鏡を見るときは意識して笑顔を作っているせいか、左右のバランスなんてそれほど気にならないけれど、写真を見るといつも左の口元が下がっていて…。
そんな下がった口元を即効で上げるという最新メソッド「コアフェイストレーニング」を表情筋研究家の間々田佳子さんが教えてくれました。シリーズ15回目は「左右バランスを整える」です。
体のバランスがくずれれば顔のバランスもくずれる
「顔の左右のバランスが悪くなる原因には、体のゆがみ、体全体のバランスの悪さなどが大きく関係しています。たとえば、体が左に傾いている人は、自然に顔も左に傾きがちです。
正しい姿勢なら左右均等に筋肉を使えますが、傾いた状態では支えている方の筋肉だけが過度に使われて、もう片方は休んでいる状態。顔も一緒です。傾いたまま、話す、食べる、笑うなどしていれば、次第に片方の筋肉だけが発達し、もう一方は衰えてしまいます。特に口角には顕著にあらわれます」（間々田さん・以下同）
楽な悪姿勢は首こりや肩こりの原因に
口角に左右差がある人は、正しい姿勢でエクササイズを行うことが大前提です。
「『コアフェイストレーニング』は、座骨から頭まで一直線に伸ばした姿勢で行いますから、左右バランスを整えるためにも有効です。姿勢が悪い人は、正しい姿勢で座っていても時間が経てば元の悪姿勢に戻りがちに。そのほうが楽なんですよね。
ところが、自分にとっては楽な姿勢でも、悪姿勢でいれば一部の筋肉だけが緊張して硬くなり、首こりや肩こりにもつながってしまいます。また、正しい姿勢を意識する一方で、体全部の緊張を解いてあげることも必要です。
椅子に座って座骨を立て、左右にゆらゆら揺れるリラックス運動がおすすめ。座骨で座面を押すので反発する力で頭も自然に引き上がります」
体バランスを整えれば顔も整いやすくなります。気になる口元のゆがみを即効で改善してくれるというエクササイズがコアフェイストレーニングの「アゲアゲバランス」です。
コアフェイストレーニング「アゲアゲバランス」のやり方
【1】椅子に座り、座面に座骨を立て、座骨で座面を押しながら背筋を伸ばす（このとき肩が上がらないように注意）。額とあごは床に対して平行にし、首の後ろを伸ばす。
【2】両手は下ろす。
【3】下がっている口角を真上に上げ、目線も斜め左上を見上げて10秒キープ。反対側も同様に行う。
気になる人は【3】を3～5回繰り返す。
「口角を上げたときに指先との引っ張り合いを感じられたらOK。口角を上げづらい人は引っ張り合いを感じにくいかもしれませんが、続ければ口角も上がりやすくなりますからあきらめずに頑張りましょう」
下がった口角に刺激を与えれば瞬時に引き上がる
口角も目線もグィーっと限界まで上げるのが、効果を出すポイントです。エクササイズが終わった瞬間に下がっていた口元が上がっているはずです。
「『アゲアゲバランス』は、普段使われにくい筋肉に強い刺激を与えるので即効性があります。写真を撮る、人に会うなどの直前に行うといいですね。もちろん、続ければ左右対称の口元が定着します。先日、何度かご一緒したカメラマンに撮影してもらう機会がありました。
これまでは、1カット撮影するたびに“右が少し下がってる”、“左が少し下がってる”と指摘されていましたが、今回はまったく指摘されませんでした。体のバランスを整えたことが、結果的に顔のバランスにつながったのでしょう。さらに、目線を上げれば上げるほど、“目尻の上がったデカ目”になることが期待できます」
ただし、せっかく「アゲアゲバランス」で整えても、口角を横に引いて笑っていると、えらの張ったデカ顔になるので注意しましょう。
教えてくれたのは：表情筋研究家・間々田佳子さん
コアフェイストレーニング考案者、ままだよしこメソッド株式会社代表。19歳の時にインドに渡り、顔のヨガを学ぶ。2010年フェイシャルヨガの高津文美子氏に師事し、インストラクター認定資格を取得。以後、顔ヨガブームの火付け役として美容業界を牽引。2020年より自身の新メソッド「コアフェイストレーニング」を考案し、顔の「軸」を見つけることで顔を引き締め、表情・印象をピンポイントで変えていく「顔のトレーニング」の普及を行う。講演・テレビ出演も多数。これまでに出版した著書は13冊累計56万部を突破。講座受講者は3万人を超える。主な著書は 『日めくり まいにち、顔ヨガ！』（小学館） 、近著に『間々田佳子のかんたん顔筋トレ』（KADOKAWA）がある。『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』『NHKニュースシブ5時』『行列のできる法律相談所』『シューイチ』『この差ってなんですか？』他、多数のメディアにも出演。https://ameblo.jp/yoshiko-mamada/
取材・文／佐々木めぐみ
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