友達のYちゃんから焼き肉のお誘いが…
そんな時に名古屋からYちゃんが「1週間、泊まらせて」とやってきたの。Yちゃんはひと回り下の酉年女で、英語とハングル語と経理が出来る外資系OL。10年くらい前にひょんなことで知り合ってからの仲で、気が付くと私が困ったときに助け舟を出してくれるんだよね。今回もそうで、「姪のKと焼き肉食べに行くんだけど、行くよね?」だって。
テレビ制作会社に勤めるKちゃんの彼氏は、売り出し中のお笑い芸人、『モシモシ』のいけちゃん。ときどきテレビ出演している早稲田大学法学部卒の高学歴芸人なの。私とは半年前に個室で中華料理を食べたのが初対面で、今回が2回目。サラリーマンを経験しているせいか、ちゃんとした常識人ですごく気持ちのいい若者よ。
で、今回も赤坂駅で待ち合わせしたら、「焼き肉、楽しみで楽しみで」とふたりとも満面の笑み。この笑顔がどんなに目の前のオバちゃんを慰めたか、ふたりはわかるまい。それに焼き肉は若者と食べるに限るね。肉を食べるぞという意気込みが何より大事だもの。
「あ、私はもういいから、あなた食べて」なんて、同世代から胃のあたりを抑えながら言われてごらんって。たちまちまずく感じちゃうから。
そんなわけで、「うふふ。おいしいねぇ~」「もう、最高。幸せ~」
といいながら顔を見合わせている若いふたりを見ていたら、私まで幸せな気持ちになっていったのでした。
◆ライター・オバ記者(野原広子)
1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。
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