“節約=スイッチをこまめに消す”と思いこんでいる人は多いかもしれません。でも実は、状況に応じてはスイッチを消さない方がお得なこともあるんです。
そこで、お金のプロフェッショナルである節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、エアコンの正しい使い方で電気代を安くする方法を教えてもらいました。
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エアコンは“自動運転”でつけっぱなしがお得
◆マメなオンオフで余計な電力がかかることも
コロナ禍での生活で在宅時間が増えた人が多いと思います。そこで気になるのが電気代。できるだけ節約したいからこそ、こまめにスイッチをオフにしていた人も多いと思います。
ほとんどの電化製品はそれでOKですが、実はエアコンのオン、オフをこまめにしてしまうと、立ち上がりから設定温度に達するまで、出力が高い状態で稼働します。このときの電力がクセモノというわけ。冷房でも、暖房でも、スタート時には大きな電力がかかるのは共通です。
◆短い外出時間ならつけっぱなしの方が節約に
節電のポイントは、エアコン運転を状況に応じて運転をすることです。。家にずっといるときや、30分以内の短い外出などは、自動運転のまま稼働し続け、出勤や就寝など数時間以上の家を空けたり使用しないときは、スイッチを切る。そしてまた、お出かけや就寝の15分前にスイッチを切ることで更に節電になります。
注意点としては、暖房も冷房も弱運転にしておくと、なかなか快適な温度にならないばかりか、逆に電気代がかさむこともあるので、自動運転に設定するのがおすすめです。
一般財団法人 省エネルギーセンターが発行している『家庭の省エネ大事典」によると、冬の暖房時の室温は20℃を目安にすると年間約1170円(※1)の節約に、設定温度を28度にした場合、27度のときよりも年間670円(※2)もお得になるそうです。
※1 外気温度6℃のとき、エアコン(2.2kW)の暖房設定温度を21℃から20℃にした場合(使用時間:9時間/日)
※2 外気温度31℃の時、エアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27℃から28℃にした場合(使用時間:9時間/日)
エアコンの効力をアップする節約小技
さらに気を付けたいのが、窓の対策。夏であれば、暑い熱がガラスを通して入ってきますし、せっかくエアコンで冷えた部屋の空気が窓ガラスを通して逃げていってしまいます。
冬も同様にガラスを通して熱の入れ替えが起こってしまうので、電気代を考えるなら厚手のカーテンを閉めた方がいいです。厚手生地で、床までしっかりと丈のあるものにすると、熱が逃げにくくなります。在宅中に厚手のカーテンを閉めることで、日中部屋が暗くなってしまうなら、せめてレースのカーテンだけでもしめて、夕方になったらしっかりと厚手のカーテンを閉めて冷暖房効率を上げましょう。
冷暖房期間は、外出する際にも厚手のカーテンを閉めておくことで室内の温度変化をゆるやかにさせる効果もあります。
◆扇風機やサーキュレーターを使いさらに快適に
エアコンを使用するときは、扇風機やサーキュレーターを併用したほうがお得。
冷たい空気は下に降り、あたたかい空気は上に向かうので、空気をかき混ぜて室内の気温差を均一にすることでエアコンの余計な稼働が減り、電気代を抑えることができるのです。特に夏場は扇風機と併用して、扇風機の風を体に当てると涼しさが増して、エアコンの設定温度が高めでも快適に過ごすことができますよ。
◆フィルター掃除で年間700円もお得!
そしてもうひとつ大事なのが、フィルター掃除です。2週間に1回くらいは掃除機で吸ってあげると、機能性はグンとあがります。
こちらも「家庭の省エネ大事典」によると、年間で電気31.95kWhの省エネになり、年間で約700円の節約になります。(フィルターが目詰まりしているエアコン(2.2kW)とフィルターを清掃した場合の比較)
教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん
節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。丸山さんのオフィシャルサイト「らくらく節約生活」
構成/吉田可奈
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