たとえ体にいいといわれる油でも、摂り過ぎは禁物。脂質が多過ぎる食生活は、健康にも美容にもマイナスになってしまう。
「脂質が多めかな? と思ったら、食物繊維を一緒に摂りましょう。水溶性の食物繊維は、小腸で糖質や脂質にからみ、吸収の邪魔をしてくれます。不溶性食物繊維は種類によりますが、食事で摂った脂肪を吸収しにくい効果が期待できます」
と、女子栄養大学栄養学部の専任講師で、管理栄養士の浅尾貴子さんは話す。そこで、浅尾さんに脂質排出に役立つ食材と、これらを使ったレシピ2品を教えてもらった。
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脂マネジメントに役立つ食材【1】海藻
ワカメや昆布、もずく、ひじきなど海藻類、きのこ類や大麦、ひじきは、余分な脂質を体に蓄積したくない人の強い味方になってくれるという。
「海藻類は、水溶性食物繊維をたっぷり含みます。中でも、昆布の1割近くを占める「アルギン酸」は注目の成分。水に溶けるとネバネバ、ぬるぬるする水溶性食物繊維で、強い脂肪排出パワーをもっています」(浅尾貴子さん。以下、「」同)
脂マネジメントに役立つ食材【2】きのこ類
きのこ類は、油分とくっついてこれを排泄させる働きをする食物繊維「キノコキトサン」を含む。特にオススメなのは、エノキダケ。ただし、硬い細胞壁の中に存在しているので、効率よく摂取するためには、冷凍するか、細かく刻もう。
「キノコキトサンは脂質分解酵素の働きを抑えることで、脂質を分解しにくくして、 その吸収を阻害してくれるんです。また、腸の粘膜を薄くコーティングして、腸からの脂質の吸収を抑制する作用もあります」
脂マネジメントに役立つ食材【3】黒烏龍茶
食事で摂った脂肪は小腸で「リパーゼ」という酵素に分解され、体内に吸収される。烏龍茶に含まれる「ウーロン茶ポリフェノール」にはこれを阻害する働きがある。
「中でも黒烏龍茶に含まれる『ウーロン茶重合ポリフェノール』は、脂肪の吸収抑制効果が特に高い。中性脂肪の排出と、血中中性脂肪上昇の抑制に役立ちます」
脂たっぷりの料理を食べるときには、これらの食材をともに摂るように心がけよう。