):少々
《作り方》
沸騰させたお湯をコップに注ぎ、スパイスを2~3回振り入れる(ローリエの場合ははさみで切り込みを入れた葉を1枚入れる)。その後、有効成分を抽出させるため3~5分おけば完成。
《飲み方》
スパイスは水に溶けないので、スプーンでかき混ぜながら飲むのがおすすめ。起き抜けなど、空腹時に飲むのが最も効果的。
オクラ水の効果とは?
市橋クリニック院長の市橋研一さんのイチオシは「オクラ水」。ヘタを切ったオクラを7~8時間水に浸し、その水を飲むという健康法だ。血液がサラサラになり、高血圧、便秘解消などさまざまな効果が期待できるという。腎臓の機能を活性化させ、糖尿病の改善にもつながるそうだ。
血流がよくなることで、スムーズに栄養素が運ばれるようになるので、代謝がアップし、ダイエットにもつながる。
「オクラは『完全栄養野菜』と呼ばれるほど豊富な栄養素を含みます。特に、ネバネバのもとになる水溶性食物繊維には整腸作用や、血糖値やコレステロール値を抑える作用があります。オクラ水を飲めば体が内側から整い、健康的にやせることにつながります」(市橋さん・以下同)
◆「酵素」を壊さないためには冷凍も加熱も厳禁
オクラはゆでたり、生のままで食べなくても、水溶性食物繊維などの有効成分が水に溶け出しやすいので、オクラ水でも充分に栄養を取り入れられるという。
「オクラはネバネバ成分以外に、『酵素』を含んでいるといわれます。しかし、その酵素は、調理のために低温や高温になると壊れてしまいます。そのため、オクラ水を作るときは“冷凍も加熱も厳禁”という点に注意してください。酵素は35~45℃が最も活性化する温度といわれます。ぬるま湯を足して、温めて飲んでもいいでしょう」
オクラ水には、適度な満腹感があるため、昼食の前に飲めば自然と食事量が抑えられるだろう。ちなみに、オクラ水に使った後のオクラは、そのまま料理に使って食べればOKだという。
簡単!オクラ水の作り方&飲み方
《材料》
水:約200ml
生オクラ:4、5本
《作り方》
オクラのヘタを取り除き、断面を下にした状態でコップに入れて水につける。コップにフタやラップをして、冷蔵庫で7~8時間おけば完成。
《飲み方》
つけられた水に健康効果があるので、オクラは取り出して飲む。飲みづらければ、黒酢を混ぜるのがおすすめ。昼食前などに飲めば、食事量が抑えられるだろう。
はちみつ水の効果とは?
最後に紹介するのは「はちみつ水」。田井メディカルクリニック院長の田井祐爾さんは、「寝る前のはちみつ水」で、1年間で25kgものダイエットに成功したそうだ。
はちみつ水は、コップ1杯の水に、はちみつを大さじ1杯溶かしたもの。寝る30分~1時間くらい前にそれを飲むことで「やせる体」が作られるという。
◆寝る前のはちみつ水が効果的な理由
「寝る前に甘いものを摂るなんて、逆に太りそう!」と考えた人も多いだろう。しかし、はちみつ水は寝る前だからこそ、効果的なのだという。
「寝る前にはちみつ水を飲む最大のメリットは『睡眠の質が上がる』ことです。睡眠中は、成長ホルモンによって体のメンテナンスが行われ、その作業に使われるエネルギーが脂肪です。しかし、睡眠の質が悪いと成長ホルモンの分泌が悪くなり、エネルギーとして消費できるはずの脂肪が使われない。結果的に、太りやすい体になってしまう」(田井さん・以下同)
そこで効果を発揮するのが、はちみつの持つリラックス作用だ。一般的な糖質では急激な血糖上昇によりインスリンが過剰に分泌され、交感神経の高ぶりを招く。しかし、はちみつの場合は血糖上昇が緩やかで、交感神経を落ち着かせるという。
◆ゆっくりと血糖値を上げていく
「睡眠の質が落ちる原因はいくつもありますが、血中の糖質が足りていないこともその1つです。糖が不足していると、体は血糖値を一定のレベルに保とうと交感神経を活発化させます。すると、睡眠の質が悪くなる。そこで、はちみつを摂り、ゆっくりと血糖値を上げることで、交感神経がリラックスします。すると、睡眠の質が高まり、同時に脂肪を燃焼させることができるんです」
特に、ダイエットのために糖質制限を行っている人は、質の悪い睡眠に陥りやすい。そうした人にとって、はちみつは有効なサポートとなるだろう。ある研究によると、はちみつは砂糖に比べて減量効果が高く、代謝改善への効果も大きいという。
「もちろん、適量を適切なタイミングで摂ることが重要です。あくまで大さじ1杯が目安。また、寝る1時間以上前に摂っても、睡眠への影響は小さく意味がありません」
水は温かくても冷たくてもいいのだが、「熱湯に溶かすのはNG」だという。はちみつに含まれる酵素が壊れないよう、温める場合は60℃くらいまでを目安に加熱しよう。
簡単!はちみつ水の作り方&飲み方
《材料》
水:180~200ml
はちみつ(国産の純粋のものがおすすめ):大さじ1杯
《作り方》
はちみつを水に溶き入れ、均一に混ぜる。
《飲み方》
寝る30分~1時間前に飲む。温めて飲む場合は60℃までを目安に、加熱しすぎない。はちみつ水を冷蔵庫で保存はせず、飲み切るようにする。糖質制限ダイエットなどを行い糖分が不足している人に特におすすめ。ただし、1才未満の乳児は乳児ボツリヌス症のリスクがあるためNG。
スパイス、オクラ、はちみつ。健康的なこれらの食品を「アレンジ水」にすれば、ダイエット効果を狙った上に水分不足も補える。朝、昼、夜の3種の水で、この夏こそ健康的にやせよう!
※女性セブン2020年9月3日号
●寝る前に大さじ1杯!夜はちみつダイエット|効果的なやり方と痩せる理由を25kg減の医師が解説
●【スパイス】食べて痩せる、スパイスダイエット!主食のレシピ3種
●完全栄養食と呼ばれる「はちみつ」!そのまま食べるなら空腹時がオススメ
●【スパイス】痩せ力アップ!夏を乗り切るドリンクレシピ3種
●シリアルやスパイスを入れたい。ドイツの老舗キッチンウェアブランドからスタイリッシュな「保存ジャー」