他に猫を飼っている場合は前からいる子が優先
新たに保護猫を迎えるとき、すでに飼っている先住猫がいる場合は、先住猫との関係をゆっくり育むことも大切です。
「最初のうちは先住猫がぴりぴりして、あとから来た猫に『シャー!』と威嚇したりすることがあります。いきなり一緒にしないほうがいいですね。
それと、飼い主さんは新たに迎えた猫よりも、先住猫を優先する意識を持ってください。ご飯をあげるのも、いい子いい子するのも先住猫が先です。新しく入ってきた子のことはどうしても気になると思いますが、前からいる猫にしてみれば、自分の地位はあとから来た猫より上だという意識があります。それなのに、飼い主さんからそのように扱われないと、非常に不満で鬱憤がたまってしまいます」
初めて会った猫の性格を見極める
譲渡会で複数の猫の中から1匹を選べる環境の場合は、先住猫の性格や家族の状況なども考え合わせて選ぶと、トラブルの可能性を減らせます。
「例えば、すぐ『シャー』と言ったりして攻撃的な猫は、小さいお子さんがいる家には不向きです。お子さんが『猫ちゃんかわいい』と言って不用意に手を伸ばして引っかかれるなどしてケガをすることがあります。
譲渡会の前に、『うちで迎える子ってどんな子がいいんだろうね』と家族で話したり条件を整理したりして、当日はよく様子を見て個性を理解することが大事です」
◆教えてくれたのは:獣医師・山本昌彦さん
獣医師。アニコム先進医療研究所(本社・東京都新宿区)病院運営部長。東京農工大学獣医学科卒業(獣医内科学研究室)。動物病院、アクサ損害保険勤務を経て、現職へ従事。https://www.anicom-sompo.co.jp/
取材・文/赤坂麻実
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