健康・医療

「疲れているのに眠れない」睡眠トラブルに「加味帰脾湯」を。夢を見るのも大事なサイン【漢方でカラダケア】

「体が疲れているのに熟睡できない」「夢ばかり見ていて寝た気がしない」そんな経験はないでしょうか。

布団から体を起こし頭を押さえる女性
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日頃からストレスや不安感が多く、不眠がちで心身の疲れをスッキリ解消できないかたには、漢方薬の「加味帰脾湯(かみきひとう)」がおすすめと、薬剤師の山田桂子さん。

【第2類医薬品】加味帰脾湯エキス顆粒クラシエ 45包(画像はクラシエ公式HPより)
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そこで、加味帰脾湯はどんな体質の人に合う漢方薬なのか、どんな効果があるのかを詳しく解説してもらいました。

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加味帰脾湯ってどんな漢方薬?

◆加味帰脾湯はこんな漢方薬

加味帰脾湯は、以下のような人におすすめの漢方薬です。

□不安感やストレスが多い
□眠いのに眠れない
□熟睡できず、夢をよく見る

漢方医学では「血」は体の栄養となる他に、精神活動をつかさどると考えます。つまり、「血」が充実していることで心身がほぐれ、質のよい睡眠がとれるということです。逆に「血」が不足すると、不安感を感じやすくなったり、熟睡できずに夢を見ることが多くなると考えられています。

加味帰脾湯は「血」を補う生薬や自律神経のバランスを整える生薬が配合された漢方薬です。そのため、「体が疲れているのに眠れない」「夢を見がちで、翌朝に疲れが残ってしまう」というタイプの不眠症状の改善に効果が期待できます。

そもそも漢方薬は医薬品としての効果が認められている薬です。西洋薬と異なり、生薬からできているため、比較的副作用も少ないといわれています。

◆加味帰脾湯に効果を感じた人の事例

40代女性に、加味帰脾湯を提案した事例を紹介します。

彼女は真面目で緊張しやすく、不安になりやすい性格でした。頭の中は常に仕事や家のことで一杯で、就寝の時間になっても頭の中が興奮しているといいます。体は疲れているので寝つきは悪くないけれど、いつも夢を見がちで眠りが浅い自覚があり、熟睡感がなく翌朝がつらいそうです。

メガネを外し、目頭を押さえる女性
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また、彼女はもともと胃腸が弱く貧血気味で、そこへ睡眠不足も重なり、さらに悪循環となってしまっていました。周囲から顔色が悪いことを心配されることも多かったそうです。「一度でいいから、朝までぐっすり眠りたい」とのことで、加味帰脾湯をご提案しました。

加味帰脾湯をのみ始めたところ、まず食欲がわき、お腹がポカポカ温まるのを感じたそうです。そして、熱がこもったように興奮していた頭の中はスッキリとした感覚があり、以前より緊張や不安感を感じにくくなったといいます。

服用して1週間後には、これまで1時間ごとに目が覚めていたのが、続けて3時間眠れるように。さらに、夢を見る回数も格段に減り、熟睡感が出てきたそうで、「翌朝の『よく寝た!』という感覚が蘇ってきた」と、うれしそうでした。

◆加味帰脾湯に含まれる生薬

加味帰脾湯には、15種類の生薬が含まれています。

人参とお茶
画像/Photo AC
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「人参(にんじん)、「黄耆(おうぎ)」は「気(生命エネルギー)」を補い胃腸の状態を整えます。「柴胡(さいこ)」、「木香(もっこう)」は自律神経のバランスを整え、気分を落ち着かせる作用があります。

「龍眼肉(りゅうがんにく)」「酸棗仁(さんそうにん)」は「血」を補い、精神を鎮め、不眠・不安・動悸などの症状を緩和します。

加味帰脾湯は自律神経のバランスを整え、血を補い精神を鎮める生薬が多く配合されています。そのため、不眠の改善に限らず、胃腸が弱く貧血の傾向が強い人にも効果が期待できる漢方薬なのです。

漢方薬ってそもそもどんなもの?

漢方薬は医薬品として、さまざまな症状に効能・効果と安全性が認められています。病院などの医療機関でも幅広く使われており、これまで多くの人々のさまざまな症状を治してきました。

漢方薬は、服用する人の「証(しょう)」に合わせてのむ薬です。「証」とは、漢方独特の考え方で、病名ではなく、その人の「体質」「体力」「悩んでいる症状」など、体全体の状態から判断する、病気に対する抵抗力のものさしです。

皿に乗った何種類もの生薬
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また漢方薬は、自然の草木や鉱物からできた生薬で作られているため、副作用が少ないことも特徴です。こうした自然のもつ力を上手に使うことで、漢方薬は私たちの体のバランスを崩すことなく、やさしい作用をもたらしてくれるのです。

整った生活習慣・運動・食事と、健康的な生活を意識し続けるのは難しい場合でも、漢方薬なら自分の体質や症状に合うものをのむだけです。「のむだけなら続けられそう」という人も多いのではないでしょうか。

漢方薬を始めるときの注意点

ただし、漢方薬はその人の体質に合わせて選ぶ必要があります。体質に合っていないと、効果が表れにくくなる他、副作用が生じる場合もあります。

漢方薬を服用する際は、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談し、体質に合った漢方薬を見極めてもらったほうが安心でしょう。クリニックや漢方薬局は敷居が高いというかたには、AI(人工知能)と漢方のプロフェッショナルが効く漢方薬を見極めて、ご自宅まで届けてくれるオンライン個別相談・AI漢方(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)などの、スマホで気軽に頼めるサービスもおすすめです。

自分の睡眠タイプを知り、軽やかで快適な1日を過ごそう

胃腸を整えながら気と血を補い、自律神経のバランスを整えることで睡眠トラブルを改善する加味帰脾湯は、以下のような人におすすめの漢方薬です。

窓に向かって両腕を広げる女性
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・日頃から不安感やストレスが多い
・体は疲れているのに眠れない
・夢を見ることが多く、夜中に何度も目が覚める

健康を維持増進するうえで、睡眠が重要な要素だということは誰もが知っている事実です。ですが、「寝たいのに眠れない」という睡眠トラブルは、健康を考えるうえでも大きな悩みにつながってしまいます。

睡眠の改善のために、まずは自分の体質と細かい症状を把握しましょう。そして、自分の体質に合わせた漢方薬を使用するなど、適切な対策をとり、快適な睡眠をめざしていきましょう。

教えてくれた人:あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師・山田桂子
さん

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やまだ・けいこ。漢方専門薬剤師。10年で受けた漢方相談の人数は延べ1万5000人を超える、漢方のスペシャリスト。自身も12年間もの無月経を漢方の知恵を使って改善した経験があり、自らの体験から生理や妊活など女性の悩みや不調のサポートを得意とする。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/
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