ウイズコロナの時代に、免疫力を上げるのは大事なこと。免疫力アップにプラスして、アンチエイジング効果も期待できる食材がココナッツミルク。長年、脳の神経細胞を研究してきた医学博士が、その効果とおいしく食べられる低糖質の献立例&スイーツのレシピを教えてくれた。
医学博士が実際に取り組んでいる食生活やアドバイスも紹介。ストレス緩和や脳の活性化に役立つ情報もあるので、毎日の生活の参考にしてみて!
食事改善で運動機能が向上と快眠できるように
医学博士の佐藤拓己さんは長年、脳の神経細胞を研究。海や湖に生息するバクテリアが持つ「ケトン体のポリマー」に注目し、哺乳類のアンチエイジング効果を分析してきた。
「ケトン体は、糖質を減らし良質の油を摂ることで得られる物質。体内で脂肪などが変化し、エネルギー源として利用されます。薬物が越えられない脳血液関門をフリーパスで越えられる化合物で、認知症やアルツハイマーに劇的に効いたとの報告も多数あります。私も数年前、糖尿病初期と思われる症状を発症し、自らケトン体を増やす食事を実践したところ、効果が明らかに見られました」
◆バターコーヒーでさらに調整
佐藤さんが実践したのは、ご飯などの主食を1日1回にし、糖を減らす代わりにしっかり脂肪を摂る食事。脂肪が足りない場合はコーヒーにバターを入れた「バターコーヒー」を飲むなどして調整した。
「食事を改善したら、あっという間にケトン体濃度がアップして頭がさえはじめ、睡眠もよくとれて運動機能も向上し、体がいい状態になって本当に驚きました」
以来、糖質を制限しながら栄養を摂るため、白米のほか長いもなどの根菜類を食べるように心がけている。
ココナッツミルクでストレス解消&脳の活性化
コロナ禍でも同様に、自ら糖質制限スイーツメニューを考えて実践しているそうだ。
「ココナッツミルクや純正ココア、カロリー0の天然甘味料など良質な食材で低糖質チョコレートやケーキを作って食べています。おいしく食べられてストレスを解消し脳も活性化します」
ココナッツミルクには中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)も含まれ、ミネラルも豊富。ケトン体濃度を上げる効果も期待されている。ココアの主成分であるカカオポリフェノールは強い抗酸化作用があり、血糖値の抑制や血流促進など多様な健康効果がある食品だ。
◆抹茶でビタミンCや抗ウイルス作用のあるカテキンを補給
また、佐藤さんがコロナ禍で意識して摂っているのがビタミンCだ。
「免疫力向上のために、ビタミンCは欠かせません。毎日、ビタミンCが豊富な抹茶を少量のぬるま湯で溶いて、水で薄めて飲んでいます。抹茶は抗ウイルス作用のあるカテキンや抗酸化作用のあるテアニンも豊富に含む食品。外出時も必ず持ち歩くようにしています」
1日の低糖質献立の例
体調を崩し、食生活を改善した佐藤さんが、ケトン体を増やすために実践した食事の一例を教えてくれた。
当時51才、体重94㎏、身長178cm。朝昼晩の食事のカロリーを、糖質400kcal、たんぱく質400kcal、脂質400kcalの1対1対1にした。ケトン体濃度が上がるとすぐに体調が治ったという。
注)体重が平均、または少ない女性は、2000kcalをキープした上で、普段より糖質を減らし、その分を脂肪で補うようにする。特に女性の場合は急激に食生活を変えると体調を崩す人が多いので、ゆっくりと食生活を改善していくこと。
◆1日の食事例その1
【朝】
卵焼き+ベーコン+ブロッコリー
・卵は2個分。ベーコンは約2枚。
【昼】
バターコーヒー
・バターは無塩のものをスプーン1杯分入れる。
【夜】
鮭とブロッコリーのみそマヨネーズオーブン焼き
・鮭は2切れ、白米を軽く1杯。
◆1日の食事例その2
【朝】
厚焼き卵
・卵2個分。ゆで卵、卵焼きなど簡単にできるもの。
【昼】
ステーキと野菜
・肉料理、魚料理、サラダ、白米を軽く1杯。
【夜】
豚肉とほうれん草のしゃぶしゃぶ
・ほうれん草などの野菜をたっぷりと使う。
「低糖質チョコレート」レシピ
《作り方》
葛粉を倍量の水で溶いて鍋に入れ、ココナッツミルクを加えて中火で温める。軽く煮立ってきたら天然甘味料を加え、最後に純正ココアを少しずつ入れて混ぜ合わせる。粗熱を取り、大きめの平皿に伸ばして冷凍庫で冷やせば完成。
《主な材料の栄養価》
ココナッツミルク(中鎖脂肪酸、ビタミンE・C、カリウム、鉄、マグネシウム)
「ココナッツミルクの低糖質ケーキ」レシピ
《作り方》
ココナッツ粉、アーモンド粉、ソルガム粉、純正ココア、ココナッツミルク、卵、重曹、天然甘味料、バター、オリーブオイルを合わせて生地を作り、オーブンで焼き上げる。粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やして切り分ける。
《主な材料の栄養価》
純正ココア(たんぱく質、脂質、カルシウム、ビタミンB2・B6・B12、食物繊維)
教えてくれたのは:医学博士・佐藤拓己さん
1961年、岩手県生まれ。一関第一高等学校卒業、東京大学農学部・畜産獣医学科卒業。京都大学大学院医学系研究科・分子医学専攻・博士課程修了。岩手大学工学部・応用化学生命工学科・准教授。大阪バイオサイエンス研究所・研究員。現在、東京工科大学・応用生物学部・教授。著書に『体内年齢がよみがえる科学 ケトン体革命』など。
撮影/茶山 浩
※女性セブン2020年9月24日・10月1日号
●ダイエット中はカレールウではなくカレー粉を!魔法の即ヤセ低糖質スープレシピ「チキンココナッツカレースープ」
●ダイエットに◎の中鎖脂肪酸も!ほんのり甘くて濃厚な「ココナッツグルト」を【実食レポ】
●ココナッツオイルや肉食で増加!痩せ物質「ケトン体」って?
●ダイエットや美肌にいいココナッツシュガー100%チョコを【実食レポ】
●便秘改善にも◎【ブリスボール】簡単にできる「バナナココナッツボール」