月経不順や更年期障害などの婦人科系の不調は、漢方で解決できるかもしれません。
薬剤師の道川佳苗さんによると漢方薬の「温経湯(うんけいとう)」は、月経不順や更年期障害などに用いられているそうです。
そこで、「温経湯」はどんな成分で、どんな効果のある漢方薬なのか、道川さんに詳しく解説してもらいました。
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温経湯ってどんな漢方薬?
◆温経湯はこんな方におすすめ
温経湯は、下記のような体質の人に合う漢方薬です。
□冷え性である
□手足がほてる
□唇や肌が乾燥する
□体力が低下して疲れやすい
□月経不順や更年期障害がある
温経湯は、冷え性で体力が低下していて疲れやすく、肌が乾燥しがちで月経不順や更年期障害を持つ人に適している漢方薬です。不眠や神経症、湿疹やしもやけなどの皮膚症状にも用いられます。
◆温経湯を不調改善に活用できた人の実際の事例
2児の母親である、30代のかたの事例です。
生理前にはいつも冷えが悪化して体調が悪くなり、2、3日は動けないほどになるとのことでした。日頃から冷え性で、唇や肌の乾燥もあり、リップクリームやボディクリームが欠かせなかったそうです。
産後は月経不順、月経痛にも悩まされていたとのことで、そんなおりに漢方薬局の看板を見かけ、「この不調は漢方で改善できるのでは」と来店されました。
処方した「温経湯」を服用すると、まず足が温かくなったと感じたそうです。2週間服用するころには冷えも感じにくくなり、元気に過ごせているとのことでした。また、2か月後には、「生理前の体調不調もなく過ごせていて、月経痛も軽くなった」と、いきいきとした表情で話してくださいました。
月経痛や倦怠感に、温経湯の効果がしっかり出た事例です。
◆温経湯に含まれる生薬
温経湯に含まれる生薬は、体を温める「呉茱萸(ごしゅゆ)」、「桂皮(けいひ)」、血液を補給する「当帰(とうき)」、「芍薬(しゃくやく)」、「川芎(せんきゅう)」、血液の滞りを改善する「牡丹皮(ぼたんぴ)」、血を補うことで体に潤いを与える「阿膠(あきょう)」、「麦門冬(ばくもんどう)」など。全部で12種類の生薬で構成されています。
漢方でいう「血(けつ)」の不足した「血虚(けっきょ)」という状態を改善する薬で、ホルモンバランスを整えたり、全身の状態をよくしたりしてくれます。
漢方薬ってそもそもどんなもの?
漢方薬は複数の自然由来の生薬を組み合わせた医薬品です。さまざまな症状への効果と安全性が認められており、一般的に西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。
漢方薬は生薬の組み合わせにより効果が引き出されるものです。例えば温経湯は、体を温める生薬や、血液を補給し体を潤す生薬などを組み合わせており、月経不順や更年期障害、湿疹などに効果が認められています。
また、漢方薬は症状を和らげるための対症療法ではなく、体質の改善に働きかけることで根本的な解決を目指すものです。そのため、症状が出ないようにあらかじめ予防したい人や、同じ症状を繰り返したくないと思う人にも適しています。
婦人科の病気で漢方をのみ始めた人が、肌や髪の手触りがよくなってきたことで効果を感じることがあるなど、体質を改善することで、複数の悩みが改善されることもよくあります。
さらにうれしいのが、簡単に生活にとりいれられるという点です。栄養バランスのよい食事を毎日作ったり、頑張って運動をしたりするのは苦手というかたでも、漢方薬なら、症状や体質に合ったものを毎日のむだけでいいので、手間をかけずに続けることができます。
漢方薬を始めるときの注意点
漢方薬は自然由来のやさしい薬ですが、体質に合わないものを服用すると効果がないだけでなく副作用が起こる場合もあるので、漢方薬を選ぶときは医師や薬剤師に相談するのが安心です。漢方薬の購入はドラッグストア、漢方クリニック、漢方薬局などで可能です。
しかし、忙しくて時間がないなど、わざわざクリニックや漢方薬局には行きたくないというかたには、オンラインで相談する方法もあります。
クリニックや漢方薬局に行くのが面倒な人には、AI(人工知能)と漢方に精通した医療チームが効く漢方薬を見極めて、ご自宅まで届けてくれる「オンライン個別相談・AI漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)などの、スマホで相談できるサービスもおすすめです。
月経不順や更年期障害には漢方薬がおすすめ
肌や唇が乾燥する傾向がある人の月経不順や更年期障害に用いられる温経湯は、以下のような症状のある人におすすめの漢方薬です。
・冷え性だけれど手足がほてる
・唇や肌が乾燥する
・月経不順や更年期障害がある
・湿疹やしもやけができやすい
血を補うことで、肌や髪の毛の質が回復したり、婦人科系の疾患まで幅広い症状に用いられたりする漢方薬です。婦人科系の疾患でお悩みの人は、ぜひ一度、専門家に相談してみるといいでしょう。
教えてくれた人:薬剤師・道川佳苗さん
みちかわ・かなえ。漢方薬・生薬認定薬剤師。調理師。薬膳アドバイザー。大学卒業後、薬局にて従事し服薬指導をする中、病気の予防、健康維持には食育が大切であると感じ、服部栄養専門学校で調理技術、栄養学を学ぶ。現在はweb上で健康相談や薬膳や漢方に関する情報発信をしている。
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