鼻血など、カーペットにぽとりと落ちてしまった血液のシミ。食べ物の汚れとは成分が違うし、きれいに落とすのは難しいというイメージはありませんか?
羽田空港の清掃の実技指導者で、最年少で全国ビルクリーニング技能競技会1位を獲得した経験もある掃除のプロ・新津春子さんに掃除術をレクチャーしてもらいました。
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血液のシミは、「10分放置」で解決できる!
血液は色が濃くて、シミを抜くのに手間がかかりそうなイメージかもしれません。けれど、コツさえ知れば簡単に汚れを落とせるんです。放っておくだけで色が抜けていく、手軽な掃除法をお教えします。
シミ抜きの前にカーペットの目立たない場所に洗剤をつけて、色落ちしないかチェックをすることを忘れずに。また、血液による感染予防のため、必ずビニール手袋をはめてからシミ抜きをはじめてくださいね。
血液は酸素系漂白剤 (液体)と重曹で落とす
まず、酸素系漂白剤 (液体)と重曹を1:1の割合で混ぜて、シミ抜き液を作ります。塩素系の漂白剤だとカーペットを傷めてしまうので、必ず酸素系のものを選んでください。
馬の毛を使ったやわらかい小ブラシ(メイクブラシでも代用可能)にシミ抜き液をつけ、カーペットの毛をなでて汚れを落とします。汚れが広がらないように、外側から内側へ、4方向から行うのが基本です。
ラップをして放置するだけで、シミが薄くなる
小ブラシで外から内に向けて4方向から、シミ抜き液をまんべんなくなじませ、ラップをして10分放置しましょう。たったこれだけで、時間が経つにつれてだんだんとシミが薄くなってきます。
完全にシミが取り切れていなくてもよいので、シミが薄くなったと確認できたら、ラップを取りましょう。シミの上にコットンを置き、つまむように汚れを吸い取ります。
シミがきれいになるまで、小ブラシで染み抜き剤をなじませラップをして放置し、コットンでつまむように汚れをとる作業を繰り返します。
タオルと小ブラシで洗剤をとる
シミがとれたら、霧状に水スプレーをかけて、かわいたタオルをおき、その上からきれいに洗った小ブラシ当てて、細かく動かして水分を移しとります。これを2回繰り返し、水分を完全にとります。
カーペットについた血のシミ落としに用意するものまとめ
ビニール手袋、酸素系漂白剤 (液体)、重曹、小ブラシ、ラップ、コットン、スプレー容器(水 ※ぬるま湯の場合は30度以下)、乾いたタオルを使います。
馬毛の小ブラシを使う理由
馬の毛でできた小ブラシはやわらかく、やさしく汚れを落としてくれますが、歯ブラシだとナイロン素材で毛が硬いので毛玉がつくなど、カーペットを傷めてしまう可能性もあります。
小ブラシが手元にないときは、馬毛のメイクブラシで代用してもOKです。新しいものを使うときは問題ないですが、もし使い古したメイクブラシを再利用する場合は、化粧品の汚れがつかないように十分に洗ってきれいにしてから使いましょう。
教えてくれたのは:新津春子さん
にいつ・はるこ。1995年、日本空港技術サービス(現:日本空港テクノ)に入社。1997年に(当時)最年少で全国ビルクリーニング技能競技会1位に輝く。以降、指導者としても活躍し、同社ただ1人の「環境マイスター」として、羽田空港全体の環境整備に貢献し、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK総合)で5回にわたって取り上げられた。著書に『子どもと一緒に身につける!ラクして時短の「そうじワザ」76』(小学館)など計12冊+DVD1部。http://www.jatec.co.jp/house-cleaning/
構成/イワイユウ