ナッツ類は、高カロリーで高脂質と言われていますが、実は、ダイエットに効果的だと注目が集まっています。なぜなのでしょうか?
『ナッツをうまく食べれば100歳まで長生きできる!』(河出書房新社)の著書があり、ダイエット指導や糖尿病治療を行う工藤内科院長の医師・工藤孝文さんに教えていただきました。
ナッツの脂質は体内に蓄積されにくい
「確かにナッツ類には脂質が多いですが、その多くは、体内に蓄積されにくく、体にいいとされる不飽和脂肪酸です。また脂質が豊富な分、少量でも満腹感を得られやすく腹持ちもいい。ですからナッツを食事に取り入れると、結果的に1日の食事全体の総カロリーを抑えることにもつながります」(工藤さん・以下同)
◆ナッツは低糖質で満足感を得やすい
さらに、ナッツ類は低糖質な点も見逃せません。
「種類にもよりますが、ナッツは手のひら1杯分だと約25g。この中に含まれる糖質は、アーモンドなら2.7g、くるみならわずか1gほど、比較的糖質が高めのカシューナッツでも5gほどです。これに対し、一般的な塩せんべい1枚なら12gほど、カステラ1切れなら25g程度です。塩せんべい1枚、カステラ1切れでは、おやつとして物足りないかもしれません。しかし手のひら1杯のナッツなら、脂質が豊富ゆえに満腹感を得やすく、しっかり噛むことでさらに満足度が高くなります。ですから、間食するなら、ナッツ類が最適といえますね」
食物繊維が豊富で便秘改善にも
ナッツ類に含まれる豊富な食物繊維も、ダイエットに最適です。
◆不溶性、水溶性ともに含まれる
「食物繊維には水溶性と不溶性がありますが、ナッツ類に含まれているのは主に不溶性の食物繊維です。不溶性食物繊維は腸の中で水分を含んで便の量を増やし、腸の動きを活発にしてくれます。また、乳酸菌やビフィズス菌のエサとなり、これらの善玉菌を増やしてお腹の調子を整える働きもあります。
また、不溶性食物繊維に比べればごくわずかですが、ナッツ類には水溶性食物繊維も含まれています。水溶性食物繊維は胃腸内をゆっくりと移動するので、糖質の吸収を穏やかにする働きがあり、食後に血糖値が急上昇するのを防いでくれます。また、小腸でコレステロールなどを吸着して排泄する働きもあります」
お通じがスムーズになれば、体重もダウンし肌荒れも改善。ダイエット中のかたこそ取り入れたい食材ですね。