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紫外線を浴びたあとにできるシミ対策|とるべき食事とおすすめ漢方を皮膚科医が教える

紫外線対策を心がけていても、うっかり強烈な日差しを浴びてしまったということありますよね。とくに、レジャーに行けばどうしても紫外線は避けられません。

両手の指で頬を触る人
うっかり紫外線を浴びてしまったあとのシミ対策を皮膚科医が伝授!(Ph/Photo AC)
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漢方に詳しい皮膚科医・金城里美先生によると、紫外線をたくさん浴びてしまったあとでも、適切なアフターケアや食事でダメージを軽減できるそうです。そこで、シミ予防のためにとるとよい食材や漢方薬について教えてもらいました。

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シミができるメカニズム

まずは、なぜ日焼け後にシミができてしまうのか、そのメカニズムを解説します。

庭に立つ女性
シミができるメカニズムを解説(Ph/Photo AC)
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紫外線から肌を守る「メラニン」の働き

シミのもとである「メラニン」は、紫外線から皮膚の細胞を守る働きをしています。紫外線を浴びると、皮膚を守るために「メラノサイト」という細胞からメラニンが多く作られます。メラニンが過剰に作られると皮膚の色は日焼けした状態となり、茶色っぽく変化します。

古い皮膚を入れ替える「ターンオーバー」の働き

正常な皮膚では、古い皮膚があかとして剥がれ落ちて新しい皮膚に入れ替わる「ターンオーバー」が絶えず繰り返されています。メラニンを含んだ細胞もターンオーバーによって次第にあかとして剥がれ落ちます。そのため、通常は時間とともに皮膚は元の色に戻ります。

シミの原因は紫外線ダメージの蓄積・ターンオーバーの滞り

シミができる原因は主に2つあります。

・紫外線による皮膚へのダメージ蓄積
・ターンオーバーの乱れや滞り

紫外線による皮膚のダメージが長年続いたり、皮膚のターンオーバーが滞ったりすると、排出されるべきメラニンが皮膚に蓄積して「シミ」になってしまいます。

夏の強い紫外線を浴びたあとのアフターケア方法

シミの原因になる紫外線は日焼け止めや日傘、帽子などを使ってできるだけ避けましょう。しかし、うっかり紫外線を浴びてしまったとしても、正しいアフターケアをすれば皮膚の回復を早めることができます。

化粧水をコットンにつけている
強い紫外線を浴びたあとの正しいスキンケアの仕方(Ph/Photo AC)
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クーリングで炎症を和らげる

強い紫外線を浴びて日焼けをすると、皮膚は軽いやけどの状態になるため、熱をもって炎症が起こります。そのため、まずはクーリング(冷却)をして熱を取り除き、炎症を和らげることが大切です。

クーリングは、氷や保冷剤を薄いハンカチやガーゼで包んで冷やす方法が手軽です。日焼けをした日は洗顔もぬるま湯か水で行い、熱いお湯は避けるようにしましょう。

乾燥しやすくなっている肌を保湿

紫外線を浴びた皮膚は、ダメージを受けて乾燥しやすくなります。クーリングで熱を取り除いたあとは、しっかり保湿をしましょう。化粧水と乳液を重ねることで、保湿力がアップします。

やさしいスキンケアをする

紫外線でダメージを受けた皮膚は刺激を受けやすくなっています。そのため、スキンケアの際に強くこするのは避けてください。洗顔は泡でやさしく洗い、化粧水や乳液によるスキンケアも、そっと皮膚を押さえるイメージで保湿しましょう。

シミ・紫外線ダメージを軽減させる栄養素

前述したように、日焼け後にシミを作らせないためには皮膚のターンオーバーを促す必要があります。そして、皮膚のターンオーバーが滞りなく行われるためには、食事から摂る栄養が欠かせません。

ナチュラルテイストな皿と箸
シミ改善に役立つ食事とは?(Ph/Photo AC)
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ここでは、シミの軽減に役立つ栄養素とおすすめ食材をご紹介します。

アフターケアに役立つビタミンやたんぱく質

バランスのよい食事が理想的ですが、とくにビタミンC、ビタミンA、たんぱく質などの栄養素はしっかり摂るようにしましょう。それぞれの栄養素がどんな働きをするのか、ご紹介します。

・ターンオーバーを整えるビタミンA

ビタミンAは、皮膚のターンオーバーを正常にする働きがあります。皮膚のターンオーバーが改善することで皮膚のメラニンが排出されやすくなり、シミができにくくなります。

ビタミンAを含む食材:レバー、うなぎ、にんじん、ほうれん草、にら、春菊、小松菜など

・皮膚の回復に役立つたんぱく質

たんぱく質は皮膚の主要な構成成分です。たんぱく質が不足すると皮膚のターンオーバーが滞りやすくなり、シミが残る原因になります。

たんぱく質を含む食材:肉、魚、卵、大豆など

・シミを薄くするビタミンC

ビタミンCには、メラニン生成を抑制しシミを薄くする効果があります。また、皮膚の弾力を作るコラーゲンの生成促進、皮膚にダメージを与える活性酸素の産生抑制の働きもあります。そのため、シミはもちろん、日焼けによる肌荒れなどにも効果的です。

