暮らしのプロが実際に使ってみて「これ買ってよかった!」と実感した便利グッズを教えてもらうこの企画。今回は、掃除のプロ、おそうじペコさんが、掃除用具として昔から日本人に愛される『亀の子束子(たわし)』をおすすめします。
昔ながらの名品として今、再注目されている
明治40年の創業以来、品質にこだわり日本を磨き続ける、亀の子束子。最近では、インテリア雑貨のセレクトショップなどでも取り扱われていたりと、再び注目を浴びています。おそうじペコさんがおすすめする『亀の子束子 ハーフハード』は、パーム(ヤシ)というかための繊維を短く刈り込んでいるので水ハネが少なく、硬めの使い心地。
ホワイトの部分はブラウンを脱色したもので、2色の同素材を使用したツートンのたわしです。細身で持ちやすく、しっかり落としたい汚れや、ごぼうや里芋といった泥付き野菜の泥落しや皮むきなどにも最適。一般的なたわしよりも縦長なので、長さを活かして底の深いものを洗う際にも重宝します。
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頑固な汚れを掻き出したりこすり取るのが得意!
適度な硬さを持っているパーム素材は繊維の頭部分で掻き出したり、こすり取ったりという洗浄が得意。根菜類の泥と薄皮をむくといった野菜洗いや、靴洗いなどの頑固な汚れ、鉄のフライパン、ザル、お風呂などのタイルの掃除にも便利です。
「老舗メーカー西尾商店のたわしは昔ながらの名品。ヤシのたわしは“点で洗う”という表現をするのですが、硬めのヤシの繊維の先がしっかりと汚れを掻き出し、洗浄します。細身でロングタイプのこの形状は、手の小さい私にも持ちやすく、奥行きのあるものまで洗うことができます。
従来のたわしのイメージとはひと味違うおしゃれなツートンカラーもインテリアを邪魔せずなじみます。さすが老舗ブランドなので、ハードに使っても繊維の先がヘタらず一般的なたわしよりもずっと長持ちします。もちろん日本製です」(おそうじペコさん・以下同)
扱いはシンプル明解で、使い方の守備範囲は広め
使い方としては、使用の前に水洗いをすること、キズのつきやすいものには使用しないこと、そして、使ったあとはよくすすぎ、水気をきって天日乾燥すること。というわかりやすくシンプルなトリセツ。でも家のあちこちで活躍してくれているとおそうじペコさんは絶賛します。
「一番活躍する台所では、まな板、鉄のフライパン、ガラスや陶器、ステンレスのザル洗い、野菜洗いなどに使います。もちろん玄関のタイル掃除など、家中のあちらこちらで使えます。何度も何度も使って、少~しヘタってきたら、ベランダなどの家の外回り掃除におろすというのがいつものコースです」
洗剤なしで、ザルもマグの茶渋だってなんのその
自宅で過ごす時間が増えて料理に費やす時間が増えると、少し手のこんだ料理にも挑戦する機会が増えます。でもいろいろな調理器具や食器の使用頻度が増えると、汚れも頑固に成長しますよね。そういった汚れにも亀の子束子があると余裕で対抗できるのだとか。
「見た目もツートーンでおしゃれなので、キッチンの食器洗い小物と一緒にセットしています。こびりついた汚れを洗剤なしで落とせるので、繊維の先を活かせばステンレスのざるの細かい汚れも落とせます。
また、鍋にこびり付いた汚れや茶渋などもまず、束子でこするとそれだけで落ちてしまうことも」
野菜の泥も、頑固な調理器具の汚れもしっかり落ちる頑丈さ
健康にいいとはわかっていても、面倒なのが根菜調理。特に新鮮な泥付き野菜は厄介ですよね。そんなときにも活躍するのが亀の子束子。気持ちいいくらいに汚れが落とせるので、根菜調理が楽しくなるとおそうじペコさんは言います。

「ごぼうなど泥のこびり付いた汚れ落としに最適です。泥汚れと一緒に外側の皮もそぎ落とすことができるので、包丁で皮をそぎおとす作業が短縮されます。気持ちよく落とすことができますし、シンクがごぼうの泥で汚れたら、そのままたわしで軽くこすればシンクもきれいにできます」
まな板の汚れも洗剤なしでびっくりするほどの落ち具合
見た目のおしゃれ度からすると木のまな板は憧れますよね。でもお手入れが難しそうなイメージも。おそうじペコさんは木のまな板を愛用しているそうで、その手入れにもたわしが相性バツグンだそうです。

「まな板の木の繊維の間にはいり込んだ汚れは、硬めのヤシの繊維がしっかり掻き出してくれます。側面ではなく、たわしを少し寝かせて全面を使って洗うと一気に広範囲をこすり洗いでき、時短にもつながります。
野菜など、油っけないものであれば、洗剤を使わずたわしだけで一気にきれいになります。まな板とたわしが天然素材同志なので相性がいいのかもとも感じます」
鉄のフライパンにこびりついた汚れにも負けないタフさ
近ごろ、一生モノとして鉄のフライパンも人気道具として浮上していますよね。ただ、鉄のフライパンは扱いが難しく、断念してテフロン加工のフライパンに戻ってしまうという話もよく聞きます。おそうじペコさんは、そんなデリケートな鉄フライパンのお手入れにも亀の子束子が大活躍していると教えてくれました。

「こげなどどうしても食品がこびりつきやすい鉄のフライパンのメンテナンスにいちばん愛用しています。フライパンを使用したあと、温かいうちにぬるま湯とたわしでこすれば、こびりついた汚れが落ちてほどよい油分だけが残ります。
鉄相手なので、かなり力を入れてこするのですが、繊維の先がヘタらずいつまでも硬さがキープできていて、その丈夫さに感心してしまいます」
水はけがよくて意外とお手入れ簡単!
掃除グッズはお手入れがネックになることも。汚れを落としたあとのスポンジやブラシなどは、汚れが残って悪臭のもとになったりして、そうなると長く置いておけず、短期間で新入りとバトンタッチすることになります。でもそれではいくら安いものでも結果的にコスパが悪くなってしまいますよね。その点、亀の子束子はメンテナンスがラクで長く使えるそうです。

「たわりの繊維の間にはいり込んだゴミや汚れは、お湯がはいったボウルに入れて浮かせてからブラシでこするときれいにとれます。水はけもよいので、夏場でもスポンジよりも乾きやすく清潔に使えます。メンテナンスがとてもラクなのも魅力です」
【DATA】
『亀の子束子 ハーフハード』(西尾商店)
価格:649円(税込・編集部調べ)
https://shop.kamenoko-tawashi.co.jp/c/tawashi/halfhard
◆教えてくれた人:掃除研究家・おそうじペコさん

掃除ライターの肩書も持ち、掃除の楽しさを伝えるためWeb連載や雑誌などさまざまな媒体で活躍。「ハウスキーピングコーディネーター2級」「掃除能力検定士5級」資格を保持。主な著作に『暮らしを楽しむお掃除エッセンス』(SBクリエイティブ)、『魔法の1分そうじ』(宝島社)、『お掃除やる気スイッチ』(三才ブックス)など。おそうじペコさんのブログ「暮らしを楽しむお掃除エッセンス」