
今年のゴールデンウィーク(以下GW)は、3連休が2回、最長10連休という旅には絶好の日並びです。「混んでいそうだなあ」「どうしようかな」と迷っていて、ノープランというかたも多いのでは? 今回はGW直前、まだ間に合う穴場のおでかけヒントを、旅行ジャーナリストの村田和子さんが紹介します。コロナ禍、混雑を避けて安全・快適な旅をしましょう。
GWの混雑状況は?
「今年はお休みが長いから混雑しそう」と思いがちですが、国内旅行は長くても一般的には3泊程度。連休が長いほうが旅行期間は分散し、ピークを外せば意外と予約は取りやすい傾向にあります。対昨年で利用者が大幅増という新幹線や飛行機も、実はコロナ前と比較すればまだまだ回復半ば。今からでも予約は十分とれます。

ただし大都市近郊は注意が必要です。コロナ禍で車での移動が増えており、大都市から車で2~3時間でアクセスできる温泉、そしてリゾートホテルは混雑。道路の渋滞も懸念されます。
GW直前!いまから計画するならお役立ち情報5つ
これからGWにどこか行きたいという方にむけて、お役立ちヒントを5つご紹介します。新緑のシーズンは自然に気持ちも癒されます。密を避けて上手におでかけをしてみましょう。

【ヒント1】日程はGW後半がねらい目。県民割はGW対象外
2回ある3連休(4月29日~5月1日、5月3日~5月5日)を中心に混雑しています。ただし宿などはキャンセル料がかかる直前に予約を手放す人が多いので、満室でもあきらめずに確認を。
混雑を避けるのなら、長い連休は前半が混みあう傾向にあり、5月5日(祝)以降の宿泊は空室が比較的あります。またGWのはざまの平日となる5月2日(月)、5月6日(金)は、学校は通常通りというころも多く、ファミリーは動きにくいもの。はざまの平日を絡めた旅計画もいいでしょう。
なお5月5日(祝)のこどもの日は、さまざまな施設で子どもの入園料が無料だったり、子ども向けサービスがあり混雑をします。この日は子連れファーストで、大人だけのお出かけは別の日にぜひ。

また、GWが明けた次の週末(今年なら5月14日~15日)は、例年空いているので視野に入れてみては? 料金も手頃でコスパのよい旅ができます。
なお県民割やブロック割が始まっている地域もありますがGWは適用除外、期間が5月末まで延長となりました。近場の旅なら、なおさらGW明けも含めて検討したいところです。
【ヒント2】リゾートや温泉は大都市近郊よりも地方へ
長く続くコロナで、「自然に癒されたい」「温泉でのんびりしたい」というニーズが高くなっています。冒頭でも記載した通り車旅の人気もあって、大都市から車で2、3時間のリゾート地や温泉地は、宿も早くから満室。それに伴い道路も混雑の可能性が高くなっています。
リゾートや温泉でゆっくりしたいかたは、いっそ飛行機や新幹線で少し離れた地方が狙い目です。渋滞もなく、混雑も緩和されゆっくり楽しめます。例えば、沖縄。成田発のLCCなども空きがあり、価格もコロナ前から考えると高騰してません。GW中盤以降の出発なら片道1万円ほどからあります(4月25日現在)。行きたい場所があれば、一度具体的に検討をしてみると意外と今からでも間に合います。



【ヒント3】近場で非日常!都内の高級ホテル滞在はいかが?
さまざまな理由で「移動ができない」「移動をしたくない」というかたはマイクロツーリズムで地元を味わう旅が安心。移動費用もかからず、その分贅沢なステイをしてみるのもいいのでは? ただし県民割、ブロック割もあるのでお値段重視なら、GW明けも検討を。
首都圏にお住まいのかたは、都内のホテルはまだまだ余裕があります。GWも値段は据え置き、あるいは他の週末よりも、むしろ安くなっているホテルもでてきました。観光需要が回復した折にはとても手が届かないだろう高級ホテルもかなりリーズナブル。今のうちに滞在するのもいいものです。
都内は思っている以上に緑も多く、ラグジュアリーで洗練されたホテルの空間に気持ちもワクワク。バルコニーがあったり、高層階で見晴らしがいいお部屋なら、リゾートと違った非日常感が味わえます。


【ヒント4】ビジネスホテル活用でアクティブに旅をする
GW、リゾートホテルや温泉旅館がにぎわう一方で、ビジネスホテルはシーズンオフ。価格もリーズナブルなので連泊して、ホテルを拠点にアクティブなひとり旅、お気に入りの都会に連泊で滞在、暮らすように滞在してみるのもいいのでは?
お洒落なホテルや個性的なホテルも増えています。また次にご紹介するGWも利用可能なフリー切符を組み合わせれば、お得に周遊旅行も楽しめます。


【ヒント5】フリーパスを手に、ぶらっと「散歩以上、旅未満」
自宅を中心に日帰りのおでかけを楽しむのもいいものです。各地域には電車やバスの乗り放題切符の発売があり、大抵は1000円以下と手軽です。意外と地元のことは知らないことも多いもの。日常とは違う路線の列車やバスに乗って、気になるものがあれば下車してみる。自由気ままな「散歩以上、旅未満」のおでかけもおすすめです。

観光協会に行けば地図やパンフレットもありますから、参考にして、グルメや史跡、あるいは美術館に絶景巡りなど、目的をもって旅をするのもいいでしょう。
また東京メトロからは、実質2000円(税込)で、2022年5月の土日祝日の東京メトロ線が実質乗り放題になる「休日メトロ放題」を実施(4月中に手続きが必要)https://www.event-metro.jp/kyujitsu-metro-hodai/
その他、JRや私鉄では、広域のフリーパスも発売しており、GWも利用できるものもあります。フリーパスを片手に気持ちの赴くまま旅をしてみるのもいいでしょう。利用期間や乗降の条件、発売が前日まで(あるいは1週間前)など、購入期限があるものが多いので、交通機関のホームページで詳細を確認しましょう。


GWの新緑の季節は、自然の成長に元気ももらえます。ステイホームから一歩外へ出てパワーチャージをぜひ。
◆教えてくれたのは:旅行ジャーナリスト・村田和子さん

旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド(R)」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年よりNHKラジオ『Nらじ』月一レギュラー。トラベルナレッジ代表(https://www.travel-k.com/)。旅ブログも行っている(http://www.murata-kazuko.com/)。
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