ビタミンCは熱に弱いため、野菜や果物から生のまま摂取するのがおすすめです。

ビタミンCを含む食材:パプリカ、トマト、キウイ、いちご、レモンなど

日焼け後におすすめの食材3つ

さらに、日焼け後の食事にぜひ取り入れてほしい食材を3つご紹介します。

黄色と赤のパプリカ
パプリカは、シミ対策に有効なビタミンAとCを多く含む食材
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・ビタミンA・ビタミンCが豊富な「パプリカ」

パプリカはビタミンAとビタミンCを豊富に含み、とくにビタミンCはピーマンの2倍以上含まれています。

パプリカは果肉が厚いため、ビタミンを含む他の野菜と比べて、加熱をしても栄養素が壊れにくいといわれています。

ざるに入った小松菜
小松菜のβ-カロテンとビタミンCでシミを撃退!
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・βカロテン・ビタミンCが豊富な「小松菜」

小松菜はビタミン、ミネラルの宝庫といわれている野菜です。体内でビタミンAとなるβ-カロテンや、ビタミンCも豊富に含まれています。

小松菜は炒め物にもできますし、電子レンジで加熱すれば簡単におひたしを作ることもできます。また、冷凍保存もしやすく非常に使いやすい食材です。

うな丼
うなぎにはビタミンAやたんぱく質が豊富!
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・ビタミンA・たんぱく質を含む「うなぎ」

うなぎはビタミンAが豊富に含まれる食材として有名で、チーズの4倍、卵の6倍のビタミンAが含まれているといわれています。さらに、たんぱく質も豊富でありながら、肉類などに比べてヘルシーで、健康を維持するのにもとても有効な食材です。

シミ・紫外線ダメージの軽減には漢方もおすすめ

ターンオーバーの乱れを整えることや、シミなどの皮膚トラブル解消には、漢方薬もおすすめです。

漢方薬とはどんなもの?

漢方薬は生薬(自然由来の成分)を組み合わせて作られた薬で、西洋薬に比べて体にやさしく働くといわれています。自然由来の医薬品としてさまざまな症状に効果が認められており、心と体の理想の健康を目的としています。

漢方薬が皮膚トラブルに有効な理由

漢方医学では皮膚は内臓の鏡といわれ、体の内側に問題があると考えられています。そこへ漢方薬を用いることで、体質の改善を目指します。

漢方薬によって血のめぐりを整えることで、体全体に栄養が行きわたります。すると、ターンオーバーも正常化し、きちんと肌が生まれ変わるので健康で美しい肌を取り戻せると考えられているのです。

シミなどの肌トラブルにおすすめの漢方薬2つ

東洋医学では「血(けつ)」が、全身をめぐり、全身の組織や器官に栄養を与える働きをします。血の巡りが悪くなった状態を「瘀血(おけつ)」といいます。瘀血の状態では、皮膚に栄養がいきわたらなくなり、シミや肌荒れが起こりやすくなります。そのため、シミなどの肌トラブルには「瘀血」を改善する漢方薬が用いられます。

乾燥したハーブ類とお茶
シミに効果が期待できる漢方薬とは?
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シミが気になる人におすすめの漢方薬

桂枝茯苓丸加薏苡仁


桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)は、瘀血を改善することでシミの軽減に役立ちます。瘀血の症状が関わるにきび、肌荒れ、生理不順などにも効果的です。

当帰芍薬散

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は桂枝茯苓丸加薏苡仁と同様、瘀血を改善することでシミの軽減が期待できる漢方薬です。当帰芍薬散は血の巡りが悪く、さらに血の量が少ない方(体力があまりなく、冷え性、貧血、たちくらみ、生理不順などがある方)に、とくに効果的です。

→当帰芍薬散について詳しく知る

漢方薬を始めるときの注意点

無理なく体質の改善を目指し、シミの予防にも役立つ漢方薬ですが、自己判断での使用は避けたほうがよいでしょう。

漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こる場合もあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。

最近では、症状と体質に合った漢方薬を漢方に精通した薬剤師に選んでもらえる、AIを活用したオンライン相談サービスも登場しています。

紫外線アフターケアでシミを増やさない肌へ

紫外線を浴びてしまってもシミを作らない肌にするために、まずアフターケアがとても大切です。あわせて、皮膚やターンオーバーの回復に役立つ栄養素を食事に取り入れることも、シミの予防に効果的です。

森の中で日差しを浴びて伸びをする女性
スキンケアや食事でシミを解消して素敵な毎日を
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また、漢方薬でも体の内側からのシミ対策が可能。ぜひ専門家に相談したうえで生活に取り入れ、シミを寄せ付けない肌を目指しましょう。

◆教えてくれたのは:皮膚科医・金城里美さん

皮膚科医の金城里美さん
皮膚科医・金城里美さん
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かねしろ・さとみ。皮膚科医。薬剤師
東京大学薬学部卒業後、医師を目指して、東京医科歯科大学医学部に入学。体、精神とも関わって多様に現れる皮膚の病態に興味を持ち、皮膚科医の道を選ぶ。卒業後、大学病院、総合病院、クリニックでの皮膚科勤務を経て、一般皮膚科から美容皮膚科まで皮膚科領域の診療を幅広く行う。
現在、総合病院の皮膚科常勤医として勤務。今までの経験をいかし 、「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/ )などで情報発信している。

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