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52歳女医、死にかけながらもキリマンジャロ頂上を目指したワケ【趣味のススメ】

頂上に着いてすぐ気を失う

キリマンジャロの登頂証明書
キリマンジャロの登頂証明書
写真8枚

頂上に着いてすぐに、ガイドたちは意識を失った鈴木さんを背負って急いで下山したそう。

「こうして5日間のキリマンジャロ登山は終了したのですが、降りてきたら全身が打撲だらけなんですよ、引きずられたようで(笑い)。でも、登れたのが嬉しくて。死にかけましたが、貴重な体験をしました」

山では人間のいい面に出会える

複数人で山に登るときには、助け合うのが当たり前なのだと鈴木さんは言います。

登山をする皮膚科医・鈴木稚子さん
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◆忘れられない山小屋で救われた経験

「具合が悪くなってしまったら、その人の荷物を分散して持つなどをして助け合います。普通に生きていると見逃してしまうような、人間のいいところを見る機会が多いんです。私自身も感動したことがあります。ボルネオ島のキナバル山に1人で登っていると、台風に巻き込まれました。

亜熱帯なのに冷え込んで、私は温かい服を準備していないうえに、レインコートが飛んでいってしまって、携帯電話もつながる状態ではなくて……。

山小屋で休んでいたのですが、窓が壊れて風が入ってくるような場所でした。具合が悪くなって震えていると、居合わせたほかの日本人2人が、バタバタしている窓を一晩中押さえてくれたり、私の体をさすって温めてくれたりしたんです。私が冷えて死んじゃうかもって。感謝で言葉もありませんでした」

登山には免疫力アップの効果も

森林セラピーという言葉があるほど、山の自然は心を癒してリフレッシュさせてくれます。鈴木さんは森林の効果はそれだけではないと説明します。

「森の樹木からはフィトンチッドという揮発成分が放出されています。これは抗菌作用が強いため、森の清々しい空気を保ってくれています。そして、私たちの免疫力もアップしてくれるんです。森林がどんどん伐採されているから抗菌効果がなくなって、菌やウイルスが蔓延しやすくなったと言われているほどです。

森林浴に行って気分が良くなるのは、そういった効果もあるんです。現代人はストレスフルな生活になりがちですから、ぜひ登山でリフレッシュし、身も心も丈夫になってください」

◆まずはハイキングレベルの山がおすすめ

登山をする皮膚科医・鈴木稚子さん
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これから登山を始める場合は、ハイキングレベルの低い山から始めるのがいいそうです。

「往復2、3時間で終わるような山もあるので、そこから体力などを確認してみてください。その段階ならば、まだ特別な準備も必要ありません。少し高めの山に挑戦したくなったら、登山用具の専門店に行って、店員さんに相談してくださいね」

この人に聞きました:皮膚科医・鈴木稚子さん

皮膚科医・鈴木稚子さん
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東京都出身。1994年に東京慈恵会医科大学医学部卒業後、同大学皮膚科学教室、国立大蔵病院臨床研究部皮膚科を経て、2017年六本木スキンクリニックを開院。多趣味で、温泉、旅行、スポーツ好きが高じて温泉療法医、日本旅行医学会認定医、日本医師会スポーツ認定医などの資格を取得している。https://roppongi-skin.com/

取材・文/小山内麗香

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