お鍋がおいしい冬の時期。旬の長ねぎは欠かせない具材のひとつですよね。野菜ソムリエプロの福島玲子さんによれば、おいしいものを見分ける方法があるのだそうです。そのポイントをうかがいました。
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生産者直伝のおいしい長ねぎの見分け方
「白ねぎ」や「根深ねぎ」とも呼ばれる、関東ではポピュラーな長ねぎ。生産者さんから直接教えてもらった、形よく丹精込めて育てられたおいしいネギを見分けるコツを3つ、お教えします。
先端が3本に分かれていると良品
先端の青い部分が3本に分かれていて、かつ、扇状に広がっている状態が最高のネギのフォルム。長雨にあたったりすると中央の葉だけがのびてしまったり、外側の葉に虫がついて斑点のような模様が出たりしてB級品となり良品ではなくなってしまうそうです。
色の境目がはっきりしているのは手をかけた証拠
もう一つ、白色と緑色の部分がはっきりしているものがよいそうです。色が二層にくっきり分かれているということは、生産者がきちんと土寄せをして、丹精を込めて育てている証です。土寄せとは、成長過程でねぎの土に埋まっている部分に土をかけていく作業のことで、これをしっかりやることで、白い部分が土の中で伸びていくのです。
また、緑の部分は色が濃い方が元気に成長している証拠なので、色味に注目しましょう。もう一つ、触ったときにフカフカとしておらず、よく締まって弾力のあるものは瑞々しく新鮮なねぎと言えますよ。
風邪予防だけじゃない!長ねぎの栄養
長ねぎは葉っぱの緑色の部分が緑黄色野菜で、白色の部分が淡色野菜です。それぞれに違った栄養素が含まれています。
緑色の部分は、肌にも効果的
長ねぎといえば、風邪予防に効果的なイメージがありますよね。それは、緑色の部分にビタミンCが多く含まれていることが理由です。抗酸化作用があるので、動脈硬化の予防や、肌のシミやしわを防ぐともいわれています。
ビタミンCは水溶性で熱に弱い性質があるので、生で食べたり、味噌汁やスープなど汁ごといただくメニューがおすすめです。
疲労回復効果が期待できる白ねぎ
一方、白色の部分には、切ったりつぶしたりして刺激を与えるとツンとした香りを発する、辛み成分の硫化アリルが豊富に含まれています。
硫化アリルには、血液をサラサラにする効果や抗酸化作用があります。糖質をエネルギーに変える働きのあるビタミンB1と一緒に摂ると、ビタミンB1の働きが効率的に続き、疲労回復効果が期待できます。スポーツのあとなど疲れがたまったときには、ビタミンB1たっぷりの豚肉と長ネギの組み合わせで疲れた体を労ってあげてください。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持つ。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導など、多岐にわたって活動している。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