疲れたときに食べるチョコレートは、ホッとするもの。その健康効果は、ストレス緩和やアレルギー症状改善、動脈硬化防止などさまざまなものがあるという。チョコレートといっても、高カカオチョコレートや甘いチョコレート菓子など豊富な種類がある。どれを選んだらいいのだろうか。チョコレートの健康効果について、専門家に詳しく聞いてみた。コロナ時代のなかで、食生活を見直している人も多い。生活の中にあなたに合ったチョコを上手に取り入れて!
まずは多種多様な食品をバランスよく摂る
機能性食品の研究・開発に従事する農学博士の大澤俊彦さんの健康法は、「間食や飲み物も含めて、多種多様な食品をバランスよくしっかりと摂ること」と言う。
「糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルという5大栄養素、そして第6の栄養素といわれる食物繊維、野菜に含まれる〝ファイトケミカル(非栄養素)”といわれる第7の栄養素。これらをバランスよく摂ることを意識しています」
◆多忙な日は即席キャベツ料理
例えば多忙な日の朝食メニューは「即席キャベツ料理」。
「キャベツなどの野菜を袋に入れて電子レンジで加熱し、それにすりごまとかつおぶしを加え、さらに酢を加えた即席料理です。とても簡単で手間がかからないので長続きしますし、野菜不足を防ぐ効果もあると考えています」
高カカオチョコレートに期待される効果
また、食後に積極的に摂っている食品が「高カカオチョコレート」だ。
「高カカオチョコレートのカカオは、抗酸化物質であるカカオポリフェノールや食物繊維、ミネラル成分などを多く含み、さまざまな健康効果が期待されています。例えばカカオに含まれる『テオブロミン』は精神的な安定をもたらし、食物繊維『リグニン』は腸管内の残留物の排出をスムーズにします。なかでも特に重要な役割を持つのが抗酸化力の強い『カカオポリフェノール』。
血管壁をしなやかにし、血圧を下げ、動脈硬化防止や認知症予防、また体内活性酸素により引き起こされるリウマチやがん、高齢者の運動機能障害などの予防にも効果が期待されています」
◆「食べる量」がポイント
食べているチョコレートはカカオ72%が多く、ワインのつまみなどに86~95%も楽しむという大澤さん。大切なのは、「食べる量」なのだとか。
「1日25g、板チョコレートの大きさなら約5かけを食後のデザートとして摂ったり、料理の調味料として使用したりします。カレーライスのルーに加えるとコクが出ておいしいし、デミグラスソースに入れてもおいしい。チョコレートはおいしさの点からもヒトの健康増進の点からも、優れた食べ物だと思います」
カカオポリフェノールは摂りすぎに注意
カカオポリフェノールは、動脈硬化防止やストレス緩和、アレルギー症状の改善のほかにも、下図のようなさまざまな効果が期待されている。ただし「健康によいものでも摂りすぎには注意」と大澤さんは言う。「特に糖質の摂りすぎは体全体の老化を招きます。朝昼晩の食事を基本として、その中で足りないものを補うつもりで取り入れましょう」。
「チョコレート、ごま入りキーマカレー」レシピ
《作り方》
玉ねぎ、にんじんをフライパンで炒め、合挽肉を加えてさらに炒める。カレールー、しょうが、ウースターソースを加えて煮込み、最後に隠し味であるチョコレートを2~3かけとごまを入れて煮込めば完成。
《主な材料の栄養価》
チョコレート(カカオポリフェノール、リグニン)、ごま(カルシウム、ゴマリグナン、オレイン酸、不溶性食物繊維)、ターメリック(ポリフェノール、カルシウム)
◆教えてくれたのは:農学博士・大澤俊彦さん
1946年、兵庫県生まれ。東京大学大学院農学研究科博士課程修了。オーストラリア国立大学リサーチフェローを経て名古屋大学農学部へ。カリフォルニア大学デービス校客員教授。名古屋大学名誉教授。愛知学院大学心身科学部特任教授(人間総合科学大学特任教授兼任)。著書に『食べてガンを防ぐスプラウト健康法』『スパイスには病気を防ぐこれだけの効能があった!』(共著)など多数。http://psyphy.agu.ac.jp/eiyo/teachers/osawa/
撮影/茶山 浩
※女性セブン2020年9月24日・10月1日号
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