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アート&絶景がスゴイ!いま旅に行くなら「瀬戸内&四国」である理由を旅行ジャーナリストが解説

日本のウユニ塩湖と表される絶景が広がる「父母ヶ浜(ちちぶがはま)」
日本のウユニ塩湖と評される絶景が広がる「父母ヶ浜(ちちぶがはま)」
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3年に一度のアートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2022」。いよいよ明日、4月14日(木)に春会期が開幕します。海外アーティストが来日できないなどコロナの影響もあり、新作の公開は、一部ゆっくりとしたスタートになりそう。ただ過去の作品もたくさんあり、期間中は島を巡るアクセスも充実。

加えてJR 四国では、昨秋のディスティネーションキャンペーンの事後イベント「四国アフターディスティネーションキャンペーン(四国アフターDC)」を4月から6月まで実施。ゴールデンウィークも利用できるお得なきっぷの発売や、通常は車がないと不便な絶景スポットへのツアーなども設定されています。まさに今がいきどきの瀬戸内海、そして四国をめぐる旅を、旅行ジャーナリストの村田和子さんがご紹介します。

天空の鳥居と話題の高屋神社の本宮
天空の鳥居と話題の高屋神社の本宮を訪れる村田和子さん
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島巡りに便利な「フェリー6航路3日間乗り放題チケット」

芸術祭の舞台となる瀬戸内の島と高松港(香川県)~宇野港(岡山県)を結ぶフェリー6航路に3日間乗り放題のチケットが、瀬戸内国際芸術祭の実施期間中に発売されます。

瀬戸内の島と高松港(香川県)~宇野港(岡山県)を結ぶフェリー
フェリーからは瀬戸内の絶景も楽しめる
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価格は中学生以上の大人が2600円、小学生が1300円。自由気ままなフリーパスは、瀬戸内国際芸術祭2022のアート鑑賞はもちろん、この機会に島旅を楽しみたいかたにもピッタリです。

「カモメの駐車場」木村崇人作(香川県・女木島)
「カモメの駐車場」木村崇人作(香川県・女木島)
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本州から瀬戸内国際芸術祭を楽しむのなら、直島や豊島へのフェリーが発着する岡山県の宇野スタートが便利です。瀬戸内国際芸術祭の舞台のひとつで、JR宇野駅は駅舎そのものがアート作品。また、岡山駅から宇野駅までは、観光列車「ラ・マル せとうち」が4月と8月の週末に運行されます。

「JR宇野みなと線アートプロジェクト」エステル・ストッカー作(JR宇野駅)
「JR宇野みなと線アートプロジェクト」エステル・ストッカー作(JR宇野駅)
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観光列車「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボア)」
観光列車「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボア)」は旅行カバンがモチーフ。毎月行き先がかわり、琴平や長船などにも運行
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宇野駅の一帯には歩いて見学できる作品も多くあります。まずは、鉄道で宇野へ訪れ見学し、船で島を巡る、あるいは四国へ渡るのがおすすめです。

「宇野のチヌ」淀川テクニック作(宇野港)
「宇野のチヌ」淀川テクニック作(宇野港)は、廃材を新たに収集し会期を前にお色直し
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2021年7月にオープンした「UNO HOTEL」。宇野駅前で島へのフェリー乗り場へもすぐ
2021年7月にオープンした「UNO HOTEL」。宇野駅前で島へのフェリー乗り場へもすぐ
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「UNO HOTEL」 1階にあるレストランBLUNO 。ランチとディナーは宿泊客以外もOK
「UNO HOTEL」 1階にあるレストランBLUNO 。ランチとディナーは宿泊客以外もOK
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瀬戸内国際芸術祭2022については、随時新たな発表もされています。またコロナに配慮しながらの開催になりますので、必ずお出かけ前に、瀬戸内国際芸術祭2022のホームページ(https://setouchi-artfest.jp/)で最新情報を確認されることをおすすめします。

ゴールデンウィークもお得に四国の列車旅

「四国に行くのなら、いろいろとまわりたい」というかたには、「四国アフターDC満喫きっぷ(https://www.jr-eki.com/ticket/brand/1-4TC)」がおすすめです(発売中~6月26日まで)。土・日・祝を1日以上含む連続3日間有効で、JR四国の全路線および土佐くろしお鉄道線(いずれも特急列車は自由席)、JR四国バス(路線バス)に乗り降り自由。それでいて価格は大人1万1000円、子ども3000円とお得です。ゴールデンウィークも利用できるので、この機会に四国4県を制覇する旅計画をするのもいいのでは。

四国アフターDC満喫きっぷのフリー区間。特急列車の自由席にも乗車できる
四国アフターDC満喫きっぷのフリー区間。特急列車の自由席にも乗車できる
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また四国は、大人の女性にぴったりな観光列車も多くあります。例えば香川県の多度津から琴平を通り、徳島県の大歩危までを結ぶ観光列車「四国まんなか千年ものがたり」。

