「自炊が一番安くつく」というイメージを持っている人も多いと思います。でも、費用の面ではどんな料理も自炊するのがベストというわけではありません。
お金のプロフェッショナルである節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、作るとコストが高くつく料理について教えてもらいました。
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手間と材料費を考えたら絶対に買った方がお得!
料理には、材料費だけでなく水道代や電気代、ガス代といったコストがかかり、さらに、調理にかかる手間や時間を考えると、市販品を買ったほうが結果的に安上がりというものもあります。では、どんなメニューが自炊よりお得になるのでしょうか。
高コスト料理のコロッケは冷凍orでき合いが◎
いろんなお総菜のなかでも、断然買った方が安いのがコロッケです。自炊するときの食材費の目安は、じゃがいも、ひき肉などを使って6個作って250円ほど。1個あたりの費用は約41円となります。
一方、一例としてイオンのネットスーパーで購入できる『サンマルコ 男爵コロッケ 牛肉 440g』なら8個入り218円で、1つあたり約27円となります。近所のスーパーでも、冷凍コロッケなら比較的安い商品があると思います。また、スーパーよりも単価の高いコンビニでは1個70~90円ほどですが、それでも工程コストを考えたら、買った方が安いようにも思えますよね。
1個10円以下の餃子も
ひき肉やキャベツ、皮も必要な餃子にかかるコストの目安は、300円ほどで25個、1つあたり12円となります。
スーパーで購入すれば236円で30個(西友『特盛餃子』の場合)、1つあたり7.8円となります。切る、混ぜる、包む、焼く、とかなり工程が多い料理だからこそ、思い切って買った方がお得になりますよ。
ミートソースは買ったほうが安くておいしい!?
ひき肉やトマト缶などを使いミートソースを自作する場合にかかる食材費と量の目安は、1000円強で8食分。1食あたり約130円となります。また、ローリエやナツメグなどを常備していない場合は、使う量以上に購入することになるので、さらに高くなってしまいますよね。
100円ショップでも2~3人前のミートソースが売られていますし、スーパーなどで購入できるキューピー食品の『ミートソース フォン・ド・ヴォー仕立て』なら、参考小売価格で2食分247円。1食あたりの値段は自炊したときとほぼ同じですが、なかなか家でフォン・ド・ヴォーを使ったミートソースを作ることはないと思いますので、それが家で食べられると考えたら安いと言えるかもしれません。
少量の副菜なら、適量を買う方がお得!
例えば、ひじき煮やポテトサラダなどの副菜も1~2食分であれば、買う方がお金も手間もかけずにすみます。ちなみに、黒豆やあんこも自分で作るのが難しいうえに、コスパがよくない料理です。パウチや缶詰の方が楽なのにおいしいのであれば、取り入れた方が賢いですよね。
もちろん、作ったものを食べたいという日もあるでしょうし、家族構成などによっても費用は変わってくるので、必要な量と、材料費や作る時間など全体のコストを見極めて、お得だと感じるものを購入してみてはいかがでしょうか。
※各料理の費用は、丸山さんがその料理の一般的な材料についてスーパーなどでの販売価格を元に独自の試算したものです。
教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん
節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。丸山さんのオフィシャルサイト「らくらく節約生活」
構成/吉田可奈