四国まんなか千年ものがたり。大歩危駅で折り返す
四国まんなか千年ものがたり。大歩危駅で折り返す
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古民家をモチーフに四季の移ろいを表現した列車は、絶景の中をのんびりと進み、沿線のかたの歓迎もあり、ふれあいも楽しみのひとつ。こういった観光列車も乗車券部分は「四国アフターDC満喫きっぷ」が有効。特急料金とグリーン券を別途購入することで利用ができます(例:多度津~大歩危:特急料金1200円、グリーン料金1500円、合計2700円の追加で利用可能)

四国まんなか千年ものがたり車内。落ち着いた雰囲気で絶景をみながら運行する。停車駅では下車して地元の人とも触れ合える(停車中の車内)
四国まんなか千年ものがたり車内。落ち着いた雰囲気で絶景を見ながら運行する。停車駅では下車して地元の人とも触れ合える(停車中の車内)
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四国まんなか千年ものがたり:車内ではドリンクや予約制で食事も楽しめる
四国まんなか千年ものがたり:車内ではドリンクや予約制で食事も楽しめる
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大歩危から多度津へ向かう「しあわせの郷紀行」で提供される「大人の遊山箱」
大歩危から多度津へ向かう「しあわせの郷紀行」で提供される「大人の遊山箱」
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瀬戸内海を満喫できる観光列車「伊予灘ものがたり」は2022年4月にリニューアル。こちらも注目
瀬戸内海を満喫できる観光列車「伊予灘ものがたり」は2022年4月にリニューアル。こちらも注目
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格安レンタカーや限定ツアーで絶景パワースポットへ

列車旅で不便に感じるのが駅からの交通。バスはあっても本数が少ないなど悩ましいことも多いもの。「四国アフターDC満喫きっぷ」利用者は、24時間2000円で駅レンタカーが借りられるのでお得に使いこなしましょう。

父母ヶ浜(香川県)
全国的にも有名になった父母ヶ浜(香川県)では絶景写真に挑戦
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また4月23日~9月25日の土・日・祝には、JR高松駅もしくはJR琴平駅発着で、絶景巡りのツアー(https://shikoku-tourism.com/dc/23405 琴参バス運行:高松駅発着3000円、琴平駅発着2000円)も設定があります。天空の鳥居と話題の高屋神社の本宮(※別途シャトルバス利用)、日本のウユニ塩湖と表される絶景が広がる「父母ヶ浜(ちちぶがはま)」を案内つきでまわれます。レンタカーの運転は自信がないかたも安心ですし、ひとり旅にもおすすめです。

清掃活動などを通じて、父母ヶ浜の環境を守る「ちちぶの会」の皆さん
清掃活動などを通じて、父母ヶ浜の環境を守る「ちちぶの会」の皆さん。写真撮影のレクチャーや、シャッターを押してくれるなど頼もしい存在
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なお、高屋神社本宮への道路は、土・日・祝の日中、一般車の通行は禁止です。下宮から徒歩か、琴弾公園から発着するシャトルバスでのアクセスとなります。

高屋神社本宮
高屋神社本宮は標高404mの稲積山の頂上にある(※下宮から階段を歩いて登る場合は片道50分ほどの所要)
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高屋神社の絶景を望む自動販売機
高屋神社の絶景を望む自動販売機
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おみくじや御朱印
自動販売機では、おみくじや御朱印などが販売されている
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高屋神社本宮へのシャトルバスが発着する琴弾公園には、東西122m、南北90m、周囲345mもある大きな銭形砂絵「寛永通宝」があります。1633年に藩主である生駒高俊公を歓迎するために一夜で作られたという話も伝わる歴史ある砂絵で、その大きさは圧巻。琴弾公園の展望台から眺めるときれいに「寛永通宝」の文字を見ることができます。健康や金運があがるといわれ時間があればぜひ立ち寄りたいスポットです。

琴弾公園にある銭形砂絵「寛永通宝」。展望台からみると文字が綺麗に見える
琴弾公園にある銭形砂絵「寛永通宝」。展望台から見ると文字が綺麗に見える
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今年のゴールデンウィークは暦もよく、ゆっくりじっくり瀬戸内をまわるチャンスです。新緑に彩られる山々、島の間を船が行き交う景色、そして3年に一度のアートの祭典などに触れることで、気持ちもリフレッシュできます。お遍路文化である、四国の方の温かいもてなしにも注目です。

他にも期間限定の観光プランやイベントがあるので、詳細は「四国アフターDCのホームページ(https://shikoku-tourism.com/dc)」でご確認ください。

◆教えてくれたのは:旅行ジャーナリスト・村田和子さん

村田和子さん
旅行ジャーナリスト・村田和子さん
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旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド(R)」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年よりNHKラジオ『Nらじ』月一レギュラー。トラベルナレッジ代表(https://www.travel-k.com/)。旅ブログも行っている(http://www.murata-kazuko.com/)

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